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こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


土曜日は、お店を店主とスタッフ2人にお任せして、濱田琢司さんによる講演会「三宅忠一ともう一つの民藝運動の道ー民衆としての生産者」を聴講してきました。大阪日本民芸館の「大阪の民藝運動ー三宅忠一の眼ー」展に関連したもので、講演会の前に2度目となりますが展示も拝見しました。


3月に拝見した際、SNSにはこのような感想を投稿していました。

”大阪日本民芸館の春季特別展「大阪の民藝運動ー三宅忠一の眼ー」を観に行って来ました。サブタイトルに関西•大阪万博開催記念とあるように?大阪日本民芸館は元々は1970年の大阪万博EXPO’70のパビリオン日本民藝館。三宅忠一が立ち上げた日本民藝協団/日本工芸館(休館中)所蔵品を第一展示室で、第二室はそんな三宅忠一が批判的だった民藝作家のものを中心とした展示。小鹿田焼などの大皿は蕎麦猪口展とは違いあの広い第一展示室にピッタリで素晴らしかったし、第二室も含めここ最近の展示の中では一番量的にも質的にも良かったです。民藝運動の方向性をめぐって袂を別ったが蒐集品からはその違いは無く(おそらく櫛描の細かく入った小鹿田の大皿が 1階にも2階にも展示していたのはそれを意図して?)三宅忠一が問題視した作家のこと、価格のことなども2025年の今であれば話し合えるのでは?と個人的には思います。"


濱田琢司さんのお話は、三宅忠一の足跡を辿り、その思想や活動から、作家の問題、価格の問題など民藝運動が当初から抱えていた矛盾(と指摘されがちなこと)が浮かび上がります。この批判が民藝運動の外からではなく内部から起こったことが意味深く、琢司さんによると三宅の提言より前、戦前からその萌芽はあったようです。


民藝運動は多様な側面があってそれが魅力でだからこそ100年以上続いたと思うのですが、

・民藝が柳により発見される前後での価値転換

・貴族的vs民衆的 →都市vs地方 への視点の変化

・民藝を取り入れた創作と民藝による生活美化という二面性

ということは琢司さんが様々なところで書いてらっしゃって、特に3点目は昨年テマヒマで濱田庄司お話会をした際に琢司さんが仰っていて興味深く思っていました。河井寛次郎、濱田庄司らは民藝を吸収することで自らの創作していたのに対し、富本憲吉は民藝による生活美化に力点があり、量産陶器の試みもそうだったかと思います。三宅もまたそう考えていたのでしょう。


三宅の思想の根底には、おそらく「金光教」の「民衆救済」の考え方があり、廉価なものによる生活美化はその延長にあったと琢司さんは仰っていました。また救済すべき民衆が、消費者から生産者(職人)へと移っていき、小石原などへの大量発注にもつながっているという指摘はなるほどと思います。スエヒロの経営という事業家の顔もあったでしょうか。鳥取民藝の吉田璋也も、自らディレクションした新作民藝を作ってもらい、たくみ工藝店で販売することをしていた訳なので似てるようですが、民藝作家(と呼ばれる人たち)による産地指導にも批判的だった三宅とはどうだったのでしょうね。ともに「工藝の道」を読んで以降に運動に参加した人達だったでしょうし。そう言えば「しゃぶしゃぶ」って、食べ方は吉田璋也が考案し(中国から持ち込み)、十二段家で提供されるようになり、三宅忠一が名付けた、だったと思うのですがそのへんの関係性が気になってきました。


袂を分かった三宅忠一と柳宗悦ですが、前述の通り、蒐集しているモノの方向性は基本的に同じで、逆に言うと三宅が新しいコンセプトがある訳ではない分、柳ほどの卓越した観る目がない限り劣化コピー的になってしまいます。琢司さんも引用していた三宅忠一評

「つねに消費者を大衆に求め、閉鎖的では無く解放的であり、少数の鑑識者によるきびしい選択よりも次善であろうと構わないから、1人でも多くの人々を民藝の世界に結縁させようとする」

ということから、もしかしたら三宅も意識的だったのかもしれませんし、広げる、広めるという意味では重要な視点で、それは薄まる、浅くなる危険性と諸刃の剣のように思います。


三宅忠一の存在からかえって、民藝(運動)というものが浮かび上がってくる、いい講演会でした。琢司さんありがとうございました!


さて、琢司さんは、益子の濱田庄司のお孫さん。その濱田庄司時代からの職人、先月初旬、高根澤光子さん(愛称みっちゃん)が急逝された際、有名になった無名の工人ということでブログを書きました。

それに対して、濱田雅子さん(琢司さんの兄で現濱田窯当主の友緒さんの奥様)からコメントを頂きました。

「濱田庄司は職人をいつも称えていて、皆さんに紹介していました。民藝館にある濱田窯の物も職人の名をわざわざ記し所蔵してあります。有名だけれど、無名。誰が作ったか分からないくらい自然に生まれたような器。濱田が目指したところです。職人たちが自然と生み出しているのですね。みっちゃんも然りです。」


「無名」性という言葉が、誰が作ったか分からないくらい自然に生まれたような、と表現することでグッと解像度が上がり、現代性も帯びてきます。庄司が職人さんを紹介していたという話も、所蔵品に職人の名前を書いていたという話も、職人さんへのリスペクトがあっていい話ですね。ちなみに友緒さんはよく職人さんの様子をインスタにアップされていますが、それもツールは違えど継承されている気がします。


三宅の提起した作家の問題も、2025年の今となっては、窯の職人さんを除くと、ほとんどが作家と言ってもよく、有名な(名前で売れる、人が集まる)作り手もいらっしゃって、この時代「無名」であることは難しいですが、ただ名を挙げようとするのではなく、職人的に「無名性」を持つことが出来るのではないかな?と思います。


最近、「民藝」の器や暮らしの道具を販売する店でありつつ、「民藝」”的”なお店って何だろう?とよく考えています。「今は何を買うかよりも誰から買うかが大事な時代」ということをブログでも書きましたし、そう思ってもいますが、「無名」な店では困ってしまいますが、無名「性」のあるお店はあり得るんじゃないかな?と思ったりもします。最後のパラグラフは蛇足でしたが。


テマヒマは昨日今日火曜日水曜日で定休日です。明日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約は0組ですのでご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を!












「簡易金継ぎワークショップ」中止のお知らせ


工房波音さんを講師にお招きして隔月で、これまで通算21回に渡って開催して参りました「簡易金継ぎワークショップ」ですが、今後開催しないこととなりましたので、お知らせ致します。


理由としましては、2025年6月1日(今月)に食品衛生法の改正があり、合成うるし(新うるしなど)が「食器として使用出来る」という説明での販売が出来なくなったことがきっかけです。少し回りくどい言い方をしましたが、使用出来なくなった訳ではありませんので、これまで講座で簡易金継ぎキットをお買い求め頂いた方はそのままご使用頂けます。


工房波音さんから法改正についてお知らせ・ご説明頂き、また今後の講座中止についての申し入れがあり、今回の判断に至りました。


これまでも簡易金継ぎの告知文の中で、例えば


<使用材料>

合成漆(主成分にうるし科の植物の天然樹脂を使用した無鉛塗料)、真鍮粉、錫粉、合成樹脂(エポキシパテ)、接着剤他

<注意事項>

・材料は合成の塗料や接着剤であるため、気になる方は直接口に触れる部分などへの金継ぎは避けて下さい。

・金継ぎ後の器はオーブン、電子レンジ、食洗機での使用はお控え下さい。

・ガラスや粉々に砕けたもの、直火にかけるものには金継ぎができません。


といった、本来の金継ぎとは違う、簡易金継ぎならではのお断り事項をわざわざ書かねばならないことについて、工房波音さんとしても思うところ、悩むところがあり、一方でご参加要望の多さと、ご参加者頂いた皆様がご満足頂いている様子から、葛藤があられたともうかがいました。


隔月開催だと来月7月?もうそろそろお知らせ?と心待ちにされていた方もいらっしゃったかとは思い申し訳ございませんが、ご理解頂ければと思います。


簡易金継ぎワークショップの開催は取りやめますが、今後も、器(に限らずモノ)を大切にする、お直ししながら長く使うといった考え方や文化は何らか提案し続けていきたいと考えています。宜しくお願いします。


テマヒマ代表/プロデューサー 

太田準



こんばんは。


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発酵食品中心のカフェ、テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


一昨日放送されました「片っ端から喫茶店」(テレビ大阪)をご覧頂きました皆様ありがとうございました!個人的にご感想メッセージを下さった皆様この場をお借りしまして御礼申し上げます。今日は放送後初めての営業でしたが、番組をご覧になってお越しになった方もいらっしゃって、(嫌いな表現を使うと)バズるということもなく、少しは反響・影響がありそうな感じでしょうか?


タイミング的に、地域的に、放送をご覧になれなかった方はYouTubeでもご覧になれますので、ご覧下さい。

みそソムリエの店主(うちの奥さん)が熱くお味噌について語ってる場面や、バイヤー(兼ホールスタッフ)の僕がやたら土鍋を推す場面は、ばっさりカットされていましたが、お店の雰囲気は何となく伝わったのではないかと思います。内容はさておき、うまいこと「編集」してるなぁと感心しましたし、特にロケの翌週にあった物撮りを中心とした追加撮影がかなり重要だなぁとも思いました。


メッセージ頂いた方の中には、織田信成さんとテレビ大阪の上原アナが社交ダンスする場面はカットしてもっとテマヒマを映して欲しかったというお声もありました。ただ、街ブラをしながら喫茶店の情報を収集し訪れるという番組のコンセプトからすると欠かせない場面だったでしょうか。我々夫婦もどういう経緯でテマヒマに来る流れになったのか?というところが一番気になって見ていたところでした。


芥川商店街界隈を知る超ローカルな人だけはこの場面であれ?って思ったり、いやいや!って突っ込んだりしたかと思います。テマヒマの元スタッフ(たまに今もヘルプスタッフ)も流石!気が付いてメッセージくれました。


社交ダンスの先生がおススメした喫茶店って果たして本当にテマヒマだったのか!?疑惑。

先生は商店街抜けたところにある画廊のある喫茶店という言い回しをしていましたが、テマヒマって画廊あったっけ!?その元スタッフはYouTubeも確認して、先生が商店街抜けてと言ったところで指は右を差していたというマニアックな指摘をしてくれました。ちなみにテマヒマは左に曲がります。。。。


テマヒマに来る道すがら(西田酒店の横の細い路地)、信成さんの「もしかしてテマヒマに向かってる?」という発言は、行先を告げられず、スタッフに言われるままに歩いていて気が付くというガチでヤラセは全くない証拠ですが、街ブラしながらたまたまテマヒマを見つけるというところだけは疑惑が残りました。いや、難しいって。たまたまテマヒマに辿り着くなんて!


と言われなかったら気が付かないマニアックな、超ローカルなお話でした。

撮影に至るまでの裏話はコチラ↓

今日のテマヒマはお客様は多くはなかったのですが、ランチタイムスタートからカフェタイム終了直前までお客様が途切れることなく、お近くから遠くは東京や広島の方までお越し頂きました皆様ありがとうございました!

今日からメインテーブルの宮野さとみさんの新着を中心としたスリップウエア特集がスタート、カフェでは夏のスイーツ、味噌あんみつや夏のどら焼きが始まりました。


明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約は3組のみで残り8席とお席に余裕がございます。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした!好い夜をお過ごし下さい。

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プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


兵庫県民芸協会では月イチペースで、民藝40年からの柳宗悦の論考を味わう読書会を開催していますが今日のテキストは「木喰上人発見の縁起」。関連して京都府南丹市にある清源寺にお邪魔してきました。清源寺にある木喰仏を拝見した後、「木喰上人発見の縁起」について本堂で語り合うという贅沢な趣向。


明満上人(木喰上人)は肉を食べず、火を使った調理もしない(今で言えばヴィーガンでロ-フード?)しかも五穀と塩味を絶つという木食戒という修行をしていましたが、60歳を過ぎる頃から一木造の仏像を彫り始め、全国を旅しながら彫り続け、それを奉納していました。今日ご説明下さった住職によれば天明の飢饉や浅間山噴火といった時代背景・社会情勢があったとのこと。


清源寺にやってきたのはその旅の最終盤。89歳の時のこと。93歳没とされているので人生においても最晩年。滞在中の4-5ヶ月の間に28体(実は29体らしい)を彫刻し、そのうちの22体が清源寺におさめられています。通算1000体目もその中にあるぐらいなので、山梨から始まった初期に比べても、出っ張った丸い頬など、微笑みがより特徴的で、作り続けられたことによる洗練(もちろん最大の特徴である素朴さはありつつ)が感じられます。


柳宗悦が「微笑仏」とも呼んだ木喰仏。これまで日本民藝館で拝見したことはありましたが、22体もの木喰仏をまとめて見たのは初めて。奥の羅漢堂で周囲を取り囲むように並ぶお姿は圧巻でした。でも決して強く迫ってくるような感覚は無く、思わずつられて微笑んでしまうような感じ。ウィンクしてるもの、舌を出してるもの、目を見開いてるもの、顔を覆い隠しているものと個性豊かです。


拝観のあと読書会に移ったわけですが、満たされた感覚があって、言葉があまり出てこず、皆さんのお話を聞く、味わう感じでした。スミマセン。


明満上人は身長180センチもあったそう。鬼が来たという表現もあったようですが、90歳近い180センチ、しかもおそらく(長旅で)あまり綺麗ではない身なりだったと思います。既にその名はある程度知られたとは言えかなり浮いていておそらく村人とかは最初ひいたんじゃないかと。一方、時を経てその足跡を追ってやってきた柳宗悦もまた違う意味で浮いていただろうと思います。その二人はどこか似たところ、共通点があったのでは?という意見がある参加者の方から出てなるほどなと思いました。田舎の人はどこかよそ者を受け入れ難いところがあるが、それを受け入れさせた、(悪く言うと)空気の読めなさと、そんなことを越えるパッション/熱量があったのだと思います。


「縁起」というタイトルから連想される「偶然」。この論考を読んでると本当に偶然が重なり、木喰仏が見出され、研究が広がり深まり、おかげでこのように残ることが出来たということが分かりますが(「民藝」も同様ですよね)、それも「熱量」があったから「偶然」が導かれたのでは?とさえ感じます。栁は「私が見出したのではなく、上人に見出されたのだ」といったことを言っていますが、「他力」「与格」「中動態」といったことにも通じるでしょうし、明治以降の近代化で失われた、宗教と美術(というか暮らし)が隣り合わせだった頃にはごく自然な感覚だったのかもしれませんね。


住職が説法で「ありがとう」という気持ちの大切さを仰っていて、木喰仏の笑顔がそれにも通じるというお話をされていました。「感謝」と「笑顔」それを忘れないだけでも色々なことが変わっていくのでは?と思いました。想いがいっぱいになった好い一日でした。


テマヒマは昨日今日、火曜日水曜日で定休日でした。明日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお二組のみでお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。



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高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

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発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


Drink Tickets(ドリンクチケット)の販売開始から約3か月弱となりました。この間、24名の方がご購入頂き、15名の方がOmoiyari Ticketを贈って下さって、9名の方が受け取って下さいました。ありがとうございました!


改めて、ドリンクチケットについてご説明させて頂くと、


Drink Tickets(ドリンクチケット) ¥2200(税込)

(ドリンク4杯相当のお値段で5杯分ご利用頂けるチケットです)

・ご購入頂いた日からご利用頂けます

・有効期限はありません

・ご利用は「原則」カフェタイム(14:00~16:30)です

・1日のご利用は1枚に限らせて頂きます

・箕面ビールは対象外です

・5枚綴りの一番下はOmoiyari Ticket(思いやりチケット)です


■Omoiyari Ticket(思いやりチケット)とは

テマヒマからプレゼントの1杯分は、まだ見ぬ誰かにプレゼントすることが出来ます

テマヒマから皆さんへ、皆さんから誰かに思いやりを繋いでいきませんか?

もちろん自分へのプレゼントにすることも出来ます

自分を思いやることも大事なことですね


■Omoiyari Note(思いやりノート)とは

Omoiyari Ticketを贈る人、受け取る人がやりとりする交流の「場」

言わば交換日記のようなものです。

Omoiyari Ticketを贈る人、受け取る人以外の方も

もちろんご覧頂いても構いません。是非ご覧下さい。


■Omoiyari Tciketを贈る方は

 プレゼントしたい方へのメッセージを添えて

 Omoiyari TicketをOmoiyari Noteに貼って下さい

 (例)子育て中のママさんへ、新しいことを始めた人へ、お味噌が好きな人へ・・・

 ※自分にプレゼントする場合はOmoiyari Noteに貼らずそのままご利用下さい


■Omoiyari Ticketを受け取る方は

 Omoiyari Noteで自分宛だと感じるOmoiyari Ticketを見つけたら、必ず贈って下さった方へのお返事をOmoiyari Noteに書いて剥がしてご利用下さい(レジにお持ち下さい)


まだ始まったばかりで、Drink Ticketsの認知度は低く、こちらからお客様にお声がけすることが多かったり、ご購入下さる方は常連の方が多かったりしますが、自然とDrink Ticketをお買い上げになるようになったり、どなたがOmoiyari Ticketをプレゼントして下さったかも分からなくなった時に、浸透したと言ってよいかもしれません。


やってみて意外だったことを書いておくと、


•ドリンクチケットをお買い求め頂いた方で、Omoiyari Ticketをすぐに使ったり贈ったりせず、次回来た時にOmoiyari Noteを書きますという方が多かったこと

・Omoiyari Ticketだけで無く通常のDrink Ticketもプレゼントしたいという方がいらっしゃったこと(実際にされました)

・Omoiyari Ticketを贈った方受け取った方以外にも、Omoiyari Noteをご覧になって幸せな気持ちになられる方がいらっしゃったこと

•仕組みの説明をすると、「ペイフォワード」「恩送り」「利他」という言葉を出される方が結構いらっしゃったこと

•ご自身の勤める会社や、営む宿やカフェで、参考にして似たような仕組みを導入したいという方がいらっしゃったこと

・Omoiyari Ticketを贈って下さった方で、誰かが受け取ってお返事がOmoiyari Noteに書かれるのを楽しみにしてらっしゃる方が多いこと

・Omoiyari Ticketを贈って下さる方が、受け取って欲しいという思いが強めの送り先を書かれる方が出てきたこと(そして必ずしもその方が受け取る方が多い訳ではないこと)

・見ず知らず同士の一対一のやりとりをイメージしていたら、二対二というパターンも出てきたこと


あたりでしょうか?

あと、贈るより、受け取る方が難しいのでは?という想像をしていて、そういう声も実際ありましたが、初めてお越しになった方が受け取って下さるというのもよくある場面でした。


こんなことが起こるかも?あんなことが起こったらどうしよう?とかって考えるといつまでも始まらないもの。まずは始めてから考えようという感じでしたが、上記の「意外にも」ということも、このDrink Ticket/Omoiyari Ticketの企画を揺るがすほどのことではありません。


一時期、「利他」について書かれた本を読み漁っていました(漁ってたは言い過ぎか)。そしてこのDrink Ticketが始まってから読み返しています。読み落としていたのか、解像度が上がったのか、気付きがあります。


伊藤亜紗さんの”うつわ的「利他」”という文章があって、核心部分を少し抜粋引用すると


”利他とは「うつわ」のようなものではないか、ということです。相手のために何かをしているときであっても、自分で立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持っていること。それは同時に、自分が変わる可能性としての余白でもあるでしょう。この何もない余白が利他であるとするならば、それはまさにさまざまな料理や品物をうけとめ、その可能性を引き出すうつわのようです”


少し前に藤本智士さんの「日々是編集」(テマヒマで現在絶賛販売中!)のご紹介をテマヒマブログ(タイトル:校正)で書きました。我執というか、どこか民藝的でないモノ言いをしがちであることに気づかされたテキストだったのですが、そのタイトルは「編集者というただの器」。東工大の中島岳士さんが様々な著書でよくご紹介されてるヒンディー語の「与格」という文法を紹介しながら、「うつわ」としての「わたし」ということを仰っていました。


モノサシとしての「民藝」と「発酵」。そして哲学カフェやこのOmoiyari Ticketを始めたことにより、今、色々なことが自分の中で繋がりつつあります。まだうまく言語化出来てないのですが。。。。


テマヒマという場がそんな「うつわ」になれないか。「うつわ」としての「テマヒマ」。

「うつわ」はもちろんメタファーですが、実際テマヒマは器を販売する器屋なのですから笑。


プレゼントにとお茶碗と煤竹箸をお買い上げ頂いた方がショップ最後のお客様でテマヒマ本日の営業終了しました。お近くから遠くは鹿児島の方まで、今日も暑い中お越し頂きました皆様ありがとうございました。ランチで満席のためお断りしてしまった皆様申し訳ございませんでした。ランチタイム後半はのんびりゆったりしていたのですが・・・


明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお1組のみで週末にも関わらずお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。








こんにちは。


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発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


開店前の時間、厨房から店に広がるお出汁の香りがするととても幸せな気持ちになります。木曜日だとカレーを温める香りと相まってカレーうどん?カレーそば?みたいな美味しい香り、食欲をそそる香りがします。それがきっかけで出汁カレーもいいね!なんて店主と出汁カレーのお店に何軒か食べ行ったこともあります。いや、そもそも、うちヴィーガンカレーだし!


そんな背景がありつつ、構想してから随分時間は経ち、また内容も変わったのですが本日より新企画スタート!木曜限定メニュー、お味噌汁を選べる味噌ベジキーマカレーセットの発酵トッピングに新たに「鰹節」が加わりました。


鰹節が発酵食品??と思われたかもしれませんが、鰹節には荒節と枯節、本枯節とがあって、枯節・本枯節はカビ付けという微生物の力を借りて作られる工程があるので発酵食品です。


今回使わせて頂く本枯節は、鹿児島県枕崎漁港で水揚げされた鮮度の良い一本釣り鰹のみを使用し、職人が4-6か月もの間カビ付け、天日干しを繰り返し、テマヒマかけてじっくり丁寧に仕上げたものです。熟成された旨味と香りをカレーと共にお楽しみ下さい。


今日はお客様も少なくのんびりとした店内でしたが、お越し頂きました皆様ありがとうございました!早速、本枯節トッピングをお選び頂いた方もいらっしゃってありがとうございます。


そんな中で、食べ歩きを趣味にしてるアスリートの男性がいらっしゃいました。面白かったのは、行った先のお店でお店の人かお客様におススメのお店を聞いて、次に行くお店を決めるという数珠繋ぎ方式でお店を回ってらっしゃるとのこと。テマヒマをおススメして下さったどなたかに感謝しつつ、次のお店の候補を何軒かご紹介しました。その中の一軒はラーメン屋さんの鱗さん。そう言えば、鱗さんの塩ラーメンも鰹節がいい仕事をしてますね。


テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り5席となっています。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。

<情報解禁!>

来週6/24(火)12:05~ テレビ大阪の「片っ端から喫茶店」という番組でテマヒマをご紹介頂きます。

同日朝8:00~YouTubeにも先行してアップされるそうなので、タイミングが合わない方も放送地域外の方もご覧頂けるかと思います。


「片っ端から喫茶店」ホームページ(YouTubeへのリンクあり)

おはようございます。


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発酵食品中心のカフェ テマヒマ

火曜日水曜日は定休日

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


ゴールデンウィーク前のことですが、制作会社を名乗る方から「片っ端から喫茶店という番組があるのですが撮影させて頂いてもよろしいでしょうか?」というオファーがありました。お恥ずかしながらその時点では番組は存知あげなかったのですが、広告費はかけないが広報活動には力を入れるというのがテマヒマの方針ですので、そもそもテマヒマは喫茶店なのか?というのはさておき、OKの旨お伝えしました。そこからしばらく音沙汰が無かったので、きっとそれこそ片っ端からいろんなお店に電話してるんかな?と思ったり、ホームぺージ見たら番組関係者を名乗る偽物について書かれたりして、なんだかちょっともやもやしていました。


ゴールデンウィークの蔵出し市開催中に、制作会社さんからお電話があり、前にお伝えしてた5/8に撮影があります、ただ、街ブラしながらお店に行く番組なのでもしかしたら行かないかもしれません、とのことでした。2020年に三田村邦彦さん出演の「おとな旅、あるき旅」(こちらもテレビ大阪!)の撮影がありましたが、その時と似たような感じですね。「このへんにおススメの喫茶店ありませんか?」って聞いて「テマヒマ」って返ってくる可能性って低そうです。当日カフェタイム終了時間になってもお越しにならないので、やっぱり今日は無さそうかなと思ってたその時、撮影クルーがやってきました。


やってきたのは織田信成さん。ご本人もここ来たことあるけどって言いながら入ってきて、実際聞かされてなかったそうで。テマヒマブログを初期からご覧の方ならご存知の通り、テマヒマのオープニングスタッフのヒロコさんは、信成さんの奥さんのお母さん。信成さんも当時何度かテマヒマにお越しになったことがありました。というわけで、信成さんご本人のほんわかとしたキャラクターもあって撮影はリラックスした和やかな雰囲気で進みました。これも三田村さんの番組同様、長回しだったので、どこがどのように使われ、編集されるか分かりませんが、ドキドキです。


テマヒマの地上波初登場は前述の「おとな旅、あるき旅」で、それ以来5年ぶり。その時はぜんざいとお味噌食べ比べセットが紹介されて、ぜんざい屋さんと思ってご来店されるご高齢の方が続出するというプチ・三田村バブルが発生(コロナ禍により短期間が終わりました)しましたが今回はどんな反応があるか楽しみです。TVerとかだと放送から1週間限定ですが、YouTubeだと半永久に見れるので、じわじわ反応があるのかもしれませんね。親しくさせて頂いてる常連のお客様にコソっと片っ端から喫茶店のお話したら、実はよくご覧になってらっしゃって、喜んで頂いたので嬉しかったです。


サラリーマン時代、OJTを担当した元同僚、言わば直弟子が4人いて、そのうちの一人が昨日テマヒマにお越し下さいました。実に約7年ぶりの再会でしたが、あまりその感覚はなく、ゆっくり話も出来て良かったです。ランチタイムスタートからカフェタイム終了までお客様が途切れることなくお越し頂きました皆様ありがとうございました!


今日明日は火曜日水曜日です。明後日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお一組のみでお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


それでは好い一日を!

こんばんは。


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発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


3-4週間毎にメニューの替わるテマヒマのランチ、お味噌汁を選べるおばんざいセット。前回のメインは密かに7年目にして初登場の春巻き、そして今回も初登場のがんもどき。メニューを決める時に揚げ物は続かないようにとかって考えたりもするのですが、店主(うちの奥さん)が昔どこかで食べた揚げたてのがんもがとても美味しかったのでやってみたいということで決定。がんもっておでんや煮物などお出汁で召し上がることが多いかと思いますが、揚げたての美味しさを楽しんで頂くためにシンプルに出汁塩でお召し上がり頂いています。水切りした豆腐に山芋をつなぎに、テマヒマではひじきなどを和えて、丸め揚げていきますが、お味噌を隠し味に使っているのがテマヒマ流。


以下、Googleさんに聞いた情報をもとに書いていまます(チャットGPTも試してみましたが、あまりよくなくて・・・)


このがんもどき(略称がんも)は、漢字では「雁擬」「雁賽」と書きます。元々精進料理で肉の代替品だったようです。由来としては、カモの一種の「雁(がん)」の肉に似せた「もどき料理」から「雁擬き」になった説とか鳥肉のすり身を丸めた料理「丸(がん)」に似せて作ったからという説とかあります。


それに対して、関西地方では「飛竜頭」(ひりゅうず、ひりうず、ひろうす、ひりょうず)と呼ぶこともあります。これはポルトガル語の「フィリョース」という小麦粉と卵を混ぜ合わせて油で揚げたお菓子の当て字が「飛龍頭」とか「飛龍子」で、「がんもどき」に似ているので「ひりょうず」「ひろうす」と呼ばれるようになったとか。


SNSで軽ーくアンケートとってみても、この関西・関東という分け方でおおよそあってそうな感じでしたがデータが少なすぎて。皆さんの今住む町或いはご出身地ではなんて呼んでますか?



今日は雨の中お越し頂きました皆様ありがとうございました!営業開始後に当日のランチのキャンセル(2人)のお電話があったり、キャンセル連絡も無くお越しにならなかった方達(3人)がいらっしゃったのはテマヒマでは滅多にないことで本当に残念でした。お店への影響以上に他のお客様へのご迷惑になるので本当にやめて頂きたいものです。それでもOmoiyari Ticketをプレゼントして下さる方、受け取って下さる方もいらっしゃって好い一日だったと思います。


カフェタイムにそのOmoiyari Ticketを受け取って下さった方だったり、また別の方とお話していた時に、テマヒマを居場所として感じて頂けてたり(サードプレイス)、本来の自分に返ることの出来る時間と感じて頂けてる(サードタイム)ということを感じられる言葉が出て、テマヒマをやっていて本当に良かったと思います。その(別々の)お2人と話してて、それってお一人でいらっしゃらないとなかなか感じられないことなのかなぁとも思いましたがどうでしょうか?


明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り5席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。








こんにちは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

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プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


毎朝、朝ドラ「あんぱん」を観ています。最近だと「虎に翼」、「ブギウギ」、「らんまん」とかも名作だったと思いますが、今回の「あんぱん」もそう思います。少し前にAIとかロボットについて書かれた文章を読んでた時に、ロボットの形状が人間に近づいていけば親近感より嫌悪感を持つ場合が多く、そうでないものほど感情移入しやすいみたいな論考があって興味深いなと思いましたが、朝ドラも現代が舞台なものより、過去が舞台な方が寧ろ共感があったり、感情移入出来たりするような気がします。勿論過去が舞台と言っても現代的な眼差し、現代につながるテーマがある訳ですが。


「神対応」「神曲」「神回」みたいな表現は、神様を軽んじてる、安売りしてるみたいで、僕自身は使いませんが、その言い方で言えば最近の「あんぱん」では「神回」が続いている気がします。最愛の人の戦死を受けて悲嘆にくれる姿、出征時に実母が子に叫ぶシーン、戦地に行く前の兄弟の会話、どれも役者さん達の迫真の演技で涙してしまいました。死に直面したり、死を近くに感じる時、どうしてもこみあげてくるものが止められません。


そんなんだから?「あんぱん」関連の記事や情報をやたらとグーグルさんが僕におススメしてきます。そんな中で、軍国主義に洗脳されていく主人公に共感出来ない、戦争描写が長すぎるから、離脱する人続出、みたいな記事がありました。SNSの声を拾い集めて構成してるだけの、究極の炬燵(こたつ)記事といってよいと思います。番組を見る見ないを決めるのは視聴者それぞれなので別に見たくないものを無理して見る必要はありません。ただおそらくそういった戦争体験があってこそ、アンパンマンが生まれたのだと脚本家は伝えたくて、丁寧にこの時代のことを描いているのかと推察します。見たいものだけを見るというのは、エコチェンバーとかフィルターバブルとかの中で心地よくなるSNS時代ならではの感覚もあるかもしれませんね。そしてSNSで意見表明したって全然構いませんが、それは主観であり、一意見であって、それで脚本家だったり番組がそれで揺らがないことを願います。飲食店へのお客様のレビューもそうですけど。


営業中にこんなブログが書けちゃうぐらいのんびりとして店内でしたが、ランチタイムを中心にお越し頂きました皆様ありがとうございました。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で満席の為少し遅くお越し頂くのがおススメです。12時以降はお料理の確保予約も承っております。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした!好い夜をお過ごし下さい。

こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


直近書いた、関西よつ葉連絡会の注文用冊子「Life」用の原稿と、兵庫県民芸協会の事務局通信用の原稿を、記録のために転載しテマヒマブログにアップしておきます。ともに自分自身で書いたものではありますが、提出した場合、著作権的なことはどうなるのかよく分かっていませんが、問題があればお知らせ下さい。


ブログも、誰かに読まれてることを意識しなければならないのかもしれませんが、ほぼ独り言的な感じなので、転載する2つは、それぞれ関西よつ葉連絡会の会員さん、兵庫県民芸協会の会員さんが読まれるので、少し緊張気味で書きました。


【民藝と発酵、暮らしに手仕事を】

 テマヒマは大阪府高槻市芥川町の路地裏にある築90年の古民家をリノベーションして2018年10月にオープンしました。「民藝」と「発酵」をモノサシに、食を通して暮らしの豊かさを提案するセレクトショップとカフェです。手前味噌作り、醤油作り、ぬか床作りなどのワークショップ、薬膳講座など食に関するイベントも不定期で開催しています。

 店主の太田智子は、亡き母の看病をする中で食の大切さを知り、発酵食品にはまり、お味噌が好き過ぎて「みそソムリエ」の資格を取得し、それがテマヒマ開店にもつながりました。

 ランチのお味噌汁は3種類のお味噌から選べたり、お味噌汁以外の料理にもふんだんにお味噌を使っていて、ランチやスイーツのメニューを通して、お味噌の多様性、多用性を知っていただきたい、美味しく楽しく学んでいただきたい、そしてご家庭でも取り入れていただきたいと考えています。以前、よつ葉のカタログ「Life」でも「味噌レシピ」を連載していました。食材も安心安全なものを使いたい、お届けしたいという想いから、よつ葉さんを利用しています。

民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書も取り揃えていますので、機会があれば、是非、テマヒマにお越しください。(プロデューサー 太田 準)


【店主 太田智子さんより】

 十勝なかよし会の小豆は自家製あんこに使っています。土鍋で炊いたあんこはとても美味しく、お客様にも好評いただいています。テマヒマでは味噌シフォンケーキや豆乳葛プリンなどに添えてご提供しています。

「読書会に参加して」

先月に続き、兵庫県民芸協会の読書会に参加させて頂きました。今回の課題図書は「朝鮮の美術」と「陶磁器の美」(共に新編民藝四十年)。


読書会の前には関連して、参加者皆さんで特別展「CELADONー東アジアの青磁のきらめき」開催中の東洋陶磁美術館を観覧しました。

モノを見る、書を読む・考える・語る、そして(ランチもご一緒したので)食べるという盛り沢山な一日。

実際にモノを見た後での読書会は立体的になる感覚もありました。


両論考とも書かれたのは1922年で、まだ民藝という言葉も生まれておらず、柳が日本の産地を回ってもいない時期ですが、既に完成している感もあり、晩年の仏教美学に繋がるようなこともあって驚かされます。


前回の読書会では「線の美」ということについて話題が集まりましたが、今回は「悲哀の美」という言葉。東洋陶磁美術館で、朝鮮の器を見て、果たして「悲哀の美」を感じたか??


100年以上も前の文章であり、現代から読み解くというよりも当時に遡ってその時代状況・時代背景を鑑みながら読む必要があり、そこに難しさがあります。柳宗悦の大掴みに捉え、表現する力・才能という話も出ましたが、一方で分かりやすさは、大切なものが零れ落ちてしまう危険性も個人的には感じてしまいます。


個人的にはということで言うと、今に通じること、民藝以外にも通じることを探しているところがあって、

「藝術はいつも国境を越えて、吾々の心を潤してくれる」

「国家は短くとも藝術は永い」

「剣は弱く、美は強い」

「心が機械を支配せず、機械によって心が支配される時、藝術は永く吾々から去るのである」といった言葉にも線を引いていました。

最後の言葉なんかは、機械をAIだったりデジタルだったりに置き換えてみたらどうでしょうか?


この協会の読書会は、作り手、使い手、配り手、様々な立場、年齢も様々な方が参加されているので、視点が広がりったり、深まったりするのが有難いです。

皆さん民藝に共感して集まっていますが、かといって、盲信的に読まない、批判的にも読めるというのも健全に感じます。


何と言っても、期限のある宿題のようなもので、積読(つんどく)にならず読めるのが良いですね。これから読み進めていくのが楽しみです。

(兵庫県民芸協会理事 太田準)


発酵寄りと民藝寄り、飲食寄りと物販より、毛色の違った2つの文章ですが、いずれもテマヒマ関連の文章です。普通の飲食店さんやショップが普段どれぐらい文を書いてらっしゃるかは分かりませんが、テマヒマではこのブログも含め結構常に文章を書いてる気がします。。。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした。好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。






こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


6/8(日)の通常営業開始前、哲学カフェ(正式名:月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」)を開催しました。ご参加頂いたのは11名。当初6名ぐらいかなと始めたのですが前回に続き多数のお申込みとご参加を頂きありがとうございます。お一人お一人の発言量などから考えてどれぐらいが適正な人数かは分かりませんが、机と椅子の関係から12人を定員にしようと思っています。今回の内訳は男性2名、女性9名。年齢はお聞きしていませんが20代~60代ぐらいの幅でしょうか?前回からの引き続きのご参加は7名で、初参加は4名。リピート参加の方が増えていくともしかしたらリラックス感があったり、話が深まったりするということはあるのでしょうか?新たな参加者はウェルカムで、常に開かれた場でありたいと思っています。


今回も、敢えて自己紹介はせずに、皆さんから、聞いてみたい・話してみたい「問い」を発表してもらうところから。年齢、出身、職業、立場などから離れて全員が「対等」な場であるように。多数決により今回は「劣等感とはどういうことか?」に決まりました。多数決以外の決定方法がないか?と前回今回と終了後に参加者の皆さんにアンケートをお願いしているのですが、まだ今のところこれといって良い方法は見つかっていません。ちなみに他に上位で票が集まったのは「恵まれていることに無自覚な人にイラっとしてしまうのはなぜか?」「土産物を買うということはどういうことか?」「命にないものに感情移入してしまうのはなぜか?」


この哲学対話(哲学カフェ)ではそもそも、情報伝達や合意形成、正解探しが目的では無いので、このブログでまとめのようなことを書いても、場の空気感は伝わらなかったり、大切なことがこぼれ落ちてしまう気がします。そしてお一人お一人琴線に触れる部分が違い、感じ方も違う(それが大事!)と思います。


「劣等感」の反対語って?という僕の問いかけに「優越感!」と声が揃ったところから始まりましたが、「劣等感」と「あこがれ」って似てるよね、紙一重だよねみたいな話になり、どちらも「比較」することで発生するけど、その差って何だろう?劣等感には、自分にも出来そう、手が届きそう、自分への期待感がある?劣等感というのは自分の内側からだけではなく、社会や周囲、他者からも生まれる?


「諦めるというのは自分を明らかにすること」「手放す」「自信を持つ」「自己肯定感」「自分を持つ」「自分と他人は違う」「他の強みがある」「いったん自分の頭の中に寝かす/転がす」といった劣等感を回避する方向の話が出たり、


一方で「劣等感を持てるということは観察力があるから」とか「ポジティブな劣等感」ってあるのでは?と前向きに捉え直す発言があったり。


劣等「感」っていうけど、それを感じるのは、気持ちの問題だけでなくコンディションもあるのでは?といった新たな視点が出たりもしました。


様々な参加者がいらっしゃることで、話が色々なところに行ったり来たりしつつ、広がり深まる感覚があります。


このブログを書くにあたって、「劣等感」という言葉をAI・Chat GPTさんに聞いてみました。

「劣等感(れっとうかん)とは、自分自身が他者と比較したときに、自分に不足や欠点を感じてしまい、劣っていると感じる心の状態を指します。これは自己評価が低くなったり、自信を喪失したりする原因となることがあります。

具体的には、次のような状況で感じやすいです:

他人の成功や能力を見て、自分にはできないと感じるとき

自分の欠点や不足を意識してしまうとき

自分に対して厳しい評価を下すとき

劣等感は誰にでも一時的に生じることがありますが、長期的に続くと自己肯定感の低下や精神的なストレスにつながることもあります。適切な自己理解や自己肯定の努力が大切です。」


またグーグルさん、wikipediaさんによると

「劣等感(れっとうかん、英: Inferiority complex)は、自分が他人に劣っていると感じること。劣後感(れつごかん)ともいう。強烈な不平等感を持つ人々を記述するために使用される心理学用語であり、それによって多くの場合、極端な内気、自己隔離、社会的従順などが発生する。劣等感はしばしば、ある人がすべての他人よりも何らかの形で不足している、または劣っているという信念から生じる。

精神分析学の用語としては、ジークムント・フロイトが自著で用いたのが初出で、後に同僚のカール・ユングの著作でも用いられた。古典アドラー心理学の創立者アルフレッド・アドラーは、多くの神経症はこの劣等感を過剰に埋め合わせようとすることにその原因があると考えた。

日本では、一般的に誤ってコンプレックスを単に劣後感を指して用いられることがあるが、心理学用語としてのコンプレックスは、無意識下に抑圧され、固着され、ときに強い感情を誘発する観念の複合体(complex)を指すのであり、劣等感は正しくは「Inferiority complex(インフェリオリティ コンプレックス)」である。

概要

これは主に人間の心(精神)に発生する感覚である。人間は成長の過程で自我を発達させるが、この段階で他人との競争意識が生まれ、その競争面での挫折の結果が劣後感とみなされる。劣後感はこれを抱く人を憂鬱(暗く沈んだ気持ち)にさせるが、同時に克服することで更なる展望を生む。多くの場合、児童や青少年は様々な劣後感を抱いている。しかしそれらは成長途上における苦しみであるといえる。

アルフレッド・アドラーによれば劣等感は、子供の頃の成長環境(たとえば兄弟と比較される)、身体的および精神的な制限、社会的差別の経験(たとえば人種、経済状況、性別による機会不平等)によって引き起こされる可能性があるという。」


だそうです。

どうお感じになられましたでしょうか?

うまくまとまってる!これが正解だよね!と思われましたでしょうか?


仮に何か正解があるとして、その正解に最短距離でいきたい、というのならネット検索やChat GPTでも良いのかもしれません。あと先日の哲学対話の場で出てこなかった視点や切り口も確かにあったので、補足的にAIや検索を使うのはアリかもしれません。でも、ここには出てこないようなことが出てくるのが哲学対話であり、何よりも、考える、聞く、話す、対話こそが、その場やその時間こそが尊いと個人的には思います。


ご参加頂きました皆様ありがとうございました!


次回は7/13を予定しています。是非哲学対話を味わってみて下さい。一回完結ですので、初参加も大歓迎です。ご参加お申込みお待ちしております。


お申込みグーグルフォームはコチラ↓

テマヒマは昨日今日火曜日水曜日で定休日でした。明日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。


6/12(木)

ショップ 11:00-17:00

ランチ 11:30-14:00

カフェ 14:00-16:30


ランチは木曜日ですが、味噌ベジキーマカレーセットではなく、おばんざいセットで、明日から新メニュースタートです。ご予約はお2組のみですのでご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


尚、明日はいつもより1時間早い17時閉店とさせて頂きます。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした。好い夜をお過ごし下さい。

こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


濱田窯(益子)の職人さん高根澤光子さんが(愛称みっちゃん)急逝されました。86歳でした。濱田窯の濱田友緒さんや雅子さんのSNS投稿で知りました。みっちゃんさんとお会いしたのは濱田窯にお邪魔した数回のことなのですが、急なことにショックを受けています(そしてこれほどショックを受けている自分に驚いています)。前週まで元気にお仕事されていたそうなので、本当に急で、ご家族同然だった濱田窯の皆様、濱田家の皆様の心痛は想像するに余りあります。


テマヒマでもお取り扱いさせて頂いています濱田窯のまんじゅう皿。

お客様にご説明する時に、濱田庄司が存命の頃はまんじゅう皿に赤羽まんぢうをのせて来客に出していたこと、毎日100個注文していたらしいこと、と合わせてそれを作る職人さんが高根澤さんというご高齢の女性の職人さん、しかも濱田庄司時代からお仕事されるている方であることをお伝えしていました。みっちゃんさんの情報は基本的には濱田友諸さん(濱田庄司の孫で現濱田窯当主)から聞いたお話ですが、元々女中だったみっちゃんさんは庄司に見込まれて職人さんに抜擢されたとか。


友諸さんから聞いた話で好きなエピソードがあります。みっちゃんさんは濱田窯へバイクで通勤していましたが、ドキュメンタリーの撮影でそのシーンを撮ろうとしたら、爆走しすぎてもう少し遅く走って下さいって撮り直したという話。これもお客様によく言ってたなぁ。


サラリーマンだった自分の父親が定年退職後、老けたというか衰えたのを見ていたせいか、お仕事をし続けてるからいつまでも若い、そしていつまでも若いからお仕事を続けられる、というみっちゃんさんはじめ職人さん達って本当にすごいなと感じています。みっちゃんさんは生涯現役だったということですもんね。


民藝を表す言葉、よく使われる言葉に「無名の職人」ということがあります。

みっちゃんさんは、個人作家でも無ければ、窯主でもなく、窯の一職人さんです。器や箱書きなどにその名が刻まれることはありませんが、晩年はメディアへの露出もあって「有名」になりました。僕は、その器がどんな場所で、どんな人が、どんな風に作っているかを伝える、ヒトとモノ、間接的にはヒトとヒトを繋ぐのも自分の役割だと考えていて、みっちゃんという「名」もお客様に出していました。今後も、まんじゅう皿を観るたびに、伝えるたびにみっちゃんさんを思い出すことと思います。KANさんが亡くなった時も思いましたが、達郎さん言うところの「作品は遺ります」。そしてまんじゅう皿がお客様のもとで使い続けられ、時が経ち、誰が作ったとかも忘れられた時に「無名」へと帰っていくのでしょうね。


昨日、名古屋の方からお電話がありました。以前テマヒマでまんじゅう皿をお買い上げ頂いたそうで、その時僕がお話したみっちゃんのエピソードが忘れられなくて、SNSで訃報を見てご連絡を下さったとのこと。残念ながら現在まんじゅう皿の在庫がかなり品薄なのですがそれでもお取り置きをお願いしたいとのことでした。みっちゃんさんご本人が思ってらっしゃるよりも(いやきっとそもそもそんなこと自体思ってらっしゃらなかったでしょうけど)知られていて、亡くなったことを悲しんいる人が沢山いらっしゃいます。


ご冥福をお祈りいたします。


テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。グーグー藤カレーコラボSpecial Curry Weekも残り2日、木村恭子メイン特集或いはミニ個展も残り2日です。

ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り1席となっていますので少し遅めにお越し頂くのがおススメです。12時以降はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。