中止こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。今年1月~3月に開催した手前味噌作りワークショップ参加者41名に対象とした、お味噌食べ比べの会「味噌同窓会」愛称♪ミソドソを開催予定でしたが、参加者少数(ぶっちゃけると現時点でお申込み者0)の為、中止することになりました。SNSでは告知していたのですが、このテマヒマブログでは告知しないまま中止の判断に至り申し訳ございません。昨年は確か8名のご参加を頂きましたし、手前味噌作り開催時点では皆さんご興味があるように感じましたので,きっとタイミングが合わなかったのかな?と思っていて、11月3日、祝日に日程を設定した僕の設定ミスだったと反省しています。良い企画だと自負していますので、来年はまた懲りずに検討したいと思っています。昨年の♪ミソドソの実施レポートブログのリンクを貼っておきます。2025.10.24 10:33
部分こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。「つなぐ、つながる、民藝」催事が終わった翌日、京セラ美術館に「民藝誕生100年〜京都が紡いだ日常の美〜」展を観に行って来ました。京都から生まれたと言ってもよい民藝。京都での開催ということで朝鮮スタートでは無く木喰さんから。民藝を総覧する時にあまり取り上げられない上加茂民藝協団や上田恒次、寿岳文章も紹介されていて良かったです。モノだけでなく建築なども含めてあってワクワクしました。美だけで無く、暮らしを提案する「運動」。この展示会直前に亡くなられた無名舎の吉田孝次郎さんのインタビューが流れていましたが、その中で(当時の)京都の人にとって民藝など歯牙にも掛けないものだった(表現は違ったかもしれませんが)と仰ってたのも印象的でした。とSNSにアップしましたが、ブログではその民藝の建築について。ここで言うのは所謂、民芸建築と呼ばれるような商業建築として汎用化してしまったものではなく、民藝初期の先人達のお住まいとかについてですが。ナガオカケンメイさんのラジオ「LONG LIFE DESIGN RADIO」(αステーション)に、今回の民藝展にも関わってらっしゃる、京都市文化財保護課で建築史家の石川祐一さんが出演され、お話されている中で、柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司らの建築について、民家の再現ではなく、独自の審美眼で切り取って組み立てたものだったと表現されていました。通常の建築家なら全体から部分に落とし込んでいくところを、彼らは部分から全体に組み立てている感じがすると仰っていて興味深かったです。例えば大谷石を使いたいとか、ベンガラを塗りたいとか。ちょうどその「つなぐ、つながる、民藝」に出店した際に、大阪日本民芸館の学芸員さんとお話する機会があって陳列について色々うかがっていたのですが、民藝館の展示もまた全体から部分に落とし込むというよりは、部分から組み立てていく感じがあって、なんか共通するものを感じました。確か、展示・陳列は総合芸術だと柳宗悦が言ってたような気がしますが(言って無かったかな?)、建築もまたそうだと言えると思います。それだからこその共通性というだけでなく、この全体→部分というベクトルと、部分→全体というベクトルとの違いは、何か他にも言えることなのでは?という気がしています。民藝や発酵が、コスパ・タイパという言葉に代表される今の風潮へのアンチテーゼ、カウンターとしてモノサシ足り得るということをよく書いていますが、その文脈でも言えるのでは?と。まだうまく言語化出来てないですが。ドタキャンなどもあってどうなることかと思いましたが、ランチタイムスタートからカフェタイム終了までお客様が途切れることなく、沢山の皆様にお越し頂きありがとうございました。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り8席とお席に余裕がございます。尚、明日は1時間早い17時閉店とさせて頂きます。それでは、明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした。好い夜をお過ごし下さい。2025.10.19 09:57
無銘こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデュサーサー,バイヤーの太田 準です。10/8~14の高島屋大阪店の催事「つなぐ、つながる、民藝」では、沢山の皆様に接客させて頂きました。高槻のお店だと、蔵出し市などショップのみ営業でない限り飲食と物販を並行しているので、物販の接客に集中する/出来るというのも大事な時間。その中には外国人の方も。高槻のお店にいるとなかなかインバウンドの実感は無いですが、さすが難波だと結構沢山。催事場と同じフロアの免税カウンターには連日長蛇の列が出来ていました。一応英語で接客を試みましたが、現役から長く離れ英語力の低さ、いや無さを感じました。あと翻訳アプリって便利ですね(あっ、僕のではなくお客様のですけど笑)そんな中ある外国の方から「Is This Brand ?」というお尋ねがありました。中ノ畑窯さんの器だったので「nakanohata pottery」って答えたら??がいっぱいの顔(発音が悪かったかなぁ?)。いや何というブランドですか?という質問ではなくブランドですか?という質問だからと「no brand , but like brand」と付け加えたら、????の数が増えた感じでした。ブランドの始まりは焼印から始まったとよく言われているように、ブランドはまさに「銘」が入ります。我々が扱う民藝の器において「銘」を入れないことが多いですし、民藝のありようとして「ブランド」という風に捉えるのはやっぱり違う。でも、作り手、窯元、あるいは民藝自体が今では、良し悪しは置いておいて、ブランド的に捉えられることもあるので、ブランドみたいなものとも言えるなぁと。「Is This Brand?」という単純な問いだけど、どう答えるのが正解だったんだろう?ってその後頭の中でぐるぐる考えていました(哲学カフェ/哲学対話グセ?笑) その後、山口和声さんの器について説明していた時に「Kazuna Yamaguchi is a designer」って言ってしまったのは失敗だったなぁ。デザイナーという側面はあるけど、それ以前にモノ作りをするCraft manであることをちゃんと伝えるべきだったし、そもそもデザインと言っていいのか?日本語でのように微妙なニュアンスを伝えられない英語の不自由さだけにかえって色々考えさせられました。ちなみに別の外国の方への説明で「not artist、but artisan」という言葉を使った時は、なるほど!って顔で頷いたような気がしたので、しっくりいったのでしょうか?達郎さんのアルバムタイトル「アルチザン」のおかげです笑。タイトル画像は、高島屋大阪店7F催事場から見えていた岡本太郎。テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り4席となっています。12時以降はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした。好い夜をお過ごし下さい。2025.10.18 09:43
再会こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。10/8〜14の高島屋大阪店の催事「つなぐ、つながる、民藝」無事終了しました。お越し頂きました皆様ありがとうございました。期間中高槻のお店と難波高島屋両方にお越し下さった方をはじめ、高槻からわざわざ難波までお越しの方、会期中にリピートしてお越し下さった方もいらっしゃって有り難い限りです。高槻のお店によくお越し下さるある方から「テマヒマさんで見るのと全然違って見えますね(悪い意味で)、器が居心地悪そうに見えます」って言われてしまいましたが、什器も照明も自店とは勝手が違っていました。またある別の方(イベント展示のお仕事をされている方)からは「(什器など)もっと百貨店さんにリクエストした方が良いですね」というアドバイスを受けました。昨日、配り手の先輩とかなり久しぶりにお疲れ様会的に呑んでました。話してる中で、今回の催事で、全体像が掴みきれないままだったこと、受け身の立場だったこと(その中では勿論全力で何だったら越境的に提案もしたとは思いますが)で、踏み込みきれて無かったこと、それこそが僕的最大の反省点だと感じました。期待していた3連休が振るわず、後半失速したため、テマヒマについては計画未達という結果に終わってしまいましたが、沢山の皆様とお会い出来たことはとても有難いことでした。催事がきっかけとなった嬉しい再会もありました。開店1年目の頃、入院している弟さんのお見舞いの後テマヒマによくお越し頂いていたご家族がいらっしゃいました。何回かお越し頂くうちに、ずっと反応が無かった弟さんがやっと今日反応があったんです!と仰った日がありました。その後転院するような話を確か聞いていたのですが、今回の催事にお越し下さって約6年ぶりにお目にかかれました。なんと弟さんはお話出来るぐらいに快復されているとのこと。とても嬉しいご報告にちょっと涙してしまいました。弟さんが動けるようになったら高槻のお店に必ず行きますと仰って下さってとても嬉しいことでした。これも開店1-2年目のことですが、よくテマヒマにお越し下さるお客様で、高槻在住で織りのお仕事をされている女性がいらっしゃいました。ご結婚されて離島の方に移られそれ以来お会いしていませんでした。その方が催事にお越し下さいました。身体が思うように動かない難病に罹られていました。そんな大変な状況の中わざわざお越し下さり、それも5-6年ぶりの再会でした。最近ちょっとその織りの仕事をやってみたら、手が覚えていた。その手仕事があることが心の支えになっていますと仰っていてまた涙していました。今はこちらに戻ってらっしゃるとのこと。また高槻のお店にもお越し下さい、必ず行きますというやりとりをして別れました。催事で難波に行ってなかったらお会い出来なかっただろう訳で、参加して本当に良かったなと思える再会でした。それ以外にも、はじめましての出会いがいっぱいありましたので、是非その方々と次は高槻のお店でお会い出来ればと思います。それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。残り好い半日を!2025.10.18 06:08
名前こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日は7回目の月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」(哲学カフェ)を開催しました。ご参加者は9名、男性1名女性8名、初参加3名リピーター6名という構成(運営スタッフ含む)。僕以外全員女性というのは初めてのこと。男性の中には言い切り型の話し方をされる方がいて、それが場の空気に影響するというなということはこれまでの7回で感じていて、女性ばかりの今回は一番穏やかさというか和やかさがあった気がします。まぁ男性だから、女性だから、というのは決めつけなのでしょうけど。自民党の女性総裁が決まり、間もなく憲政史上初の女性総理が生まれようとしています。僕自身の政治的思想信条とは近くはないですし、女性を代表してる感じもしないですが、初の女性総理誕生は意義深いですし、うまくいって欲しいものです。持ち寄った9つの問いから投票で選ばれたのは「名前って何だろう?」。名前は最初のプレゼントと言われることもありますが、自分で選んだものでは無いその名前とどう付き合って生きてきたか?という問い。2025.10.06 10:06
若々こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー、バイヤー、代表の太田 準です。2018年10月1日にオープンしましたテマヒマは今日で7周年を迎えました。なんとかここまでやってこれましたのは、ひとえにこれまでお店にお越し頂きました皆様、作り手をはじめ関係して下さる皆様、一緒にテマヒマを作ってくれているスタッフの皆さんのおかげです。ありがとうございます!わざわざ行きたくなる場所、何度でも行きたくなる場所、目的とは違う何かをお持ち帰り頂ける場所、目的がなくても思わず行きたくなる場所、何かと何かが繋がる場所となれるよう、日々を重ねていきたいと思います。これからも長く続けていけるよう皆様のお越しを心よりお待ちしております。8年目のテマヒマも宜しくお願いします!2025.10.01 11:00
悪循おはようございます。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。今年も周年記念Special Curry Weekやります!日程は、先日ご案内した高島屋大阪店の催事「つなぐ、つながる、民藝」(10/8~14)会期中、定休日の火曜日水曜日を除いた10月9日(木)~13日(月)。酒粕と白味噌ベースの通称「白カレー」が約1年ぶり、5日間限定で復活します。豆味噌を使ったレギュラーの「赤カレー」、「あいがけカレー」の3種からルーがお選び頂けます。いつも通り、トッピングは、炙りチーズ、納豆、キムチ、甘酒、鰹節、味玉(ヨーグルト味噌漬けの卵)の6種類の発酵食品の組み合わせから、お味噌汁のお味噌は米味噌、麦味噌、豆味噌の3種類からお選び頂けます。<セット内容>・味噌ベジキーマカレー(ごはんは土鍋で炊いた自然栽培の発芽玄米)・味噌汁・納豆ドレッシングサラダ・自家製ぬか漬け・豆乳ヨーグルト 発酵シロップ木曜限定メニューの為なかなかタイミングが合わずテマヒマの味噌ベジキーマカレーをお召し上がれない方は是非この機会にご賞味下さい。皆さまのお越しをお待ちしております!さてこの流れでお知らせすることでもありませんが、このSpecial Curry Week終了後、10月16日より価格の見直しをさせて頂きます。味噌ベジタブルキーマカレーセット(木曜限定) ¥1600(税込) →¥1650(税込)おばんざいセット(木曜以外) ¥1800(税込)→¥1870(税込)皆さんも日々感じてらっしゃるように物価の上昇が止まりません。テマヒマのランチの自然栽培の玄米は、高松にあるまるざ発芽玄米研究所の契約農家さんのものを使っていますが、米不足・米の価格の高騰の際も安定して送って下さっていてとても有難く思っていますが、こちらも新米のタイミングから価格が変更になります。お味噌汁のお味噌も、お出汁の昆布も、お野菜も・・・。食材によっては2倍近いものもあって驚愕します。自分達の食材選びの基準(質)を落とすとか、品目やボリューム(量)を減らす=ステルス値下げとかという方法もあるかもしれませんが、不器用なのか選ぶことは出来ません。それはテマヒマがテマヒマで無くなることのようにも思えます。今の売上、経営状況から今回は特に迷い、悩みましたが、このように決めました。心苦しいお知らせにはなりますが、何卒ご理解頂ければと思います。それ以外、ドリンク、スイーツについては頑張って価格据え置きとさせて頂きます。これからも皆さんに安心安全で美味しいお食事をご提供していけるよう、ご家庭で取り入れられるヒントをご提案出来るよう精進して参ります。今後とも宜しくお願いします。「物価上昇を上回る賃上げ」という言葉を聞かない日はありません。そうなってないからその言葉が出ている訳ですが、そりゃそうだよな、実質賃金は上がった方がいいよな、上げるべきだよな、とは思います。個人事業主・自営業なので賃金をもらっている訳ではなく、売上も右上がりな訳ではないので我が家の手取りは減っているのですが・・・最低賃金の見直しを伴い、テマヒマもスタッフの皆さんの時給を上げます。沢山お支払い出来れば勿論良いのですが前述の経営状態なのでお恥ずかしながら小幅に(と言っても経営インパクトはまあまああります)。似たようなお店はきっとあるので、賃金の上昇でそれがそれを支払えずに閉店する店も出てくる(出てきている)かもしれません。賃上げして価格を維持する場合は利益が出ず閉店する店も出てくる(出てきている)かもしれません。賃上げ分を価格に転嫁する場合、物価上昇→賃上げ→物価上昇→賃上げ→・・・とエンドレスに続いていくことになります。つまり、それがインフレということなのかもしれませんが、好循環での上昇では無く、悪循環と思えてなりません。数年前までデフレからの脱却と言ってたのが遠い昔のようです。間もなく開店7年を迎えますが、お恥ずかしながら未だに安定という言葉からは程遠いです。それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も好い一日を!2025.09.26 00:05
共助こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。9月17日から23日の、7周年直前!蔵出し市7DAYS。はじめましての方、お久しぶりの方、よくお越しの方、お近くの方、遠くからわざわざお越しの方、お越し頂きました皆様ありがとうございました。日によって、時間帯によって、お客様が多い時間、ゼロな時間があって、売上で言うと最少から最大まで約30倍ぐらいある、ジェットコースターのような日々でした。旅立っていったものも沢山ありますが、それが分からないほど沢山の器がまだございます。昨日の終了後から蔵入れしてだいたい整いました。明日から久しぶりの通常営業。11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお一組のみで残り13席とお席にかなり余裕がございます。気温の上昇と反比例するようにお客様のご来店が減っていましたので、やっと涼しくなってきた今日この頃、回復していけばよいのですが・・・・今日は一か月前ぐらいに日本経済新聞に掲載された”「小さな政府」求める価値観”という論考について、書こう書こうと思って先延ばしになっていました・・・2025.09.24 11:40
今藝おはようございます。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。9月9日ですが、丹波立杭の俊彦窯、丹窓窯さんに、難波高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」(10月8日~14日)向けの仕入れに行ってきました。重ねてきたいつものお仕事を中心に、新しいお仕事、宝探し気分で発掘したお仕事、色々選ばせて頂きました。丹窓窯さんについては、これから窯焚き予定だとのことで、新たにお願いしたものも。難波高島屋でご覧下さい。仕入れの後は兵庫陶芸美術館で「MINGEI ALIVEーいま、生きている民藝ー」を観に行ってきました。河井寛次郎、濱田庄司を第一世代とするとして、第一、第二、第三世代の作品が並ぶ2階の展示は丹窓窯の先代市野茂良さん、清水俊彦さんの器も並びます。河井寛次郎、生田和孝、清水俊彦、師弟の作品が同じショーケースに並んでるとちょっと感動的だったりしますが、俊彦さんのは最近窯出ししたばかりの土瓶と湯呑でショーケースのなかにいるのが窮屈そう?ちょっと関連することで、兵庫県民芸協会の事務局通信で、露古壽窯(も高島屋の催事でご紹介します)の西堀志伸さんが、大阪日本民芸館の前回の展示「大阪の日本民藝運動ー三宅忠一の眼ー」を観ての感想を書いてらっしゃってとても素晴らしかったのですが、少し長くなりますが一部引用すると根本的には、美術館という場が本質的に抱える限界を露呈しているのです。来館者に感動を与えるためには、どうしても「見栄えのする」大物に頼らざるを得ない。キャプションに書かれた作家名や産地名がありがたみを演出してくれる。しかし、三宅が最も重視した「どんな貧しい家庭でも容易に受け入れることができる、美しい雑器」は、美術館の陳列ケースの中では力を失ってしまうのです。この矛盾こそが、日本民芸協団や日本工芸館が直面し続けてきた根本的な問題だったのかもしれません。民衆のための民藝を追求するほど、それは特別な場所に飾られるものではなくなる。日常の中で使われ、消耗し、やがて忘れられていく。そうした品々の価値をどう保存し、どう伝えていくのか・・・・・・とても考えさせれる内容です。話を戻して・・・民藝館の展示と違って,360度から見れるガラス張りの展示があるのでは有難く作品の周りをぐるぐる回って見ていました。ルーシー•リー、黒田泰蔵(黒田泰蔵による縄文象嵌の作品は興味深かったです)らの一階を経て、地下一階は俊彦さんの息子さんの剛さんをはじめ現代作家の作品。普段あまり接点のない作り手の作品を拝見出来たて良かったです。が、「いま、生きている民藝」というタイトルから僕が受けるイメージとは違っていました。作家性が云々とかって言い出すつもりもありません。「用」というのがモノの用だけでなく、心の用もある(アウトバウンドの小林和人さんの言葉を借りれば機能と作用?)ということはあっても、何か、暮らしから遠く感じるものが含まれているように感じました。あまり予見なく展示会に行ったのですが、改めてHPを見て紹介文をコピペすると今からおよそ100年前、宗教哲学者の柳宗悦(1889-1961)によって提唱された「民藝(民衆的工藝の略)」。それは、日々の暮らしに寄り添うものに美を見いだすという、新しい価値観であり、提案でした。その対象とされたのは、用途に即してつくられた「手仕事」による生活道具。それは、近代化にともない、失われつつあるものでした。しかし、民藝が目指したものとは、手仕事をそのまま保護するというよりも、その精神を正しく受け取り、新しい生活スタイルに合ったものづくりへと導いていくことであり、何よりも「生活の芸術(アート)」という、私たちが心豊かに生きていくうえで欠かせないものを手放さないという、一つの哲学であったのではないでしょうか。 生活道具の中でも、特に使用頻度の高い「器(うつわ)」は、民藝の「現代性」を体現するものといえるでしょう。民藝では、名も無き職人の手仕事、つまり「無銘性」が唱えられたことで、ともすると、個人作家の美意識によってつくられたものを否定しているかのように思われがちですが、民藝の思想を深く理解し、その根幹を支え、現代へと橋渡しをしたのは、なんといっても、優れた創造性を持つ個人作家たちでした。その意味で、民藝はまた、現代において、実用品も手がける個人作家の存在意義を確かなものにしているとも考えられます。民藝は、技術でもなければ、スタイルでもない。そのことをいま一度、考えてみたいと思います。 本展では、富本憲吉(1886-1963)、バーナード・リーチ(1887-1979)をはじめとする当館の現代陶芸コレクションの核となっている個人作家の器作品を展観しながら、当時、先鋭的なモダニストでもあった柳が見つめた民藝の本質について、現代の視点から再考することを試みます。さらに、「いま、生きている民藝」の諸相について、現代の作家たちがつくりだす様々な作品を通して、いま、私たちが豊かで幸せであると思える暮らしと、そこに息づく「生活の芸術(アート)」について、思いを寄せる機会とします。とあります。もしかしたら民藝を「民衆的工藝」から「民衆的藝術」と捉え直す試みだったのかしら?と思ったりもしました。それが「いま、生きている民藝」があくまでサブで、メインタイトルはローマ字表記の「MINGEI ALIVE」であることに込めているのでしょうか?展示会最後に掲示されていたメッセージを読んだ時に、逆に「手仕事」「作家」にこだわらずに、機械生産・工業製品、アノニマスデザインという方向でキュレーションしたら面白かったのかもと思っていました。という僕の個人的意見も、展示会の内容も、民藝をどうアップデートするのか?という点では共通しているとは思いますが。兵庫陶芸美術館 展示場横 情報コーナーで「民藝 -starting point in TAMBA-」という、奥田康博氏、生田和孝氏の作品を始め、柳 宗悦、濱田庄司、河井寛次郎に繋がる丹波焼の窯元、作家を紹介する展示があることを後で知って、見落としたことを後悔しています・・・・。これから「MINGEI ALIVE」に行かれるかたは是非お見逃しなく!「MINGEI ALIVE」の会期は11月24日(月・振休)までです。7周年直前!蔵出し市7DAYSも3日終わりました。お越し頂きました皆様ありがとうございました。中日の今日は、ちゃりんこ喫茶10さんがドーナツの移動販売にお越し下さいます。(晴れてたらお店前、雨が降ったら縁側予定)7周年ということで、7種類のドーナツをお持ち頂き、そのうち2種類はこの日限定の「味噌キャラメルドーナツ」で、プレーンとオールドファッションがあります。こちらも7周年ということで2タイプ合わせて7×7=49個限定でご用意頂きます。開店時間ぐらいから販売開始して、売り切れ次第終了となります。テイクアウトのみの販売ですが、蔵出し市にお買い物にお越しのお客様で味噌キャラメルドーナツご購入の方に限り、イートインも可能です。1日限定、数量限定にはなりますが、是非〜。それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も好い一日を!2025.09.18 04:31
繋紡おはようございます。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。ずっと「某百貨店の某催事」という言い回しでSNSの投稿ではぼかしていましたが、やっと情報解禁です!「民藝のある暮らし」を提案する、高島屋大阪店の催事「つなぐ、つながる、民藝」に出店致します。■場所高島屋大阪店 6F,7F POP UP STATION■開催日時2025年10月8日(水)~14日(火)6F 10:00~20:00(最終日は18時)7F 10:00~19:00(最終日は18時)民藝という言葉が生まれて今年で100年ということで、民藝関連の展示会や催事が数多く開催されています。高島屋さんは民藝運動初期から積極的に支援してきた百貨店。現在は3年に一度「民藝展」を日本橋店・大阪店で開催してらっしゃって来年がその年に当たります。それにつなぐように、現在関東の横浜店・玉川店・新宿店では民藝WALKというイベントがリレー開催されていて、大阪店でも「つなぐ、つながる、民藝」が開かれるというわけです。民藝WAIKが配り手主体なのに対して、こちらはは作り手主体。そして関西の作り手にフォーカスしてるのが特長です。大阪日本民芸館さんの協力のもと開かれますので、GW明けに大阪日本民芸館で毎年開催される「みんげい市」の高島屋版と言えるかもしれません。みんげい市が大阪日本民芸館さんのイベントなので「みんげい市」という名称は使ってませんが。そして配り手であるテマヒマも出店しますが。ご一緒させて頂きます作り手は、兵庫県民芸協会、京都民藝協会所属で、みんげい市参加の常連の工人。平松源木工房さん(木漆工芸) 森公男さん(白磁・練上)龍仁窯南森正仁さん(唐津焼)河井一喜さん(陶器) 以上6F金城千琴さん(紅型) わたばな工房さん(丹波布)小田桐眞由美さん(染布から服へ) 以上7F同じく7Fのテマヒマでは、・中ノ畑窯(陶器)・露古壽窯(陶器)・俊彦窯(陶器)・丹窓窯(陶器)・山口和声(陶器)・深田緑葉(磁器)・小島紗和子(螺鈿)・翁再生硝子工房(吹きガラス)をご紹介します。翁再生硝子工房さんを除くと皆さん兵庫県民芸協会に所属されている工人ですが、先日ミニ個展を開催させて頂いた深田緑葉さん以外はテマヒマで常時お取り扱いさせて頂いてる皆さんです。この催事に向けて仕入させて頂いたり、作って頂いたりもして、特に露古壽窯さん、小島紗和子さんは普段のテマヒマでの品揃えと随分違っていますし、深田さんはスポット的なご紹介となります。ボリューム的にもバリエーション的にも皆さんにご満足頂けるラインナップになっているかと思います。高島屋さんでこの企画がどのタイミングから始まっていたかは存知あげませんが、大阪日本民芸館さんを通して出店依頼がきたのがゴールデンウィーク前。多くの作り手の皆さんは個展や制作スケジュールが決まっていてそのタイミングではなかなか単独での出展が難しかったり、お忙しい中催事期間中の在店が難しかったりという事情がありました。その状況下で、この催事をなんとか成立させるのに一肌脱ぎましょうか?的なよく分からない使命感?漢気?があって決断しました。これまで、高槻阪急さんに3回(あれ?2回だったかな?)、神戸阪急さんに2回、に出店させて頂いたことがあります。いずれも売上というよりは、まずはテマヒマを知って頂くこと、最終的にはテマヒマにお越し頂くことを目的としています。必ずしも売上は思っていたほどではなく、会期中に後悔したことも無くはないのですが、喉元すぎれば?なのか記憶力や学習能力が低いのか?これまでの催事と違って、主旨が明確なので、期待してはいます。今日現在、高島屋さんと図面のやりとりをしていて、だんだん近づいてきているという実感も出てきました。民藝、手仕事がお好きな方、暮らしについて意識的な方、高槻は遠いけど難波ならという方などなど、、、皆様のお越しをお待ちしております。作り手の方と直接お話しながらお買い物出来ることもなかな無いかと思いますのでそれも貴重な機会かと思います。その前に、テマヒマでは昨日から7周年直前!蔵出し市7DAYSが始まっております。こちらも過去最大級のボリュームですので是非皆様のお越しをお待ちしております。それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も好い一日を!タイトル漢字二文字は、高島屋さんのHPの「民藝とは、人々の暮らしの中で生まれた、実用的で温かみのある道具や器のことです。民藝は名もない人の手から作られた、素朴な美しさ(用の美)を大切にしています。今回、大阪日本民芸館の協力を得て、関西の作り手が繋ぐ伝統、未来を紡ぐ「民藝のある暮らし」をご提案します。」より繋と紡を使用させて頂きました。2025.09.18 02:34
不知おはようございます。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。先日放送されたNHK・Eテレ「ETV特集 POP 大滝詠一 幸せな結末」を観たのですが、大滝詠一さんの97年の、自身最大のヒット曲「幸せな結末」が生まれるまでの様子を貴重な音源や映像とともに紹介されていて、とても良かったのです。今晩再放送があるようなので、おススメです。是非!以下、ネタバレはありつつ書きたいと思います。2025.09.17 01:52
蕃茄おはようございます。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。先週は通常営業開始前に月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」(哲学カフェ)を開催しました。終了後にSNSに次のような投稿をしました。「今回で6回目を迎えますが、いつもより少なめの6名。1ドリンク制で参加費無料ではありますが欠席の際は必ずご連絡下さい(ってわざわざ言わないといけないのもどうか思いますが)。今回は初参加の方は0でした。皆さん持ち寄った「問い」の中から決戦投票で選ばれたのは「人の知恵には限界があるのか?」ご提案頂いた方は子供の頃からずっも考えてきたテーマだそうで、これまでで一番抽象度が高かったからか、AI,細胞、DNA、エネルギー、魂、だんご虫、死、宇宙、、、若干スピリチュアル寄り?と思うような、沢山の言葉が飛び出してました。限界があると思うか無いと思うかは、それを外から見るか内から見るかだとかってなるとなかなか僕の頭では理解(感じることかもしれませんが)出来ないところでしたが、きっと同じ言葉を使っていても、同じ話をしていても、それぞれ見えてる世界が違うんだろうなぁということも感じました。改めて書いておくと哲学カフェでは情報伝達や合意形成、正解探しを目的としていません。」FBの投稿をご覧になったご参加者から、さすがのまとめ!とコメントを頂きましたが、同じ場にいて同じ対話をしていても、気になる言葉、感じたことはおそらく全然違っているでしょうから、まとめるということも本当は違っていて、まぁ会の様子、場の雰囲気をお伝えしているという感じです。6回目にして個人的には一番難しい「問い」でした。哲学カフェを始めようと思った背景や想いについて、「テマヒマという「場」が目指すのは、ヒトとモノ、ヒトとヒトを繋ぐ、繋がること、そして「文化」を生み出すことだと考えているのですが、この哲学カフェ/哲学対話というのがその一つになると考えています。そして論破だったり、分断だったりという言葉に代表されるように今という時代には対話こそが必要で、正解に向かって効率的に最短距離で進みがちな今こそ、ふと立ち止まって考えてみる、じっくり考えてみる、みんなで考えてみる、この哲学対話というものが必要なのでは?と思います。」ということを以前このブログでも書いていました。最近、民藝や発酵をモノサシにしているテマヒマとして、民藝や発酵の視点で捉えるとどうなんだろう?てことをふと考えます。テマヒマの哲学カフェでは、見知らぬ同士が集まる場なら普通はするであろう自己紹介というものを敢えてせずに始めます。お互いの肩書や立場が分かることでどうしても何らかのフィルターが掛かってしまうのを避け、どこまでも対等な場でありたいという理由からです。それでも性別や年齢は分かってしまいますが。本名でやりとりせず、会でのニックネームで呼び合うことにしています。「匿名」であることで時に主張が激しくなり、相手を気づ付けてしまうようなSNSの言論空間とは勿論違って、名は有りながら、敢えて名を無くして対話し合う。民藝の言う「無名」性と同じではないですが、対話的な場であるためには、我への執着が少なくなることが重要に思います。テマヒマの哲学カフェでは、先に「問い」を用意してそれについて参加者が準備するのでは無く、当日投票で決めた「問い」について聞き合い、語り合います。準備などがなく即興性が強い分、どのように話が膨らんだり進んだりしていくかというのは未知数です。6回やってみて、毎回本当に雰囲気が違います。問いにもよりますが、参加者によるところが大きい気がします。目的に向かって進むエンジニアリング的なあり方に対して、ブリコラージュ的であるとも言えますが、とても発酵的なあり方だとも言えます。お味噌に喩えようかなと思ったけど、どちらかと言えばぬか床をイメージすると分かりやすいでしょうか。ぬか床の中の多種多様な菌の活動が複雑にからみあって、漬けたお野菜などが美味しいぬか漬けになります。これまで発酵型経営、発酵型マネージメント的なことをこのブログでも何度か書いてきたと思うのですが、対話の場もしかり。司会進行役の僕は、場をコントロールしたり支配したりすることなく、皆さんが発言しやすい環境、場作りをする役目。言ってみればぬか床を混ぜる役割で、ぬか漬けを美味しくするのは、やはり参加者の皆様ですね。参加者の味覚もそれぞれなので、その日生まれたぬか漬けについての感じ方もそれぞれでしょうか。写真は哲学カフェの時に僕が飲んだ発酵ドリンク。トマトレモン。トマト?って聞くとお野菜寄りに感じますが砂糖と漬け込んで発酵させて作ったシロップはなんだか苺を感じます。是非ご賞味下さい。テマヒマは間もなく本日の営業開始します。日曜日にも関わらず、3連休にも関わらず、ご予約は0(ゼロ)。ご予約無しでもお席ご案内出来ます。皆様のお越しをお待ちしております。それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も好い1日を!次回は10月5日を予定しています。現在お申込みを受付中です。毎回1回完結です。初参加の方大歓迎です。2025.09.14 01:48