Hitoshi Ota

2018年3月末22年勤めた会社を退職しました。
「暮らし、味わう。」をテーマに
食のセレクトショップ&カフェ テマヒマ
OPENに向けて準備中の45歳です。

記事一覧(2109)

葛藤

「簡易金継ぎワークショップ」中止のお知らせ工房波音さんを講師にお招きして隔月で、これまで通算21回に渡って開催して参りました「簡易金継ぎワークショップ」ですが、今後開催しないこととなりましたので、お知らせ致します。理由としましては、2025年6月1日(今月)に食品衛生法の改正があり、合成うるし(新うるしなど)が「食器として使用出来る」という説明での販売が出来なくなったことがきっかけです。少し回りくどい言い方をしましたが、使用出来なくなった訳ではありませんので、これまで講座で簡易金継ぎキットをお買い求め頂いた方はそのままご使用頂けます。工房波音さんから法改正についてお知らせ・ご説明頂き、また今後の講座中止についての申し入れがあり、今回の判断に至りました。これまでも簡易金継ぎの告知文の中で、例えば<使用材料>合成漆(主成分にうるし科の植物の天然樹脂を使用した無鉛塗料)、真鍮粉、錫粉、合成樹脂(エポキシパテ)、接着剤他<注意事項>・材料は合成の塗料や接着剤であるため、気になる方は直接口に触れる部分などへの金継ぎは避けて下さい。・金継ぎ後の器はオーブン、電子レンジ、食洗機での使用はお控え下さい。・ガラスや粉々に砕けたもの、直火にかけるものには金継ぎができません。といった、本来の金継ぎとは違う、簡易金継ぎならではのお断り事項をわざわざ書かねばならないことについて、工房波音さんとしても思うところ、悩むところがあり、一方でご参加要望の多さと、ご参加者頂いた皆様がご満足頂いている様子から、葛藤があられたともうかがいました。隔月開催だと来月7月?もうそろそろお知らせ?と心待ちにされていた方もいらっしゃったかとは思い申し訳ございませんが、ご理解頂ければと思います。簡易金継ぎワークショップの開催は取りやめますが、今後も、器(に限らずモノ)を大切にする、お直ししながら長く使うといった考え方や文化は何らか提案し続けていきたいと考えています。宜しくお願いします。テマヒマ代表/プロデューサー 太田準

木喰

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。兵庫県民芸協会では月イチペースで、民藝40年からの柳宗悦の論考を味わう読書会を開催していますが今日のテキストは「木喰上人発見の縁起」。関連して京都府南丹市にある清源寺にお邪魔してきました。清源寺にある木喰仏を拝見した後、「木喰上人発見の縁起」について本堂で語り合うという贅沢な趣向。明満上人(木喰上人)は肉を食べず、火を使った調理もしない(今で言えばヴィーガンでロ-フード?)しかも五穀と塩味を絶つという木食戒という修行をしていましたが、60歳を過ぎる頃から一木造の仏像を彫り始め、全国を旅しながら彫り続け、それを奉納していました。今日ご説明下さった住職によれば天明の飢饉や浅間山噴火といった時代背景・社会情勢があったとのこと。清源寺にやってきたのはその旅の最終盤。89歳の時のこと。93歳没とされているので人生においても最晩年。滞在中の4-5ヶ月の間に28体(実は29体らしい)を彫刻し、そのうちの22体が清源寺におさめられています。通算1000体目もその中にあるぐらいなので、山梨から始まった初期に比べても、出っ張った丸い頬など、微笑みがより特徴的で、作り続けられたことによる洗練(もちろん最大の特徴である素朴さはありつつ)が感じられます。柳宗悦が「微笑仏」とも呼んだ木喰仏。これまで日本民藝館で拝見したことはありましたが、22体もの木喰仏をまとめて見たのは初めて。奥の羅漢堂で周囲を取り囲むように並ぶお姿は圧巻でした。でも決して強く迫ってくるような感覚は無く、思わずつられて微笑んでしまうような感じ。ウィンクしてるもの、舌を出してるもの、目を見開いてるもの、顔を覆い隠しているものと個性豊かです。拝観のあと読書会に移ったわけですが、満たされた感覚があって、言葉があまり出てこず、皆さんのお話を聞く、味わう感じでした。スミマセン。明満上人は身長180センチもあったそう。鬼が来たという表現もあったようですが、90歳近い180センチ、しかもおそらく(長旅で)あまり綺麗ではない身なりだったと思います。既にその名はある程度知られたとは言えかなり浮いていておそらく村人とかは最初ひいたんじゃないかと。一方、時を経てその足跡を追ってやってきた柳宗悦もまた違う意味で浮いていただろうと思います。その二人はどこか似たところ、共通点があったのでは?という意見がある参加者の方から出てなるほどなと思いました。田舎の人はどこかよそ者を受け入れ難いところがあるが、それを受け入れさせた、(悪く言うと)空気の読めなさと、そんなことを越えるパッション/熱量があったのだと思います。「縁起」というタイトルから連想される「偶然」。この論考を読んでると本当に偶然が重なり、木喰仏が見出され、研究が広がり深まり、おかげでこのように残ることが出来たということが分かりますが(「民藝」も同様ですよね)、それも「熱量」があったから「偶然」が導かれたのでは?とさえ感じます。栁は「私が見出したのではなく、上人に見出されたのだ」といったことを言っていますが、「他力」「与格」「中動態」といったことにも通じるでしょうし、明治以降の近代化で失われた、宗教と美術(というか暮らし)が隣り合わせだった頃にはごく自然な感覚だったのかもしれませんね。住職が説法で「ありがとう」という気持ちの大切さを仰っていて、木喰仏の笑顔がそれにも通じるというお話をされていました。「感謝」と「笑顔」それを忘れないだけでも色々なことが変わっていくのでは?と思いました。想いがいっぱいになった好い一日でした。テマヒマは昨日今日、火曜日水曜日で定休日でした。明日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお二組のみでお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。

器屋

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。Drink Tickets(ドリンクチケット)の販売開始から約3か月弱となりました。この間、24名の方がご購入頂き、15名の方がOmoiyari Ticketを贈って下さって、9名の方が受け取って下さいました。ありがとうございました!改めて、ドリンクチケットについてご説明させて頂くと、Drink Tickets(ドリンクチケット) ¥2200(税込)(ドリンク4杯相当のお値段で5杯分ご利用頂けるチケットです)・ご購入頂いた日からご利用頂けます・有効期限はありません・ご利用は「原則」カフェタイム(14:00~16:30)です・1日のご利用は1枚に限らせて頂きます・箕面ビールは対象外です・5枚綴りの一番下はOmoiyari Ticket(思いやりチケット)です■Omoiyari Ticket(思いやりチケット)とはテマヒマからプレゼントの1杯分は、まだ見ぬ誰かにプレゼントすることが出来ますテマヒマから皆さんへ、皆さんから誰かに思いやりを繋いでいきませんか?もちろん自分へのプレゼントにすることも出来ます自分を思いやることも大事なことですね■Omoiyari Note(思いやりノート)とはOmoiyari Ticketを贈る人、受け取る人がやりとりする交流の「場」言わば交換日記のようなものです。Omoiyari Ticketを贈る人、受け取る人以外の方ももちろんご覧頂いても構いません。是非ご覧下さい。■Omoiyari Tciketを贈る方は プレゼントしたい方へのメッセージを添えて Omoiyari TicketをOmoiyari Noteに貼って下さい (例)子育て中のママさんへ、新しいことを始めた人へ、お味噌が好きな人へ・・・ ※自分にプレゼントする場合はOmoiyari Noteに貼らずそのままご利用下さい■Omoiyari Ticketを受け取る方は Omoiyari Noteで自分宛だと感じるOmoiyari Ticketを見つけたら、必ず贈って下さった方へのお返事をOmoiyari Noteに書いて剥がしてご利用下さい(レジにお持ち下さい)まだ始まったばかりで、Drink Ticketsの認知度は低く、こちらからお客様にお声がけすることが多かったり、ご購入下さる方は常連の方が多かったりしますが、自然とDrink Ticketをお買い上げになるようになったり、どなたがOmoiyari Ticketをプレゼントして下さったかも分からなくなった時に、浸透したと言ってよいかもしれません。やってみて意外だったことを書いておくと、•ドリンクチケットをお買い求め頂いた方で、Omoiyari Ticketをすぐに使ったり贈ったりせず、次回来た時にOmoiyari Noteを書きますという方が多かったこと・Omoiyari Ticketだけで無く通常のDrink Ticketもプレゼントしたいという方がいらっしゃったこと(実際にされました)・Omoiyari Ticketを贈った方受け取った方以外にも、Omoiyari Noteをご覧になって幸せな気持ちになられる方がいらっしゃったこと•仕組みの説明をすると、「ペイフォワード」「恩送り」「利他」という言葉を出される方が結構いらっしゃったこと•ご自身の勤める会社や、営む宿やカフェで、参考にして似たような仕組みを導入したいという方がいらっしゃったこと・Omoiyari Ticketを贈って下さった方で、誰かが受け取ってお返事がOmoiyari Noteに書かれるのを楽しみにしてらっしゃる方が多いこと・Omoiyari Ticketを贈って下さる方が、受け取って欲しいという思いが強めの送り先を書かれる方が出てきたこと(そして必ずしもその方が受け取る方が多い訳ではないこと)・見ず知らず同士の一対一のやりとりをイメージしていたら、二対二というパターンも出てきたことあたりでしょうか?あと、贈るより、受け取る方が難しいのでは?という想像をしていて、そういう声も実際ありましたが、初めてお越しになった方が受け取って下さるというのもよくある場面でした。こんなことが起こるかも?あんなことが起こったらどうしよう?とかって考えるといつまでも始まらないもの。まずは始めてから考えようという感じでしたが、上記の「意外にも」ということも、このDrink Ticket/Omoiyari Ticketの企画を揺るがすほどのことではありません。一時期、「利他」について書かれた本を読み漁っていました(漁ってたは言い過ぎか)。そしてこのDrink Ticketが始まってから読み返しています。読み落としていたのか、解像度が上がったのか、気付きがあります。伊藤亜紗さんの”うつわ的「利他」”という文章があって、核心部分を少し抜粋引用すると”利他とは「うつわ」のようなものではないか、ということです。相手のために何かをしているときであっても、自分で立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持っていること。それは同時に、自分が変わる可能性としての余白でもあるでしょう。この何もない余白が利他であるとするならば、それはまさにさまざまな料理や品物をうけとめ、その可能性を引き出すうつわのようです”少し前に藤本智士さんの「日々是編集」(テマヒマで現在絶賛販売中!)のご紹介をテマヒマブログ(タイトル:校正)で書きました。我執というか、どこか民藝的でないモノ言いをしがちであることに気づかされたテキストだったのですが、そのタイトルは「編集者というただの器」。東工大の中島岳士さんが様々な著書でよくご紹介されてるヒンディー語の「与格」という文法を紹介しながら、「うつわ」としての「わたし」ということを仰っていました。モノサシとしての「民藝」と「発酵」。そして哲学カフェやこのOmoiyari Ticketを始めたことにより、今、色々なことが自分の中で繋がりつつあります。まだうまく言語化出来てないのですが。。。。テマヒマという場がそんな「うつわ」になれないか。「うつわ」としての「テマヒマ」。「うつわ」はもちろんメタファーですが、実際テマヒマは器を販売する器屋なのですから笑。プレゼントにとお茶碗と煤竹箸をお買い上げ頂いた方がショップ最後のお客様でテマヒマ本日の営業終了しました。お近くから遠くは鹿児島の方まで、今日も暑い中お越し頂きました皆様ありがとうございました。ランチで満席のためお断りしてしまった皆様申し訳ございませんでした。ランチタイム後半はのんびりゆったりしていたのですが・・・明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお1組のみで週末にも関わらずお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

鰹節

こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。開店前の時間、厨房から店に広がるお出汁の香りがするととても幸せな気持ちになります。木曜日だとカレーを温める香りと相まってカレーうどん?カレーそば?みたいな美味しい香り、食欲をそそる香りがします。それがきっかけで出汁カレーもいいね!なんて店主と出汁カレーのお店に何軒か食べ行ったこともあります。いや、そもそも、うちヴィーガンカレーだし!そんな背景がありつつ、構想してから随分時間は経ち、また内容も変わったのですが本日より新企画スタート!木曜限定メニュー、お味噌汁を選べる味噌ベジキーマカレーセットの発酵トッピングに新たに「鰹節」が加わりました。鰹節が発酵食品??と思われたかもしれませんが、鰹節には荒節と枯節、本枯節とがあって、枯節・本枯節はカビ付けという微生物の力を借りて作られる工程があるので発酵食品です。今回使わせて頂く本枯節は、鹿児島県枕崎漁港で水揚げされた鮮度の良い一本釣り鰹のみを使用し、職人が4-6か月もの間カビ付け、天日干しを繰り返し、テマヒマかけてじっくり丁寧に仕上げたものです。熟成された旨味と香りをカレーと共にお楽しみ下さい。今日はお客様も少なくのんびりとした店内でしたが、お越し頂きました皆様ありがとうございました!早速、本枯節トッピングをお選び頂いた方もいらっしゃってありがとうございます。そんな中で、食べ歩きを趣味にしてるアスリートの男性がいらっしゃいました。面白かったのは、行った先のお店でお店の人かお客様におススメのお店を聞いて、次に行くお店を決めるという数珠繋ぎ方式でお店を回ってらっしゃるとのこと。テマヒマをおススメして下さったどなたかに感謝しつつ、次のお店の候補を何軒かご紹介しました。その中の一軒はラーメン屋さんの鱗さん。そう言えば、鱗さんの塩ラーメンも鰹節がいい仕事をしてますね。テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り5席となっています。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。

雁擬

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。3-4週間毎にメニューの替わるテマヒマのランチ、お味噌汁を選べるおばんざいセット。前回のメインは密かに7年目にして初登場の春巻き、そして今回も初登場のがんもどき。メニューを決める時に揚げ物は続かないようにとかって考えたりもするのですが、店主(うちの奥さん)が昔どこかで食べた揚げたてのがんもがとても美味しかったのでやってみたいということで決定。がんもっておでんや煮物などお出汁で召し上がることが多いかと思いますが、揚げたての美味しさを楽しんで頂くためにシンプルに出汁塩でお召し上がり頂いています。水切りした豆腐に山芋をつなぎに、テマヒマではひじきなどを和えて、丸め揚げていきますが、お味噌を隠し味に使っているのがテマヒマ流。以下、Googleさんに聞いた情報をもとに書いていまます(チャットGPTも試してみましたが、あまりよくなくて・・・)このがんもどき(略称がんも)は、漢字では「雁擬」「雁賽」と書きます。元々精進料理で肉の代替品だったようです。由来としては、カモの一種の「雁(がん)」の肉に似せた「もどき料理」から「雁擬き」になった説とか鳥肉のすり身を丸めた料理「丸(がん)」に似せて作ったからという説とかあります。それに対して、関西地方では「飛竜頭」(ひりゅうず、ひりうず、ひろうす、ひりょうず)と呼ぶこともあります。これはポルトガル語の「フィリョース」という小麦粉と卵を混ぜ合わせて油で揚げたお菓子の当て字が「飛龍頭」とか「飛龍子」で、「がんもどき」に似ているので「ひりょうず」「ひろうす」と呼ばれるようになったとか。SNSで軽ーくアンケートとってみても、この関西・関東という分け方でおおよそあってそうな感じでしたがデータが少なすぎて。皆さんの今住む町或いはご出身地ではなんて呼んでますか?今日は雨の中お越し頂きました皆様ありがとうございました!営業開始後に当日のランチのキャンセル(2人)のお電話があったり、キャンセル連絡も無くお越しにならなかった方達(3人)がいらっしゃったのはテマヒマでは滅多にないことで本当に残念でした。お店への影響以上に他のお客様へのご迷惑になるので本当にやめて頂きたいものです。それでもOmoiyari Ticketをプレゼントして下さる方、受け取って下さる方もいらっしゃって好い一日だったと思います。カフェタイムにそのOmoiyari Ticketを受け取って下さった方だったり、また別の方とお話していた時に、テマヒマを居場所として感じて頂けてたり(サードプレイス)、本来の自分に返ることの出来る時間と感じて頂けてる(サードタイム)ということを感じられる言葉が出て、テマヒマをやっていて本当に良かったと思います。その(別々の)お2人と話してて、それってお一人でいらっしゃらないとなかなか感じられないことなのかなぁとも思いましたがどうでしょうか?明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り5席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。

離脱

こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。毎朝、朝ドラ「あんぱん」を観ています。最近だと「虎に翼」、「ブギウギ」、「らんまん」とかも名作だったと思いますが、今回の「あんぱん」もそう思います。少し前にAIとかロボットについて書かれた文章を読んでた時に、ロボットの形状が人間に近づいていけば親近感より嫌悪感を持つ場合が多く、そうでないものほど感情移入しやすいみたいな論考があって興味深いなと思いましたが、朝ドラも現代が舞台なものより、過去が舞台な方が寧ろ共感があったり、感情移入出来たりするような気がします。勿論過去が舞台と言っても現代的な眼差し、現代につながるテーマがある訳ですが。「神対応」「神曲」「神回」みたいな表現は、神様を軽んじてる、安売りしてるみたいで、僕自身は使いませんが、その言い方で言えば最近の「あんぱん」では「神回」が続いている気がします。最愛の人の戦死を受けて悲嘆にくれる姿、出征時に実母が子に叫ぶシーン、戦地に行く前の兄弟の会話、どれも役者さん達の迫真の演技で涙してしまいました。死に直面したり、死を近くに感じる時、どうしてもこみあげてくるものが止められません。そんなんだから?「あんぱん」関連の記事や情報をやたらとグーグルさんが僕におススメしてきます。そんな中で、軍国主義に洗脳されていく主人公に共感出来ない、戦争描写が長すぎるから、離脱する人続出、みたいな記事がありました。SNSの声を拾い集めて構成してるだけの、究極の炬燵(こたつ)記事といってよいと思います。番組を見る見ないを決めるのは視聴者それぞれなので別に見たくないものを無理して見る必要はありません。ただおそらくそういった戦争体験があってこそ、アンパンマンが生まれたのだと脚本家は伝えたくて、丁寧にこの時代のことを描いているのかと推察します。見たいものだけを見るというのは、エコチェンバーとかフィルターバブルとかの中で心地よくなるSNS時代ならではの感覚もあるかもしれませんね。そしてSNSで意見表明したって全然構いませんが、それは主観であり、一意見であって、それで脚本家だったり番組がそれで揺らがないことを願います。飲食店へのお客様のレビューもそうですけど。営業中にこんなブログが書けちゃうぐらいのんびりとして店内でしたが、ランチタイムを中心にお越し頂きました皆様ありがとうございました。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で満席の為少し遅くお越し頂くのがおススメです。12時以降はお料理の確保予約も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした!好い夜をお過ごし下さい。

転載

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。直近書いた、関西よつ葉連絡会の注文用冊子「Life」用の原稿と、兵庫県民芸協会の事務局通信用の原稿を、記録のために転載しテマヒマブログにアップしておきます。ともに自分自身で書いたものではありますが、提出した場合、著作権的なことはどうなるのかよく分かっていませんが、問題があればお知らせ下さい。ブログも、誰かに読まれてることを意識しなければならないのかもしれませんが、ほぼ独り言的な感じなので、転載する2つは、それぞれ関西よつ葉連絡会の会員さん、兵庫県民芸協会の会員さんが読まれるので、少し緊張気味で書きました。【民藝と発酵、暮らしに手仕事を】 テマヒマは大阪府高槻市芥川町の路地裏にある築90年の古民家をリノベーションして2018年10月にオープンしました。「民藝」と「発酵」をモノサシに、食を通して暮らしの豊かさを提案するセレクトショップとカフェです。手前味噌作り、醤油作り、ぬか床作りなどのワークショップ、薬膳講座など食に関するイベントも不定期で開催しています。 店主の太田智子は、亡き母の看病をする中で食の大切さを知り、発酵食品にはまり、お味噌が好き過ぎて「みそソムリエ」の資格を取得し、それがテマヒマ開店にもつながりました。 ランチのお味噌汁は3種類のお味噌から選べたり、お味噌汁以外の料理にもふんだんにお味噌を使っていて、ランチやスイーツのメニューを通して、お味噌の多様性、多用性を知っていただきたい、美味しく楽しく学んでいただきたい、そしてご家庭でも取り入れていただきたいと考えています。以前、よつ葉のカタログ「Life」でも「味噌レシピ」を連載していました。食材も安心安全なものを使いたい、お届けしたいという想いから、よつ葉さんを利用しています。民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書も取り揃えていますので、機会があれば、是非、テマヒマにお越しください。(プロデューサー 太田 準)【店主 太田智子さんより】 十勝なかよし会の小豆は自家製あんこに使っています。土鍋で炊いたあんこはとても美味しく、お客様にも好評いただいています。テマヒマでは味噌シフォンケーキや豆乳葛プリンなどに添えてご提供しています。

劣等

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。6/8(日)の通常営業開始前、哲学カフェ(正式名:月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」)を開催しました。ご参加頂いたのは11名。当初6名ぐらいかなと始めたのですが前回に続き多数のお申込みとご参加を頂きありがとうございます。お一人お一人の発言量などから考えてどれぐらいが適正な人数かは分かりませんが、机と椅子の関係から12人を定員にしようと思っています。今回の内訳は男性2名、女性9名。年齢はお聞きしていませんが20代~60代ぐらいの幅でしょうか?前回からの引き続きのご参加は7名で、初参加は4名。リピート参加の方が増えていくともしかしたらリラックス感があったり、話が深まったりするということはあるのでしょうか?新たな参加者はウェルカムで、常に開かれた場でありたいと思っています。今回も、敢えて自己紹介はせずに、皆さんから、聞いてみたい・話してみたい「問い」を発表してもらうところから。年齢、出身、職業、立場などから離れて全員が「対等」な場であるように。多数決により今回は「劣等感とはどういうことか?」に決まりました。多数決以外の決定方法がないか?と前回今回と終了後に参加者の皆さんにアンケートをお願いしているのですが、まだ今のところこれといって良い方法は見つかっていません。ちなみに他に上位で票が集まったのは「恵まれていることに無自覚な人にイラっとしてしまうのはなぜか?」「土産物を買うということはどういうことか?」「命にないものに感情移入してしまうのはなぜか?」この哲学対話(哲学カフェ)ではそもそも、情報伝達や合意形成、正解探しが目的では無いので、このブログでまとめのようなことを書いても、場の空気感は伝わらなかったり、大切なことがこぼれ落ちてしまう気がします。そしてお一人お一人琴線に触れる部分が違い、感じ方も違う(それが大事!)と思います。「劣等感」の反対語って?という僕の問いかけに「優越感!」と声が揃ったところから始まりましたが、「劣等感」と「あこがれ」って似てるよね、紙一重だよねみたいな話になり、どちらも「比較」することで発生するけど、その差って何だろう?劣等感には、自分にも出来そう、手が届きそう、自分への期待感がある?劣等感というのは自分の内側からだけではなく、社会や周囲、他者からも生まれる?「諦めるというのは自分を明らかにすること」「手放す」「自信を持つ」「自己肯定感」「自分を持つ」「自分と他人は違う」「他の強みがある」「いったん自分の頭の中に寝かす/転がす」といった劣等感を回避する方向の話が出たり、一方で「劣等感を持てるということは観察力があるから」とか「ポジティブな劣等感」ってあるのでは?と前向きに捉え直す発言があったり。劣等「感」っていうけど、それを感じるのは、気持ちの問題だけでなくコンディションもあるのでは?といった新たな視点が出たりもしました。様々な参加者がいらっしゃることで、話が色々なところに行ったり来たりしつつ、広がり深まる感覚があります。このブログを書くにあたって、「劣等感」という言葉をAI・Chat GPTさんに聞いてみました。「劣等感(れっとうかん)とは、自分自身が他者と比較したときに、自分に不足や欠点を感じてしまい、劣っていると感じる心の状態を指します。これは自己評価が低くなったり、自信を喪失したりする原因となることがあります。具体的には、次のような状況で感じやすいです:他人の成功や能力を見て、自分にはできないと感じるとき自分の欠点や不足を意識してしまうとき自分に対して厳しい評価を下すとき劣等感は誰にでも一時的に生じることがありますが、長期的に続くと自己肯定感の低下や精神的なストレスにつながることもあります。適切な自己理解や自己肯定の努力が大切です。」またグーグルさん、wikipediaさんによると「劣等感(れっとうかん、英: Inferiority complex)は、自分が他人に劣っていると感じること。劣後感(れつごかん)ともいう。強烈な不平等感を持つ人々を記述するために使用される心理学用語であり、それによって多くの場合、極端な内気、自己隔離、社会的従順などが発生する。劣等感はしばしば、ある人がすべての他人よりも何らかの形で不足している、または劣っているという信念から生じる。精神分析学の用語としては、ジークムント・フロイトが自著で用いたのが初出で、後に同僚のカール・ユングの著作でも用いられた。古典アドラー心理学の創立者アルフレッド・アドラーは、多くの神経症はこの劣等感を過剰に埋め合わせようとすることにその原因があると考えた。日本では、一般的に誤ってコンプレックスを単に劣後感を指して用いられることがあるが、心理学用語としてのコンプレックスは、無意識下に抑圧され、固着され、ときに強い感情を誘発する観念の複合体(complex)を指すのであり、劣等感は正しくは「Inferiority complex(インフェリオリティ コンプレックス)」である。概要これは主に人間の心(精神)に発生する感覚である。人間は成長の過程で自我を発達させるが、この段階で他人との競争意識が生まれ、その競争面での挫折の結果が劣後感とみなされる。劣後感はこれを抱く人を憂鬱(暗く沈んだ気持ち)にさせるが、同時に克服することで更なる展望を生む。多くの場合、児童や青少年は様々な劣後感を抱いている。しかしそれらは成長途上における苦しみであるといえる。アルフレッド・アドラーによれば劣等感は、子供の頃の成長環境(たとえば兄弟と比較される)、身体的および精神的な制限、社会的差別の経験(たとえば人種、経済状況、性別による機会不平等)によって引き起こされる可能性があるという。」だそうです。どうお感じになられましたでしょうか?うまくまとまってる!これが正解だよね!と思われましたでしょうか?仮に何か正解があるとして、その正解に最短距離でいきたい、というのならネット検索やChat GPTでも良いのかもしれません。あと先日の哲学対話の場で出てこなかった視点や切り口も確かにあったので、補足的にAIや検索を使うのはアリかもしれません。でも、ここには出てこないようなことが出てくるのが哲学対話であり、何よりも、考える、聞く、話す、対話こそが、その場やその時間こそが尊いと個人的には思います。ご参加頂きました皆様ありがとうございました!次回は7/13を予定しています。是非哲学対話を味わってみて下さい。一回完結ですので、初参加も大歓迎です。ご参加お申込みお待ちしております。お申込みグーグルフォームはコチラ↓

有名

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。濱田窯(益子)の職人さん高根澤光子さんが(愛称みっちゃん)急逝されました。86歳でした。濱田窯の濱田友緒さんや雅子さんのSNS投稿で知りました。みっちゃんさんとお会いしたのは濱田窯にお邪魔した数回のことなのですが、急なことにショックを受けています(そしてこれほどショックを受けている自分に驚いています)。前週まで元気にお仕事されていたそうなので、本当に急で、ご家族同然だった濱田窯の皆様、濱田家の皆様の心痛は想像するに余りあります。テマヒマでもお取り扱いさせて頂いています濱田窯のまんじゅう皿。お客様にご説明する時に、濱田庄司が存命の頃はまんじゅう皿に赤羽まんぢうをのせて来客に出していたこと、毎日100個注文していたらしいこと、と合わせてそれを作る職人さんが高根澤さんというご高齢の女性の職人さん、しかも濱田庄司時代からお仕事されるている方であることをお伝えしていました。みっちゃんさんの情報は基本的には濱田友諸さん(濱田庄司の孫で現濱田窯当主)から聞いたお話ですが、元々女中だったみっちゃんさんは庄司に見込まれて職人さんに抜擢されたとか。友諸さんから聞いた話で好きなエピソードがあります。みっちゃんさんは濱田窯へバイクで通勤していましたが、ドキュメンタリーの撮影でそのシーンを撮ろうとしたら、爆走しすぎてもう少し遅く走って下さいって撮り直したという話。これもお客様によく言ってたなぁ。サラリーマンだった自分の父親が定年退職後、老けたというか衰えたのを見ていたせいか、お仕事をし続けてるからいつまでも若い、そしていつまでも若いからお仕事を続けられる、というみっちゃんさんはじめ職人さん達って本当にすごいなと感じています。みっちゃんさんは生涯現役だったということですもんね。民藝を表す言葉、よく使われる言葉に「無名の職人」ということがあります。みっちゃんさんは、個人作家でも無ければ、窯主でもなく、窯の一職人さんです。器や箱書きなどにその名が刻まれることはありませんが、晩年はメディアへの露出もあって「有名」になりました。僕は、その器がどんな場所で、どんな人が、どんな風に作っているかを伝える、ヒトとモノ、間接的にはヒトとヒトを繋ぐのも自分の役割だと考えていて、みっちゃんという「名」もお客様に出していました。今後も、まんじゅう皿を観るたびに、伝えるたびにみっちゃんさんを思い出すことと思います。KANさんが亡くなった時も思いましたが、達郎さん言うところの「作品は遺ります」。そしてまんじゅう皿がお客様のもとで使い続けられ、時が経ち、誰が作ったとかも忘れられた時に「無名」へと帰っていくのでしょうね。昨日、名古屋の方からお電話がありました。以前テマヒマでまんじゅう皿をお買い上げ頂いたそうで、その時僕がお話したみっちゃんのエピソードが忘れられなくて、SNSで訃報を見てご連絡を下さったとのこと。残念ながら現在まんじゅう皿の在庫がかなり品薄なのですがそれでもお取り置きをお願いしたいとのことでした。みっちゃんさんご本人が思ってらっしゃるよりも(いやきっとそもそもそんなこと自体思ってらっしゃらなかったでしょうけど)知られていて、亡くなったことを悲しんいる人が沢山いらっしゃいます。ご冥福をお祈りいたします。テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。グーグー藤カレーコラボSpecial Curry Weekも残り2日、木村恭子メイン特集或いはミニ個展も残り2日です。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り1席となっていますので少し遅めにお越し頂くのがおススメです。12時以降はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。

解釈

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。先日のことですが、あるお客様がインスタのストーリーにアップされてる画像を見て、焦りました。高槻阪急さんのカレーマルシェでご一緒した飲食店の方でテマヒマにお越しになるのは初めての方。お店に掲げている暖簾が上下逆さまでした。なんでそんなミスを僕がしてしまったのかは分かりませんが、おそらく開店以来初めてのことではないでしょうか?すぐに「暖簾逆さになってしまってるー!!」とコメントをつけて返信しました。その後ちょっとしたやりとりがあったのですが、テマヒマが何もかもこだわってるお店なので、暖簾が逆なのも何かのこだわりがあるのかと思い、全く違和感がありませんでした。とのことでした。そんな解釈もあるのか!?と驚いたり、そこまでイメージが付いてるのって凄いなとか、間違っても指摘してもらえなくなったらどうしよう?とか色々考えさせられました。確かに6年半の間についた「こだわり」のイメージってあって、カレーのトッピングのキムチや納豆も自家製ですか?って聞かれることがあったり、納豆ドレッシングの中身を当ててもらう時に「お味噌ですか?」って真っ先に言われたり。確かにだいたいメニューにお味噌入ってるし、入れかねないし笑。もし店主にお味噌の料理本の出版依頼が来たら、「だいたいお味噌を入れといたらよろしい」とか土井善晴さんが言いそうな口調で表紙に入れたいぐらいです笑。お客様に同じようにお伝えしていても、伝わり方、感じ方、解釈は様々で、本当に受け手に拠るところが大きいというのはつくづく感じます。先日あるお客様が、お連れの方がランチを召し上がった後に「なぞの満足感がある」と仰ったと教えて下さいました。言い回しが面白いなと思ったのですが、時間が経つにつれ、その言葉がじわじわときました。そのお2人とはそのあと、満足と満腹は違うという話や、脳と腸の満足の話もしたのですが。そのなぞの満足感を感じられたのも、お客様の感受性に拠るものだということをお伝えしました。自身のアンテナが立ってれば情報が入ってくるのにも似ているかもしれませんね。グーグー藤カレーさんとのコラボカレー、二日目。先日テマヒマブログでもご紹介し、現在メインテーブルで絶賛販売中の「日々是編集」の著者で編集者の藤本智士さんがお立ち寄り頂いたり、ランチタイム後半から急に賑やかになった不思議な日でした。お越し頂きました皆様ありがとうございました。画像は初日と、二日目後半のコラボカレーセット。グーグー藤カレーさんの2ndロットが最初と味わいだったり粘性が違っていたので、盛りつけも変更しました。グーグーさんのダルカレー(豆カレー)はお店でもやってらっしゃいますが、このコラボ用にヴィーガン仕様にして下さったので、実質初登場です。残り3日間、なかなか両店のカレーを同時に召し上がれる機会は無いかと思いますので是非ご賞味下さい。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で満席となっていますので少し遅めにお越し頂くのがおススメです。12時以降はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れさまでした。好い夜をお過ごし下さい。