伝承
こんばんは。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
先週のことですが、映画「ちゃわんやのはな
し」を観に行ってきました。ある東京の方が
SNSに投稿しているのを見て調べたら、十三の
第七藝術劇場でやるのを知り、平岩愛子・宮野さとみミニ2人展の準備中ではありましたが
行ってきました。
まずはホームページからあらすじを転載させ
て頂きます。
Story
「わたしたちは、故郷を想い<未来>を見つめる—
遡ること420年前、豊臣秀吉の二度目の朝鮮出兵の帰国の際に、主に西日本の大名たちは朝鮮人陶工を日本に連れ帰った。薩摩焼、萩焼、上野焼などは朝鮮をルーツに持ち、今もなお伝統を受け継いでいる。
薩摩の地では、島津家が彼らを厚く庇護をして苗代川という地に住まわせた。その中に沈壽官家の初代となる沈当吉がいた。以来、沈壽官家は研磨を重ね多彩な陶技を尽くした名品の数々を世に送り出し、世界中に “SATSUMA”の名が広がった。
幼少期に経験した言われなき偏見や差別の中で、日本人の定義とは何かと自身のアイデンティティに悩んだ十五代沈壽官を救った司馬遼太郎の至宝の言葉。
その十五代沈壽官が修行時代を過ごした韓国・利川にあるあるキムチ甕工房の家族は、十五代から学んだ伝統を守る意義を語る。沈壽官家の薩摩焼四百年祭への願い。
そして、十二代渡仁が父から受け継いだ果たすべき使命。十五代坂倉新兵衛が語る父との記憶と次の世代への想いとは。
朝鮮をルーツに持つ陶工たち、その周囲の人々の話が交差し、いま見つめ直すべき日本と韓国の陶芸文化の交わりの歴史、そして伝統の継承とは何かが浮かび上がる。」
映画の中心は十五代沈壽官の物語。明治期に
ロシア皇帝はじめヨーロッパ各国にも国策で
輸出されていたようなので、美術工藝の分野
の方と言ってよく、普段全く接点は無いので
すが、九州各地の民陶も同様に、豊臣秀吉の
朝鮮出兵によって朝鮮から陶工が連れて来ら
れたことの影響は大きいので共通するところ
も多いかと思います。
400年の旅人というサブタイトルから「伝統」
という言葉が思い浮かびますが、もちろんそ
の面もあるのですが、どちらかと言えば、親子の反発、反目、嫉妬、葛藤。。。と言った
もう少し人間的な物語(ヒューマンドラマと言
うのでしょうか?)の方が心に残りました。
登窯は(骨組みがある訳では無いので)簡単に
壊れるという話で象徴的に語られていたよう
に、伝承していくというのは脆いもの、難し
いものであり、伝統という言葉で一言にしてしまうのは憚れるほどの、親子、師弟などの
具体的な関係性の積み重ねによって、奇跡的
に残り、継がれてきたのだということを思い
知らされます。
韓国では、職人が代々継承するという考えは
薄いということを対比的に描いていました。
巧藝舎の小川能里枝さんからも韓国の職人さ
んは窯を渡り歩くみたいな話を聞いていたの
で、国民性(これも一言で片付けていいのか?
というのはありつつ)みたいなところもあるの
でしょうね。
十五代の言葉で「未来はわからないけれど、
過去から学ぶことはできる。」ということが
ありましたが、過去から学び伝承し、今を
積み重ねる先に未来があるということなので
しょうね。
また機会があれば観てみたい映画でした。次
観たらまた別のところが気になるのかもしれ
ません。
今日もとても暑い日でお客様は多くは無かっ
たのですが、ランチタイムスタートからカフ
ェタイム終了まで一時を除いてお客様が途切
れること無く、暑い中お越し頂きました皆様
ありがとうございました!
明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ち
しております。ランチのご予約は4組で残り8
席とお席に余裕がございます。
それでは明日も、好いモノ、好いコト、好い
トキをテマヒマで。
今日も一日お疲れ様でした!好い夜をお過ご
し下さい。
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