舌鋒
おはようございます。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
木曜日からランチの選べるお味噌は木曽の小
池糀店の味噌玉製法によるお味噌が登場!そ
れに合わせて、金曜日には小池糀店さの専務
唐沢尚之さんをお招きしてのお話会を開催し
ました。テマヒマでは食に関するイベントを
積極的に開催していますが、ワークショップ
が中心で、作り手のお話会というのは初めて
のこと。
お話会の前にランチを召し上がって頂いたの
ですが、テマヒマのランチのお味噌に関する
コンセプトを見抜いてお話会でお話しされて
いたのは流石!でした。カウンターでたまた
まお隣になった参加者の方に既にお話会が始
まりそうになったのは(いや始まっていたのか
)ちょっと笑ってしまいましたが、それほどに
唐沢さんのお話は引き込まれるものがありま
す。
糀作り、甘酒作り、お味噌作りのお話を時に笑いを交えながら熱を込めてして下さいまし
た。実直に昔ながらのモノ作りを続けてらっ
しゃるからこそ、どうしても食品業界や社会
の問題について、嘆き、憂い、怒り、そして
舌鋒鋭くなっていきます。その話はどれも共
感することばかりでずっと頷いていました。
特に心に残ったことを3つほど書いておきたいと思います。
1つは消費者の厳しい目が必要だということ
。日本酒の衰退と復活というお話の中で仰っ
ていたのですが、お酒だと、味にうるさいお
客様というのがいて、前よりも味が落ちただ
とかそういうことを言う/言われるので作り手
の方にも緊張感が生まれる。それがいいお酒
を作りたいというモチベーションにも繋がっ
ていくといった話で、果たしてお味噌は?と
いうところなのですが、売る→買うの一方通
行でない環境があれば、モノ作りを向上させ
るのではないか?と思います。これって他の
品種や業界にも言えるように思います。昨日
お越しの工務店さんにもそんなお話をしてい
ました。
小池糀店さんは明治12年(1879年)創業で現在
6代目。経営理念として
•良質で安全な原材料
•原材料の良さを最大限に引き出す製造工程
•消費者から見て生産者の顔が見える流通
•古くからある良いものの伝承
ということを掲げてらっしゃいます。
2つ目に心に残ったのは、適正なビジネスの
規模ということ。この経営理念で言えば顔が
見える流通。無理のある規模を追求すると、
流通にも無理が出て、添加物の問題だったり
出汁入り味噌みたいなものが生まれると。「豆腐は旅をさせるな」とか言うでしょと。
唐沢さんはコミュニティという言葉も使って
らっしゃいましたが、これも色々なことに通
底すると思います。
3つ目はすんきの話。木曽には、小池糀店さ
んの他に、2軒の造り酒屋があったり、独特の
乳酸発酵の漬物「すんき」があって、発酵の
町とも言われています。健康効果などが言わ
れ、最近すんきはとても人気になってるそう
。ただ問題が起こってるそう。すんきは赤蕪
の葉や茎を使うので、蕪本体は捨てられるよ
うになってしまってるそう。ここからは僕の
想像ですが、すんきは元々、蕪を余すところ
なく使いたいという想いから捨てられがちだ
った葉や茎を漬物にしたのでは?と。それで
その逆が起こってるとしたら皮肉だなぁと。
ブームみたいなものって罪だなぁ、先程の適
正規模にも繋がりますが、サスティナブルで
ある為にはバランスも重要ですね。
唐沢さんのお話の内容、キャラクターもあっ
てとても盛り上がり、また参加者の皆様もご
興味のある方ばかりでメモを熱心にとり、質
問も活発にされてました。お陰様でとても良
い会になったかと思います。
唐沢さん、ご参加者の皆様、ありがとうござ
いました!
一点、僕自身反省があります。
今回のお話会、関西よつ葉連合会さんでも小
池糀店さんのお話会があり、それに合わせる
ことで偶然実現したものです。よつ葉さんの
参加費に合わせて500円としたのですが、皆さ
んに誤ったメッセージが伝わってしまったのでは?と反省しています。勿論500円という
設定の内容では全くなくもっともっと価値の
あるものです。キャンセルポリシーを設けな
こともあって、直前のキャンセルや無断欠席
が普段よりも起きてしまったのは本当に残念
なことでした。
今回こういう形式のお話会は初めてのことで
したが、また何か企画出来ればと考えています。
テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!
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