肉食

こんばんは。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
火曜日水曜日は定休日!
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

発酵デザイナー小倉ヒラクさんの著書は毎回
知的好奇心をくすぐられまくるのですが、新
著「アジア発酵紀行」が出版されました。ま
だそちらは読んでないのですが、前著「オッ
ス!食国(おすくに)〜美味しいにっぽん」(角
川書店)もかなり面白かったです。またいずれ
はテマヒマブログでもご紹介したいと思いま
すが、読みながら思ったことを少々。

進化の過程で、海から陸に上がった動物は、
かつての住処の海に豊富にあった塩分を陸上
でも補給する必要があった。肉食動物は捕食
した動物から塩分を、草食動物は外部から塩
を含む食材を摂取する必要があった。人間は
雑食動物だったが、地域•紀行風土によって肉
食寄りの人間と草食寄りの人間がいて、その
土地固有の食文化が生まれた。
日本人の場合、そもそもは雑食だったのが、
675年に天武天皇が肉食禁止令を出したこと
によって、すぐにではなく、徐々に、しかも
不完全に草食系というか肉を食べない食生活
になっていった。そして明治時代になって、
肉食が解禁された。

超ざっくり言うと肉食についはこんな歴史編
纂のようです。不完全にと書きましたが、小
倉ヒラクさんはどちらかと言えば、日本にお
いて肉食は途絶える事なく、食文化の一端で
あったということを強調したかったと思いま
す。

さて、ここで僕はヴィーガン(完全菜食)やベジ
タリアンについてあれこれ語りたい訳ではあ
りません。草食系とか肉食系とか恋愛とかの
傾向を語りたい訳でもありません。

お味噌汁を飲むとホッとするよね、とかやっ
ば日本人はお米でしょう、お肉じゃなくお魚
よね、とか実際そう思うことも多いですが、
その時によく使われる「日本人のDNA」とい
うフレーズ。僕もたまに使ってる気もしますが、いったい全体それってホンマに!?って疑ってみてもいいのでは?と思ったのです。

食べ慣れたぐらいの意味なら間違いは無いで
すが、前述の食文化の歴史を考えると、DNA
ってどれぐらいのスパンだと言えるんだろう
って。例えば肉食について言えばいつの時代
からのDNAのことを言ってるの?とか、米食
からパン(小麦)食中心になってどれぐらいにな
ったらその日本人のDNAって変わるの?とか
。ちょっとした屁理屈、思考実験みたいなも
のですけど。

発酵文化を含め日本の食文化って特別だとか
、世界に誇れる文化だとは思ってたりします
が、それが変に政治的に利用されたりするのは嫌だなぁとも思うのです。日本だけが素晴
らしいのでは無く、世界の地域地域の食文化
が素晴らしい。「日本人のDNA」って曖昧な
言葉って案外危険じゃない?って思ったとい
う話でした。ヒラクさんの著書とは全く関係
の無い話ですがきっかけとして。

写真は、このブログとは全く関係ありません
が、今城塚古墳の埴輪。今城塚公民館で今日
、テマヒマ店主が60歳以上の方向け講座•稲穂
塾でお味噌についてお話した帰りに撮りまし
た。この頃は肉食文化が結構残っていた頃で
しょうか。

テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。ランチのご予約は
2組で残り12席とお席にかなり余裕がございま
す。

今日も一日お疲れ様でした!
好い夜をお過ごし下さい。

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01