Hitoshi Ota

2018年3月末22年勤めた会社を退職しました。
「暮らし、味わう。」をテーマに
食のセレクトショップ&カフェ テマヒマ
OPENに向けて準備中の45歳です。

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振返

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。という書き出しがいいのかどうかも分からないですが、今年初めての投稿ですので新年のご挨拶。約2週間ぶりの投稿になります。高槻市にある民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ、テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。今日は昨年というかこれまでを振り返るような内容、テマヒマの考える今、といった内容です。長文となりますが(何人の人が最後まで辿りつけるのか!?)お時間あればお付き合い頂ければと思います。■はじめに昨年2025年、テマヒマでは、恩送りの仕組み(Drink Tickets/Omoiyari Ticket/Omoiyari Note)、哲学カフェ(月イチ朝カフェ哲学対話の時間)が始まりました。両方とも売上的なインパクトとしては皆無と言ってもよいですが、テマヒマとしては小さな一歩、でも大きな変化だった気がします。MECEに分けれるものでもありませんが、食べる(発酵)、買う(民藝)、学ぶ(主に食に関するワークショップ)に続く4つ目の顔と言えるかもしれません。動詞でいうと何でしょう?カフェではこれまで、例えば店主の嗜好が変わったことからランチメニューが(ほぼ)ヴィーガン化・プラントベース化したり、スタッフの志奈さんがロースイーツクリエーターの資格を取得したことからカフェのメニューにロースイーツが加わったり、千春さんがメンバーに加わったことから雑穀を使ったランチメニューが加わったりと、偶然というかブリコラージュ的というか、少しずつ進化してきました。クルミドコーヒー/胡桃堂喫茶店主の影山知明さんはお店の成長をよく「植物」の成長に喩えてらっしゃって、それはテマヒマにも当てはまります。ドリンクチケットや哲学カフェも開店当初から計画/設計していたことではなく、ご縁やタイミングがあったりで開店7年目にして生まれ、テマヒマっぽいメタファーで言えば「熟成」という感じでしょうか。初期テマヒマブログで、右脳か左脳かみたいなことをよく書いていましたが、感覚的に発想して(右脳)、それを編集、論理化している(左脳)ような感じですので、なぜテマヒマが恩送りの仕組みを始めるのか?とか、哲学カフェの民藝や発酵的な意味は?とかは完全に後付けで、必然性をあとで発見したとも言えます。■民藝仮に発酵業界というものがあるとして、ここ数年の発酵業界、発酵界隈を牽引してきた発酵デパートメントの小倉ヒラク(発酵デザイナー)さんの活動は素晴らしく、民藝「運動」初期の柳宗悦と比較したり喩えたり出来る、まさに「運動」と言ってもよいと思いますが、その小倉ヒラクさんが、発酵=食べる民藝という表現をしたり、急速に「民藝」への興味関心を深めてらっしゃってて、”「民藝」と「発酵」をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ”と標榜しているテマヒマとしては心強いばかりです。「民藝」は今から100年前に、西欧化、機械化・工業化、美術⤵工藝というヒエラルキーに対するカウンターとして、また民俗学、民具、農民美術など「民」に注目したムーブメントの中で、民衆的工藝の略として新たに生まれた言葉です。テマヒマという店名には(開店前の企画書から少し広がって)コスパ・タイパ、効率化・画一化、デジタル化・AI化する社会、に対するアンチテーゼの意味を込めていますが、歴史は繰り返さないが韻を踏むと言われてるように、現代という時代は100年前の状況にも酷似していると感じています。民藝というと、「モノ」の話、「美」の話と思われがちですが、それだけに留まらず、暮らし全般に対する提案(コト)であり、思想や哲学、宗教(ココロ)も含まれいて、実は深く、広いもので、情報過多な今、身体性をますます失いつつある今、人間が何でもコントロール出来ると考えがちな今、正解を求めがちな今、失敗することをおそれがちな今、自分で選択出来なくなっている今、他人軸で評価しがちな今、余白が無くなりつつある今、分断が深まる今、考え方、生き方の「モノサシ」足り得ると考えています。例えば企業における組織運営や人材育成などといったことにまで。■発酵一方、発酵とは、カビ、酵母、細菌などの微生物の働きによって、有機物が分解される「現象」(コト)で、味噌、醤油、納豆、ヨーグルト、チーズ、日本酒、酢などの発酵食品は、発酵により、風味が良くなったり、美味しくなったり、栄養価や保存性が高まったり、健康効果が期待されたりする食品(モノ)です。免疫力とか腸活とかが言われ発酵食品は現在ちょっとしたブームです。本来当たり前のものでブームになるというのが変なのですが。発酵食品の流行は震災や疫病といった社会不安の際にくるという話を聞いたこともあります。発酵と腐敗とは実は同じ現象で人間にとって有益か有害かの違いでしかなく、善玉菌、悪玉菌、(+日和見菌)という別も同様です。また重要なのは、発酵・熟成において、主役は微生物で、ヒトは微生物に任せ・委ね、環境を整えるのが役割となります。例えばそこからはモノサシ足り得る思想や哲学めいたものも導くことが出来ると思います。前述の組織運営・人材育成への示唆となるのは想像に難くありません(前職で自身がそのようなチームマネジメントをしていたのに気づいたのは起業後のことでしたが)みそソムリエの店主に学ぶ手前味噌作り講座をテマヒマでは毎冬開催していて大変人気です。講座中、参加者は無心になってお味噌作りを楽しんでらっしゃいます。身体性の回復ということも言えるかもしれません。何度も参加して下さってる方からは、みんなで集まって作ることの楽しさを聞きます。昔はあったであろうコミュニティの可能性も感じ、手前味噌を持ち寄り食べ比べする味噌同窓会(通称♪ミソドソ)も企画しました。どの時期にお味噌が出来るのか?食べられるのか?正解は無くて、美味しいと思った時が食べ頃。作る方それぞれの常在菌や置かれる環境によっても違います。地球温暖化の影響も感じます。手前味噌作りからは揺らぎへの寛容さ、待つことの楽しさも感じられるようになると思います。コロナ禍後に広まった除菌・殺菌とは一線を画す菌との共生を感じる方もいらっしゃるかもしれません。■共通性そんな民藝と発酵には共通するところが多々あります。日本民藝協会のHPでは民藝の特性として次の9つが挙げられています。実用性。鑑賞するためにつくられたものではなく、なんらかの実用性を供えたものである。無銘性。特別な作家ではなく、無名の職人によってつくられたものである。複数性。民衆の要求に応えるために、数多くつくられたものである。廉価性。誰もが買い求められる程に値段が安いものである。労働性。くり返しの激しい労働によって得られる熟練した技術をともなうものである。地方性。それぞれの地域の暮らしに根ざした独自の色や形など、地方色が豊かである。分業性。数を多くつくるため、複数の人間による共同作業が必要である。伝統性。伝統という先人たちの技や知識の積み重ねによって守られている。他力性。個人の力というより、風土や自然の恵み、そして伝統の力など、目に見えない大きな力によって支えられているものである。柳宗悦がこの条件のもとに民藝を蒐集したのではなく、蒐集したモノから導いた特性なので、この条件が揃ったら民藝ですよ、ということではないというのが前提なのと、例えば、廉価性については、民藝が発見される前の民藝の価格のことを述べていて、価値転換が起こって以降は当てはまらず、現代的な言い換えが必要かとは思いますが、発酵について考えてみると実用性。美容健康の為でなく、保存性を高め、人間が食べ生きるために作られた発酵無銘性。特定の有名な醸造家が生み出したものでもなければ、菌も名声を求めていない発酵複数性。菌の力により昔から数多く作り続けられてきた発酵廉価性。元々は日常の暮らしの中で使う、誰もが買えるような安価なものであった発酵労働性。菌の管理などには熟練の技術をともなうものである発酵地方性。土地土地の気候風土(テロワール≒土徳)により生まれた独自の発酵文化分業性。複数の微生物の活動により生まれ、複数の職人の共同作業で生まれる発酵伝統性。先人の知恵や技術が受け継がれてきた発酵他力性。個人の力を超えた自然の恵み、菌の働きに委ねることで生まれる発酵特に地方性、伝統性、無名性、他力性に顕著かと思いますが、驚くほどの一致がそこにあります。柳宗悦も晩年語っていた浄土教的思想と言えるかもしれません。個人的には、「他力」「直観」「無名」「無作為」、そしてここまでも出てきた「ブリコラージュ」或いは「足るを知る」ということも、モノサシとして肝になるかと思います。國分浩一郎さんが仰る「中動態」や中島岳志さんが仰る「与格」も無作為や他力、あるいは「不二」と共通するものがあるのではないでしょうか?民藝を表す言葉としてよく使われる「用の美」。福岡の工藝店・工藝風向店主で雑誌民藝編集長の高木崇雄さんによると柳宗悦自身は発していないそうですが、「用」については、モノの用(機能)とココロの用(作用)がある(※機能と作用はRoundabout&OUTBOUNDの小林和人さんによる)という考えはとても豊かで好きです。■月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」(哲学カフェ)月イチ開催の哲学カフェも今月で10回目を迎えます。テマヒマでの哲学対話は、案内文にも書いている通り、日頃「もやもや」感じているテーマ(問い)について、集まった人たちで一緒に「わいわい」話し、「うんうん」聴き、「ぐるぐる」考える営みです。情報伝達や合意形成、正解探しが目的ではなく、寧ろ正解のない「問い」について、耳を傾け、言葉を交わすこと自体を楽しみます。ディベートや論破の風潮とは真逆と言えます。築90~100年の古民家空間ということも相まって穏やかな時間が流れます。当日参加者が持ち寄った「問い」の中から投票でその日のテーマを決めるので即興性があります。ちなみに僕の案は一度も選ばれたことが無いので結果普段考えないようなテーマを考えることになりそれも有難いことです。哲学者の永井玲衣さんがポケットサイズの哲学という表現をされていますが、世界平和とかSDGsみたいな大きな主語よりは、自分事「小さな主語」の方がかえって広がり、深まる感覚があります。敢えて自己紹介をしないことで、フィルターがかからず、見ず知らずの人が対等に対話をすることが出来ます。名が無いのではなく名を無くす無名性は、SNS空間などの匿名性とは違います。司会進行を担当する僕はあくまで、ぬか床を混ぜる手のような役割で、コントロースすることなく、場に任せ、参加者に委ねていて、話が熟成するのを待つ。自然と何かが生まれ、参加者はそれぞれ違った何かを受け取ってお帰りになられているように感じます。必ずしもスッキリする訳ではなく、僕自身、哲学対話終了後に、その続きを考えることもしばしばです。やってから、民藝的な、発酵的な側面もあることに気が付きましたし、テマヒマが器屋でもあるが、テマヒマ自体が「器」そのものであるという発見もありました。■思いやりチケット/思いやりノート恩送りの仕掛けとしては、先述のクルミドコーヒー/胡桃堂喫茶のお手紙コーヒーや、店主が開店前に修行に行かせて頂いた未来食堂(店主:小林せかい)のまかない・ただめし制度などの先例もあり、参考にさせて頂いたりもしたりもしますが(個人的には全くオリジナルなものを1から生み出すずとも、吸収し咀嚼し組み合わせ編集することで新しい価値が生まれると考えています)、同じ贈与や利他であっても、意外と設計や表現は違っていて、そこにお店の思想の違いもあるように思います。テマヒマのDrink Ticketsは4枚分の料金で5枚綴り。1枚分(Omoiyari Ticket)は言わばテマヒマからお客様へのプレゼント。勿論お客様がそれをそのまま使って頂いてもOKですし、Omoiyari Noteに貼ってまだ見ぬ誰かにメッセージを書いてプレゼントして頂けます。そして自分宛のメッセージだと思うOmoiyari Ticketを見つけたらお返事を書いて、使って頂いても。Omoiyari Noteが公開の交換日記のようなもので、プレゼントして下さった方はもちろん、誰もがご覧になれるので、「想い」がゆるやかに繋がり、ゆっくり続き、じわじわと広がり、循環していきます。プレゼントして下さったある方が過去の自分に宛てたメッセージを書きましたと仰っていて、それを受け取ったある方はまるで自分のことを言ってくれてるようだと涙しながらお返事を書いてらっしゃる場面がありました。そしてノートをご覧になって「温かい気持ちになりますね」と仰る方も沢山いらっしゃいました。9ヵ月の間に65名の方がDrink Ticketsをご購入下さいました。既にリピーターの方もいらっしゃいますが、今年もどんなOmoiyari Noteという樽の中で、どんな善意の受け渡しが生まれ、発酵・熟成していくのか楽しみです。■おわりにテマヒマにもよくお越し下さる編集者の藤本智士さんが昨年出版された「日々是編集」の中で「編集者というただの器」という章があり、その中に”都会の人みんなが自分の商品価値を高めたいと思っているとまでは言わないが、はやりどこかで民藝的無名性ではなく、作家的有名性を良しとするところがセットされているんじゃないだろうか”という一文があり、ハッとさせられました。民藝のモノやココロを伝える店をやっているのに、まだまだまだ「我執」を手放せてないのでは?と。濱田庄司が遺した「覚えるのに10年、忘れるのに20年」という言葉ではないですが、これまで学んできたものを手放すのはなかなか難しい。開店前、開店当初、マーケティングよりもブランディングということをしきりに言っていました。マーケティングは言わば受動的態度、ブランディングは能動的態度、その先に中動態的態度があるとしたら何だろう?設計主義、自力、作為がブランディングだとしたら、ブリコラージュ、他力、自然(じねん)はどんな言葉で言い表されるのだろう?そんなことを考えるようになりました。きっとそんな店が民藝的な店、発酵的な店なんだろう、民藝的な店、発酵的な店を目指したいと思っています。飛騨高山の工藝店・やわい家の店主朝倉圭一さんが「わからないままの民藝」の中で、先の民藝の9つの特性に倣って、民藝的な人ってどんな人だろうということを書いてらっしゃいましたが、民藝的な店ってどんなだろう?カルチャー(文化)の語源である「カルティベーション(耕やすこと)」。哲学者の鞍田崇さんが以前講演でキーワードとして挙げていて初期テマヒマブログでもご紹介したことがありました。別の文脈ではありますが、マーケティング→ブランディングの次はカルティベーションなのかもしれません。日々土を触り観察し耳を傾ける。土壌を耕し、種をまき、環境を整え、あとは微生物などに委ね、成長を待つ、たまたまを楽しむ。ただただ耕し続ける。ただただ日々を営む。7年3か月耕してきた中で、新しい芽(アイディア)が出てきそうな予感があります。テマヒマでやってきたことや考えをテマヒマ(お店やブログ)の外でもっと伝えていきたいという考え。そして開店前の企画書に、事業内容として、Cafe,Commerce,Comunityと並んでConsultingということを掲げていましたが、コンサル的な展開。期が熟したとでも言いますか。あくまでテマヒマでやってきたことの延長ではあるのですが、これまでのテマヒマ(+前職=30年)での経験・知見を活かしながら、正解やテクニックを伝えるというよりは、共に「問い」を立て、内なる答えを引き出し、伴走するようなことが今なら出来る気がします。発酵型マネジメントとか発酵型経営みたいなことをテマヒマブログでも書いたこともありますが、名付けて発酵型コンサル。よくこれからお店を始めたいという方、始めたばかりの方がテマヒマにはどういうわけかよくお越しになります。それから会社を辞めようと決意した人も。何かが始まろうとする瞬間って聞くだけでもこちらまでワクワクします。コンサルのご用命、話だけでも聞いてみたい、ちょっと相談してみたいという方もお気軽にお問合せ下さい。というわけで、毎年、年始に今年の抱負を漢字一文字にするという習慣をそれこそ前職のマネージャー時代から続けていますが、一昨年・昨年の破・脱に続いて、今年は「新」にしようと思います(耕ちゃうんかい!?笑)僕も今新しいアイディアにワクワクしています。それでは今年もよろしくお願いします。テマヒマの次の営業は、1/9(菌いや金)11時から。年跨ぎ蔵出し市8DAYS後半戦、皆様のお越しをお待ちしております。

継告

こんばんは。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。先週のことですが、12/16に仕入れの旅で2年ぶりに益子に行ってきました。濱田窯さん、島岡桂さんで選ばせて頂きました。蔵出し市明け、1月中旬より順次メインテーブルでご紹介していきますのでご期待下さい。翌12/17、東京に移動して,東京オペラシティアートギャラリーで巡回展「柚木沙弥郎 永遠のいま」、世田谷美術館で「TSUGU(つぐ)ミナペルホネン展」を観に行ってきました。柚木展も勿論素晴らしかったのですが、今日はミナペルホネン展の方の話を。 テマヒマを始める前はファッションのお仕事に関わっていたのに、ミナペルホネンの代表が皆川明さんから変わってたのをお恥ずかしながら知らなかったぐらい、少しファッションから離れてしまっています。今回の展示会は、そのブランドの「継ぐ」という意味だけでなく「告ぐ」という意味も込めたと現代表の田中景子さんがインタビューに答えてました。その言葉の通り、ブランドとして大事にしているテキスタイル作りへの想いやストーリーを告げる、伝えるような展示でした。四半世紀で1000以上のテキスタイルを作ってきたということで、色•柄・技法もバリエーション豊かでしたが、ミナの企業内の話に留まらず、織機、刺繍、プリントなど工場の様子や職人(と呼びたくなる)の皆さんの声が見聞き出来たのがとても良かったです。皆川さんが掲げる100年続くブランドというのも、デザイナーの交代・継承していくと可能に思えますが、やはりそれを支えるモノ作りの技術や職人が続くかどうかの方が難しく、大切なことのように思います。

臨床

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日で年内の飲食営業は終了しました。12月になって比較的お客様の多い日が続いていたのですが最終日はのんびりゆったりとした店内でした。初めましての方から常連の方までお越し頂きました皆様ありがとうございました!この後の話に続きますが、常連の方、リピーターの方だけでなく、常に「初めまして」の方が、こんな分かりにくい場所にあるテマヒマに、何らか調べてお越し下さる、というのは本当に有り難いこと、奇跡的なことに思います。1時間早くお店を閉めさせて頂き、山本和則さん×松川えりさんの対談”思考と対話の夕べ”:「てつがく」と「余白」のあいだで、を聴きに行ってきました。松川さんは3代目、山本さんは4代目・現のカフェフィロの代表でらっしゃいます。カフェフィロは2005年に大阪大学の臨床哲学研究室の関係者を中心に設立され、現在は大学から独立した団体として、哲学対話の実践や支援をされています。テマヒマの哲学カフェ「月イチ朝カフェ哲学対話の時間」も4月から始めこれまで9回開催してきました。テマヒマブログでもご紹介したように永井玲衣さんの哲学対話のポットキャストを参考にしたり、お手伝い頂いているアカネさんに色々調べて頂いたりはしましたが、僕自身哲学カフェに参加したことはありませんでした。もし仮にどこかの哲学対話に参加していたらおそらくそれに影響を受けてそれに倣ってしまった可能性はあったと思います。テスト的にやった後初回を迎えましたが、その時点で現在のスタイルは出来上がっていました。というわけで、他の哲学カフェはどんな雰囲気なんだろう、どのように進めてらっしゃるんだろう?ということが知りたくて参加してみました。具体的なお困りごとが特にあるわけではありませんが、強めの言い切り型の参加者(男性に多い気がしますが)がいらっしゃると、他の方が戸惑う感じがあるので、(場をコントロールするのではなく、ぬか床を混ぜる手ぐらいの役割の)司会進行(の僕)はどうするのが良いんだろう?ということもありました(で実際その場で質問もしました)。哲学対話だけでなく幅広い活動をされている山本さん、「てつがくやさん」(哲学プラクティショナー)を名乗り専業で活動している松川さん。立場や活動の違いは面白かったですが、哲学対話からスタートしているお2人と、開店から7年目にして哲学対話を始めたテマヒマとではまた違う感じがあります。松川さんは・世界一美味しいより、あることが大事・パン屋が無くても困らないけど、街にあると嬉しいと哲学カフェをパン屋さんに喩えてらっしゃって興味深かったです。ちなみにお話会に参加者でそのパン屋の喩えを使って質問された方がいらっしゃいましたが、喩えに喩えで被せていくと、何の話だったっけ?て、空中戦になりがちなのでおススメしません笑。その質問は、哲学対話を有料にすることに対して批判的な立場から出たものと理解しました。テマヒマではワンドリンクオーダー制にはしていますが参加費は現時点では無料にしています。まずは体験してもらいたい、裾野を広げるというところからそうしているのですが、無断欠席とか、無断遅刻とかする人がたまにいて、無料ということにより、場を軽んじたり、他の参加者にご迷惑をおかけすることになるのなら、有料化も検討しようと思っています。それにしても、哲学対話の運営専業で生業として成り立ってることは驚きでもあり、そういう皆さんの活動により哲学対話自体がある程度認知されてるからこそ、テマヒマの哲学対話に参加してみようと思う方もいらっしゃる、会が成立しているわけで、感謝もあります。松川さんが哲学対話を出前スタイルでやっている理由として、自前の場所でやることにより「サロン化」する懸念があると仰っていました。9回やってみて、リピーターの方も勿論いらっしゃるのですが、毎回メンバーが同じということは無く考えても無かったですが、これから繰り返していく中で意識していきたと思いますが、テマヒマが常連さんばかりなお店になっていないのと同様、意外と心配ないのでは?という気もしています。哲学対話・哲学カフェが、普遍的な哲学ではなく、現場の(個別・具体的な)哲学という意味で、臨床哲学と言われている、ということから、今回のブログタイトルは臨床としてみました。山本さんは「余白製作所」という屋号で活動していて、「余白」の大切さは僕も感じているところですが、手垢がついてくると使うの躊躇しますよね?と山本さんとお話していました。会場となったコワーキングスペース九条湯は、山本さんにも関わってらっしゃいます。古い銭湯をリノベーションした空間で素敵でした。そんな非日常空間でする哲学対話はどんな感じでしょうね?服を着たままなので裸の付き合い的な雰囲気にはならないでしょうかね笑。カフェの営業は昨日で終了しましたが、ショップの方は27日、28日が年内最終営業となります。土日は蔵出し市!皆様のお越しをお待ちしております。それでは、週末も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

働熊

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー、バイヤーの太田 準です。清水寺で発表される、毎年恒例の漢字一字。今年は「熊」でした。確かに「熊」のニュースを見聞きしない日はないぐらいでしたが、今年の漢字一字に選ばれるほどだったのか?と驚きました。どちらかと言えば僅差で2位だった「米」や3位だった「高」の方が正直しっくりきます。熊の出没は、温暖化とか自然破壊とか中長期の理由は分かりますが今年特にというのはどういう理由だったのでしょうね?SNSでタイトル画像のものを見ましたが、AIを使ってうまいこと作る人もいますね。そして、話は遡りますが、今年の新語・流行語に選ばれたのは「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」。話題になった言葉だと思いますが、新語なのか?流行語なのか?という疑問はありました。テマヒマブログでずっと新語・流行語大賞ノミネートの言葉をどれだけ自分が知ってたか自己採点をして公表していましたが、今年ですと、トップ10の中でも「エッホエッホ」は存知あげなかったですし、ノミネート30語にいたっては、20勝10敗。皆さんはどんな感じなのでしょうか?「働いて働いて・・」については、多くの批判を呼んでいましたが、頑張りまっせ的な意味、気合を表した表現で、特に違和感はありませんでした。そりゃトップの人間はそうあるべきだろうとさえ思います。ただトップがそう働いた時に、トップだけでなく、巻き込まれる周囲(総理ともなるとそれがかなりの数になるでしょうから)にも影響するということは考えないといけないですね。問題はその後に続く「ワークライフバランスという言葉も捨てます」だったのだと思います。河井寛次郎が言った「仕事が暮らし、暮らしが仕事」が「ワークがライフ、ライフがワーク」とそのまま訳されるわけではありませんが、ワークとライフが完全に分かれてる人ばかりではないと思います。そしてワークライフバランスという言葉には、言外にワーク=働かされいるという意味がこめられ、ワーク⇔ライフが対立する言葉、時間、領域と捉えてのだろうと思います。僕の中ではライフの中にワークがあるイメージですが、それは自営業だからでしょうか?皆さんはどうでしょうか?「ワークライフバランスって何?」という哲学対話をしてみても面白そうですね。休むことも仕事、ではないですが、ワーク以外の充実がワークに影響することもあるでしょうね。カフェのお客様が途切れたのでブログを書き始めましたが、今日もお越し頂きました皆様ありがとうございました。12月になってお客様が増えてきている印象です。明日(12/15)は、薬膳講座開催の為、ランチのご提供はございませんのでご注意下さい。薬膳講座ご参加の方は11時、通常営業は14時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も1日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

年跨

令和7→8年 「年またぎ蔵出し市」8DAYS毎年恒例の「初売り蔵出し市」ですが、今年は「年またぎ蔵出し市」として年末・年始、8日間に渡って開催致します。日程①2025年12/27(土)~28(日)②2026年1/3(土)~4(日)③2026年1/9(金)~12(月・祝)時間11:00~17:00場所テマヒマ〒569-1123大阪府高槻市芥川町3-10-13Tel/Fax072-655-3259Mailtemahimaselect@gmail.com店内のカフェスペースも全てショップスペースとして、普段、店頭に出し切れていないモノも含めてお出ししてご覧頂きます。令和8年ということで、8にまつわる、8つの特典をご用意しました。(12月入荷分は対象外です)①8888円以上ご購入で8%OFF②10800円以上ご購入で元上代の10%OFF③18000円以上ご購入で元上代の88%(12%OFF)④80000円以上ご購入で元上代の18%OFF⑤888888円以上ご購入で元上代の8×8=64%(36%OFF)⑥8日とも8番目にお買い上げのお客様は更に8%OFF⑦古書8冊以上ご購入で元上代の80%(20%OFF)⑧振舞酒(どぶろく樫田)ご希望の方毎日先着8名様 (2026年ご来店、車でのご来店の方以外、売切次第終了)※蔵出し市期間中は、物販のみの営業で、ランチ・スイーツ・ドリンクのご提供はございません。変則的な営業スケジュールとなりますが、年末年始皆様のお越しをお待ちしております。こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。年始に初売り蔵出し市、ゴールデンウィークにゴールデン蔵出し市、10月1日の開店周年記念の蔵出し市。カフェスペースも使ってショップのみ営業をする年3回の蔵出し市も定着してきたでしょうか?うち初売りと周年記念前後は、少しお得な特典を付けさせて頂いています。令和〇年とか、〇周年記念とか、〇にちなんだ日程や特典を設定をしています。まぁ、お遊びみたいなものですが、ずっとテマヒマの動向をウォッチして下さってる方は薄々気づいてらっしゃるかもしれませんが、この数字にちなんだ企画も、なかなか厳しくなってきました。8日連続営業というのも厳しいので、今年は「年跨ぎ」で8日間。主に週末、祝日を中心として、3週に渡って開催します。かなりイレギュラーな営業日程となりますのでご注意下さい。また蔵出し市期間中は、物販のみの営業で、ランチやドリンクのご提供はございませんのであわせてご注意下さい。

工藝

こんばんは。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日は、兵庫県民芸協会の月イチ読書会。会場でテマヒマをご利用頂きました。「民藝四十年」の柳宗悦の論考を順に読んでいっていますが、今回の課題図書は「雑誌「工藝」発足」。雑誌「工藝」は1931年に創刊され120号続きます。当時の世間の工藝の領域が(美術工藝に寄っていて)柳らが考えてることと違ってることから創刊したとありましたが、芹沢銈介、鈴木繁男らによる様々な技法、意匠の表紙の雑誌「工藝」そのものが工藝。展示会や写真で表紙を拝見したことは勿論ありましたが、今回、参加者のお持ち下さった実物の中頁を見ると、印刷では無く、写真や生地を貼ってるものもあって驚きでした。それにしても毎月500~1000部も創作していたと思うと驚異的です。そして読者層はどんな方達だったのでしょうか?文庫で4ページと短い文章なのですが、読んだ時に気になったのは、・雑誌名が当初「民藝」を考えてたが青山二郎等の意見で「工藝」になった経緯・柳宗悦が経済面や事務作業が不得手だと自己認識していたこと・(1939年12月に発表された)所謂”民藝樹”と呼ばれる民藝運動の三本柱、出版×流通×美術館。「工藝」創刊段階でどれぐらい意識的だっただろうか?という点。論考中、将来は美学的研究だけでなく、「工藝と社会」、「工藝と経済」、「工藝と組織」といったテーマでも論文を書いてみたいとありましたが、実際に書くことはあったのでしょうか?民藝(思想)の現代的意味、モノサシとしての民藝に興味がある僕としては気になるところです。発酵型組織マネージメントみたいなことをテマヒマブログでも書いたことがありますが、民藝的な(考え方の)組織、民藝的な(考え方の)経済とかってどんなしょうか?最近、アート×クラフト×サイエンスについて書いたばかりですが、僕も考えてみたいテーマです。それこそいつかブログで書いてみたいと思います。「知る人」は多いが「見える人」は少ない。雑誌「工藝」の使命は将来「見える人」を養うことである。最後のこの一文がおそらく一番言いたかったことでしょうが、「直観」ということの難しさを感じます。今朝ある作り手の方と「選ぶ」ということについてやりとりしていたのですが、本当に自分で選んでいるのか?選んでいるようで選ばされているのでは?という場面がネットを中心に今増えているのでは?と思えてなりません。今日はランチタイムよりカフェタイムの方が賑やかな珍しい平日でしたが、お越し頂きました皆様ありがとうございました。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で満席となっていますので、少し遅めにお越し頂くのがおススメです。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様です。好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。

主語

こんばんは。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日は一時間早く閉店させて頂き、ポットキャスト番組「なんでやってんねやろ?」の公開収録に行ってきました。IKEUCHI ORGANICの池内代表と京都店の益田晴子さんと坂の途中の小野代表さんが毎週月曜配信でやってらっしゃって、自宅からお店までの通勤時間にちょうど聞いています。今回は発酵食堂カモシカの代表関恵さんがゲスト。今治タオル/オーガニックタオル、有機野菜/新規就農支援、発酵食品と領域は違えど、目指す社会像の共通するところがあるように思いますし、同じ京都の会社同士で、普段から親しく交流してらっしゃるそうです。会場からのものも含め質問に答えていくかたちでトークイベントは進んでいきました。・20年前の自分と呑んだらどんな話をするか・小さなガッツポーズをするのは・今年一番時間を使ったことなどなど。4人のお話をうかがいながら、もし自分が登壇側だったらどんな回答をするだろう?なんて考えていました。20年前の自分はまだサラリーマンで、ちょうどネットの新規事業を立ち上げようとしている時期で、のちに独立起業することになるなどということも考えていませんでした。20年後ファッションジャンルから工藝品の販売や飲食、オンラインからリアル店舗へと全く違う仕事になるわけで不思議です。でも経験が生きることがあったり、どこか繋がっていたり、無駄なことなどないなぁと思います。そうやって20年前の自分に言うのでしょうか?でも未来が分かってる人生ってつまらないだろうから言わないかな。どちらかと言えば話たがりだった20年前の僕の話を、どちらかと言えば聞くのが少しうまくなってきた今の僕が、吞みながら聞いている気がします。お店でお客様がお帰りの際に「美味しかったです」って仰って下さることが多いのですが、「楽しかったです」って仰って下さることもたまにあります。それはだいたいお買い物やお食事をされる際に色々お話した時なのですが、その時は小さなガッツポーズをしている気がします。今年一番時間をかけたことという問いについては、質問とはズレてしまいますが、きっとDrink Tickets/Omoiyari Ticket/Omoiyari Noteを始めたこと、哲学カフェ(月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」)を始めたことを挙げると思います。どちらも売上・経営へのインパクトは少ない、いやゼロと言ってもよいですが、お店として目指すところが明確になったり、何か一歩前に進めた気がしています。ほんとうに小さな小さな一歩ですけど。そんな、哲学カフェも明日で9回目となりました。運営をお手伝い頂いてる、あかねさんにお声掛けしたのがきっかけで始まった訳ですが、僕自身哲学カフェに参加したこともなく経験は無かったのですが、参考にしたのはポットキャストで聴いていた哲学者・永井玲衣さんの哲学対話。永井玲衣さんがご自身の哲学対話のことを指して「ポケットサイズの哲学」という表現をされていますが、僕も、個人的なこと、個別具体的なことからスタートしてそれが広がり、深まり、抽象化したり、一般化していく、みたいなことの方がいいのかなと思います。世界平和とか地球環境みたいなことも、SDGsみたいな横文字も、主語が大きすぎるとボヤけるというか、空中で言葉が飛び交うような感じになってしまうかなと。そして、誰かが出した問いについてみんなで考え、聞き、話す時も、その人のお悩み相談会的なことではなく、まずは自分事として自分を主語に考えるのがよいかなと思います。以前も書いたように、哲学カフェの場で、僕は司会進行役ですが、結論を導いたりはしませんし、ぬか床の中で菌が自由に活動するのを見守るような役割です。菌が活発になるようにかき混ぜるぐらいで、そこから発酵・熟成して、何かが生まれるのを待つ、そんな姿勢です。哲学カフェお申込み頂いてます皆様は9時、通常営業は11時オープンです。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。タイトル画像は、本文とは全く関係なく、今年も販売開始しました、干支の箸置きです。今年で7年目となりました。干支の箸置きが始まった経緯というか物語というかは、下記リンク「軽口」というタイトルのブログでご覧下さい。

認定

こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。このブログをご覧の方ならご存知の通り、うちの奥さんが店主でみそソムリエです。ただホールスタッフとして僕の方がお味噌の説明をすることが多いことがあって、なんだったらかなり流暢に説明することもあって、僕がみそソムリエだと勘違いしてらっしゃる方が一定数いらっしゃいます。みそソムリエは、みそソムリエ認定協会(一般社団法人 東京味噌会館)が認定する資格で、日本に根づいた 味噌文化を正しく多くの人々に伝えていく味噌の伝道者であり、日本各地にある味噌に精通し、発酵のメカニズムから地方色まで、味噌を愛するが故に幅広い知識を持った 味噌の理解者であり、味噌造りのノウハウや味噌料理のバリエーションに対して敬意と愛着を持ち、日本において味噌を後世に語り継ぐ、味噌の伝承者です(同協会HPより)。うちの奥さんが、味噌が好き過ぎて、みそソムリエの資格を取ったのが2016年11月。その時点では専業主婦で、まさかお店を始めることになるとは考えてもいませんでしたが、みそソムリエの資格を取得したことがテマヒマを始めるきっかけの一つではあって、テマヒマのお店のあり様に影響しているのは間違いありません。そんな「みそソムリエ」の資格試験が今年が最終年度ということを聞き、僕も受験することにしました。そう言えば、試験を受けるということ自体、何年振りのことでしょうか?試験日は10月25日。その約1ヵ月前にテキストと何種類かのお味噌が送られてきて、動画教材と合わせて勉強していきます。少し言い訳めいたことを言うと、難波高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」ともろかぶりで、最後の1週間に追い込んだ感じです。7年間テマヒマをやってきましたのである程度はいけるのですが、勉強してみてあまり詳しくない分野があることも分かりました。試験当日はオンラインでの受講。知識を試される筆記試験(選択式)30分、味比べする実技試験20分、小論文1問。正解の自信のあるものもありつつ、ちょっと自信の無いものもありました。ちなみに小論文は「味噌の魅力を200文字程度で書きなさい」というものでした。僕の答え「味噌は古来から日本人の身近にあり、保存しやすく、健康によく、何よりも美味しいのが最大の魅力です。各地の気候や風土の影響で素材や色、味など地域性・多様性があるのも面白い。一汁一菜が言われるように、味噌汁は日本人の食の基本であり、どんな具材も受け止めてくる包容力があります。味噌スープとして捉えればお米だけでなくパンとも合い、具材によっては洋風にも出来ます。お味噌汁としてだけ使うのは勿体なく、煮たり、焼いたり、和えたり、様々な調理法で味噌(の多用性)を楽しんで欲しいし、そうすることで食卓も豊かになります。またお味噌は比較的簡単に作ることが出来ます。元々お味噌は買うものではなくご家庭で作っていたもの。手前味噌作りをする人、したいと考えている人が増えてきている実感がありますが、手作りすることの楽しさと供に、そこからある種のコミュニティが生まれます。コスパ・タイパという言葉に代表される効率化・画一化、あるいはデジタル化していく社会へのカウンター、アンチテーゼに、お味噌(や発酵食品)から導かれる思考や哲学はなり得ると考えます。」最後は字数が余って、自論をねじ込んだら字数オーバーとなってしまいました苦笑。次にテマヒマで新メンバー募集する時は、この小論文を課題にしようかな笑。採点結果は特に発表されて無くて分からないのですが、取り敢えず合格しました。ホッ。合格発表は既にされていたのですが、認定証が届くまではテマヒマブログでのお知らせを何となく控えていました。さて、晴れてホールスタッフの僕も「みそソムリエ」の資格を得たわけですが、みそソムリエ夫婦とかWみそソムリエとかといった発信はせず、今後も変わらず味噌ソムリエの店主という表現をしていきます。もちろん、うちの奥さんが変わらず店主で。間もなくテマヒマ本日の営業終了します。お近くから遠くは東京の方までお越し頂きました皆様ありがとうございます。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチは明日から新メニュースタートですがご予約で残り9席となっています。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

手業

おはようございます。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。「民藝」という言葉が生まれて今年でちょうど百年。それまで「下手物」と呼ばれ見向きもされていなかった生活雑器などに対して、「民衆的工藝」略して「民藝」という新たな造語をあて、価値転換がはかられました。民衆的工藝ですので英訳は、fork art ではなくfork craft。今日のブログではそのcraft 「クラフト」について書いてみたいと思います。民衆「的」工藝と敢えて「的」と付けてることの意味について以前テマヒマブログで少し触れたことがありますが、folk/民衆ということについての現代的意味はまたいずれ深堀りしてみたい気もしますが、今日はクラフト/craftについて。情報収集もAIを活用する時代に、そして視覚優位な時代に、最近音声メディアのSpotifyから情報を得ることが多いです。今回のヒントになったのはOUR CULTURE,OUR VIEWという番組の永田宙郷さんのゲスト回「クラフトこれまでとこれから」に拠ります。永田宙郷さんは、僕も2度ほど行ったことある「ててて見本市/ててて商談会」を立ち上げた人でもあります。クラフトビール、クラフトフェア・・・クラフト〇〇という言葉が溢れる昨今ですが、クラフトウォッチャーでもある永田宙郷さんによると、日本国内では当初は素人的なモノ、未熟なモノ、趣味的なモノを指すことが多かったが、徐々に意味を変化させてきたとのこと。大きかったのは米・ポートランドからクラフトビールがライフスタイルと供にやってきたこと、3.11の影響では?と。デザインという言葉が氾濫し輪郭がぼやけた時期とクラフトという言葉が広がり始めた時期が近かったというのは興味深かったです。クラフトという言葉の中にモノ作りの話だけでなく、・大量生産でもなく1点ものでもない・こだわり・自分らしさの表現・手仕事というだけでなくその背景も・ローカルへの意識・プロセスの共有(開かれている)といった、態度や姿勢もあるのではというお話が出ていました。特に、・(コントロール出来ないものや「ゆらぎ」)受け入れる、委ねる・あるもので何とかするという姿勢や態度(アティチュード)については、民藝が、現代において、暮らし方、生き方のモノサシ足り得るということでテマヒマで常日頃お話したり、書いたりしていることと共通していて、我が意を得たりという感じですが、民藝(folk craft)もcraftなので当然と言えば当然でしょうか。craft(工藝) とクラフトでは指すもの、イメージは違うと思いますが。番組のアフタートーク的に、パーソナリティーの方が民藝とクラフトの関係について永田宙郷さんに尋ねる場面がありました。あくまで個人的な見解と前置きした上で、民藝が新語なのに対して、クラフトはもともとあった言葉で意味が変化してきたもの。民藝が「運動」だったのに対して、クラフトは運動のようなものにはならないかもしれないが「浸透」していく感じではないか?との回答。また民藝がどちらかと言えば「作り手」発信なのに対し、クラフトには「生活者」側からの要素が強いのでは?との発言がありました。民藝についても、100年が経ち、回顧展的なものが続き、懐古的なものを感じることが多く、どちらかと言えば「運動」的要素は失われてるのでは?と思うことがあります。そういう意味では現代的な意味を問い続ける、変化していくことが重要だと考えますが、一方で声高に主張するよりも、静かにじんわり浸透していく方が現代的な気がします。また「モノ」としての捉えだけでなく「暮らし」という側面から捉えることが現代的なのかなぁと考えています。

撤退

こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ火曜日水曜日定休日プロデューサー,バイヤーの太田 準です。高槻ローカルに特化したグルメアプリ「まちうま高槻」。来年1月から契約条件が変わるということで、12月末をもってテマヒマは加盟店から外れることにしました。「まちうま」きっかけでご来店頂いてるお客様は実感ベースあまりいらっしゃらなくて、「まちうま」のポイントが貯まらないんだったらテマヒマには行かないわという方もおそらくいらっしゃらないと思うのでご来店に与える影響は軽微かと思います。が、物価上昇に伴い価格見直しをした結果お客様は残念ながら減少傾向ですので、本来このタイミングでこの決断は不思議に思われるかもしれません。クルミドコーヒーの店主影山知明さんは、テマヒマで何度も追加しながら販売していました著書「ゆっくり、いそげ」の中で、人には「消費者的人格」と「受贈者的人格」があるということを述べています。簡単に言えば前者はお得感を求める気持ち。買い物は投票行動だという言い方もありますが、後者にはお金のやりとりとは別の交換が働いているように思います。誰もが両方の人格を持っていて、その比率が違ったり、場面場面で使い分けてるのだと思います。勿論僕自身もスーパーで夕方2割引き、半額のお魚を買ったりもします。テマヒマの目指しているところは、Drink Tickets,Omoiyari Ticket-Omoiyari Noteが顕著な例かと思いますが、「まちうま」は、ポイントをためる、使えるという仕組みからしてどうしても「消費者的人格」にスイッチを押してしまうところがあるのは否めません。ポイント目的の人を増やさないため、テマヒマでは来店ポイントを最低減の1ポイントしか付与していませんが、例えば1ポイントしか溜まらなかったというレビューを書き込むお客様とは相性が悪いです。逆説的な話ですが、テマヒマで、常連とお呼びしてもよい来店頻度の高い皆さんはこれだけ沢山お越しになっていても、このアプリをそもそもダウンロードしていないです。あと、元々は、このアプリの前身となるスタンプラリーへの参加も含め、地元を盛り上げたいという想いがあって始めたのですが、それが感じられなくなったということも撤退理由の一つです。特段お客様にご不便をおかけすることは無いかと思いますが、アプリのダウンロード数も随分増えてきているようですので、ご利用したいと思ってらっしゃる方がご利用出来ないということはあるかと思いますので、周知期間的なことも考えて、事前にお知らせ致しました。今年も残り1ヵ月となりました。ショップの方は蔵出し市の27,28日が最終、ランチ・カフェは22日が最終ですので、実質1ヵ月を切っていて、本当に速いです。。。12月も皆様のお越しをお待ちしております!