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おはようございます。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


水曜日のことですが、今回の高島屋「民藝展」併催の文化催事「柳宗悦が出会った沖縄の美〜琉球の民藝展」(主催:日本民藝館、協力:日本民藝協会)が1週間先行してスタートしましたので、難波高島屋7階に観に行ってきました。焼物ももちろん素晴らしかったのですが、染物、織物が充実していて良かったです。途中途中にある坂本万七による当時の沖縄を切り取ったモノクロ写真がまた良いのです。映像コーナーの「琉球の民藝」は必見です。展示・即売「民藝展」と合わせてご覧下さい。


ちなみにテマヒマブースでは、沖縄の伝統的染色技法「紅型」の作り手・金城千琴さんの作品、沖縄は読谷村北窯で修行した佐藤央巳さん友美さんご夫婦の地元高槻・中ノ畑窯さんの陶器など、沖縄で学んで関西で活躍する作り手もご紹介致しますので、是非お手に取ってご覧下さい。皆様のご来場お待ちしております。


「琉球の民藝」の隣、民藝展が開かれる7階催場を下見した後、前職同期と待ち合わせ呑みにいきました。このブログでたまに登場するWEBセレクトショップを新規事業として一緒に立ち上げた仲間でもあります。吞んでいたら元上司(前社長)がやってきてバッタリ!そんなことある!?って感じですが、辞めた時以来なので8年半ぶりの再会でした。10歳ほど上ですが衰え知らずというか、いい意味でエネルギッシュな感じで、話は本当に多岐に渡りましたが、2018年11月の社長就任(僕は同じ年の3月に会社を離れ、10月にテマヒマを開店)の話は、今だから聞ける、ドラマ化した池井戸潤の小説とかにも出来そうなストーリーでした。きっともはや当事者ではないから面白いんだとも思いますが。


僕が辞める時、仲間の一人が「もう少し上にあがったら見える景色が変わるはずなのに」という言葉で引き留めました。それこそ社長ともなるときっと見える景色は違ってるのでしょうね。上場企業の社長になるだなんてどんな確率なのでしょうか?山から下りて、別の山を上り始め8年(山のたとえが全くしっくりこないですが(笑)、また違う景色を見ることが出来ました。小さな店を始めたことで辿り着いた境地もあります。広く、高くというよりは小さく、深く。。。


民藝運動最初期の陶芸家濱田庄司は、時間に関する至言を沢山遺していて、その一つに「覚えるのに10年、忘れるのに20年」という言葉があります。それ風に「覚えるのに22年、忘れるのに8年」(合計30年は一緒!笑)と言いたいところですが、22年の間に覚えたものを生かしているものもあれば、忘れようとしたものもあります。テマヒマについて、分かりやすく、或いは面白おかしく前職の反動でという説明をすることがありますが、もちろん多くのことを経験させて頂き、学ばせて頂き感謝しています。


自然と古巣への想いを語り合うことになるのですが、「〇〇(会社名)には頑張って欲しい」「恩返ししたい」という二人に対して、僕の感覚が少し違っていることに気が付きました。会社に残る仲間への想いは変わらないものの、8年間に多くの仲間が去り、入れ替わり、違う会社のように感じているのもあるかもしれませんが、今、自分がココで頑張ることが、古巣への恩返しになったり、仲間たちへの励みになるのでは?と考えています。以前テマヒマブログで小泉今日子さんの「過去からの積み重ねで今の自分があるけど、今の自分が輝くことが過去の自分も輝かすことが出来る」というようなニュアンスの言葉を紹介しましたが、それに近い感覚なのかもしれません。


昨日も、元同僚(先輩)がテマヒマに遊びにお越し下さってました。8年経ってもお越し頂けること、関係が続いていることに感謝です。あの頃は良かったねという昔話ではなく、イマココの話が出来ることにも感謝です。


ブログタイトルは「再会」としてみましたが、去年高島屋さんの催事「つなぐ、つながる、民藝」にも同名タイトルでブログを書いていました。思い出すとちょっと泣ける話を書いていますが、催事って、出会いや再会の場、時間でもありますね。

そんな(ってどんな?笑)高島屋「民藝展」大阪会期開幕まであと4日。テマヒマの今月の通常営業も残り2日です。通常と言いつつ今日は店主(うちの奥さん)不在で僕とスタッフ2名(いつもは夫婦とスタッフ1名)の体制です。


今日もこの後11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り7席とお席に余裕がございます。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。


それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を!

こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


昨年3月に、上野の国立科学博物館に特別展「古代DNA〜日本人のきた道〜を観に行きました。古代人の骨からDNA分析・ゲノム分析により分かってきたことをまとめて展示でしたが、朝鮮半島からやってきた弥生人がそれまでの縄文人を駆逐して入れ替わっていったのではなく、また縄文人、弥生人という単一・均一な人達がいたわけでもないということでした。地域性もあり、変化もグラデーションがあったり。縄文人のDNAも現代の日本人に受け継がれていて、例えばアイヌや沖縄でその比率が高い、というのは興味深かったです。そもそも日本人とは!?ということも考えます。


その感覚があったので、先日放送された「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?(びっくりはてな)」の人類史3.0「人間とは何者か!?~私たちの中に“古代人類”が生きている?」という回を拝見しましたが、内容に驚くよりも、すっと入ってくるというか、番組のメッセージに共感がありました。


ざっくり内容をお伝えすると、こちらも最新のDNA研究などにより、昔、教科書とかで学んでいたような「人類の系統樹」みたいなものは誤りで、ホモ・サピエンスがアフリカから各地に移動する中で、ネアンデルタール人など他の人類を滅ぼしながら、唯一生き残ったのではなく、各地で他の古代人類と交雑しながら、その土地で生きていくのに適したDNA、遺伝子を獲得しながら、広がり、増えていったというもの。我々現代人の中には古代人類のDNAも含まれいるというものです。タモリさんや山中さんが、「我々は最後に残った人類なのだからこれからも残らなければ」「人種とか国とかは本当に小さな違いでみんな仲良くしなければ」(意訳)と仰っていたのは本当にそう思います。


民藝や発酵をモノサシにすることで、テマヒマブログでこれまでよく書いているように、思想的に捉えることで、中動態的・与格的とも言える「他力性」「作為の無さ」「我執から離れること」或いは「多様性」や「寛容さ」を導けると考えています。そしていよいよ高速化する現代において、緩やかな時間の流れを取り戻すということもあると感じています。時間を信じるというか。


山際壽一先生の著書「共感革命」に関連して「遊動」というタイトルのブログでも書きましたが、何か物事を見る時、考える時、別の視点から捉えるのと同様、長い時間軸で捉える、俯瞰して捉える姿勢は重要だと考えますが、人類史を知る、学ぶというのもそうだと思います。弥生人と縄文人、ホモ・サピエンスと他の古代人類と、二項対立的に捉えるよりも、「グラデーション」で捉えるというモノの見方・考え方というのは、他にも生かせると思いますが、いかがでしょうか?


難波高島屋での「民藝展」大阪会期開幕まであと5日となりました。高島屋さんとのやりとりも急速に密になってきています。そしてて民藝展三日目、発酵デザイナー小倉ヒラクさんとのトーク「民藝と発酵~生きるためのモノサシ」までちょうど一週間です。事前打ち合わせ無しのガチンコトーク。どんな内容になるかワクワクドキドキです。そして今海外にいらっしゃるヒラクさん無事帰国されるのをお待ちしております(^^)


テマヒマは今日もこの後11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り9席とお席に余裕がございます。


それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を。

おはようございます。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


2000年代初頭、勤めていた通販会社はまだ業績も悪くなく、また今のような円安でもなく、ラッキーにもパリやニューヨークにアパレルや服飾雑貨の仕入のため出張するという経験をさせてもらいました。インポーターさんの現地シッパー(現地でブランドと交渉したり輸出業務をして下さる方)に「あなたはモノを選ぶ時に(カタログで)どう表現するかを考えながら選んでいるのね。だから出来上がりビジュアルがしっくりきて美しい」と褒められました。パリのホテルで(時差ぼけもありつつ)パズルのように考えてたら寝れなくなってしまったのも今はいい思い出です。バイヤーの仕事をしつつ、カタログの企画・編集も担当していたので、そういう癖がついていたのだと思います。ビジュアルが先で商品が後。


テマヒマを独立開業して、手仕事の世界では、通販ビジネス、ファッションビジネスとは納期の考え方が大きく違うこともあり、商品が先、ビジュアル(陳列)が後という風に大きく変わりました。あとカタログ通販にしろECにしろ二次元の世界でしたので、リアル店舗で三次元の世界に変わりました。が、どう見せるか、どう伝えるかということの重要性は変わりません。


まだまだ先だと思っていた、高島屋の3年に1度に催事「民藝展」大阪会期の開幕がちょうど1週間後の9/16(水)と迫って参りました。現実感が出てきて少し緊張して参りました。今回の品揃えについては出品をお願いする各作り手にお任せしています。ある程度の方向性、予算感はお伝えしていますが、作り手の皆さんの今が伝わるものということでお願いしています。ギリギリまで窯焚きして下さっている作り手もいらっしゃって有難いことです。荷物もテマヒマを経由せず催事場に直送して頂くので開梱が終わるまで全貌は分かりません。陳列も出たとこ勝負、ぶっつけ本番。展示用什器はおおよそで百貨店さんに依頼しているので、頭の中でパズルをしてたら、昨晩寝れなくなってしまいました苦笑。パリのホテルではなく高槻の自宅です。考えてもしょうがないんですけどね。


テマヒマブースでは、主に関西で活躍する作り手を中心にご紹介します。他の老舗工藝店や、先輩手仕事店では扱いのない、民藝展ではフレッシュなラインナップ。皆さん僕とほぼほぼ同年代。配り手としてのテマヒマは8年目でまだまだ若手ですが、作り手の皆さんはまさに今油が乗っている時期と言ってもよいのではないでしょうか?


翁再生硝子工房

大阪交野市でガラスを吹く森岡英世さん。中ノ畑窯の佐藤さんからのご紹介がご縁のきっかけでした。再生ガラスならではの独特の柔らかさ、レトロ感が魅力です。吹きガラスというとぼってりとしたものが多い中、翁再生硝子工房さんの作品は繊細さがあります。「民藝」という文脈で取り上げられることは少ないかと思いますが、佇まいが美しく、暮らしに馴染む器で是非ご覧頂きたいと思います。昨年の高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」に続いての出品。代表作といってもよいワイングラスを中心にお願いしています。


河井達之(猿子田窯)

滋賀県で作陶されている河井一喜・達之さんご兄弟は開店当初からお取り扱いさせて頂いています。ご兄弟で作風も性格も全然違うのが面白い。鳥取の岩井窯山本教行・房江さんご夫妻との出会いがテマヒマ起業のきっかけになったことはテマヒマブログでもこれまで触れてきましたが、達之さんは山本さんのお弟子さんです。今回は「練り上げ」(異なる色土を組み合わせて模様の入った生地を作るテマヒマかかる技法)にフォーカスしてご準備頂きました。おそらく今回の民藝展で練り上げは唯一?初日にふらっと在店頂くかも?ちなみに兄・一喜さんは銀座たくみさんのブースでの出品です。 


金城千琴(こはな工房)

普段テマヒマではお取り扱いはありませんが、昨年、難波高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」でご一緒したご縁で、今回出品頂きます。7月にはテマヒマでワークショップをお願いしました。鮮やかな色彩が印象的な沖縄の伝統的染色技法「紅型」(びんがた)の作り手。傘やバッグ、小物などバリエーション豊かにご用意頂きます。民藝展の横で、「柳宗悦が出会った沖縄の美~琉球の民藝~」が今日から始まりますが、沖縄気分を盛り上げながら、お立ち寄り下さい。尚、民藝展内の金城さんの紅型体験ワークショップは全回満席となっています。


木村恭子

三島手は、半乾きの土の表面に印花を押して模様を彫り、その凹みに白い化粧土を塗り込んでから拭き取るテマヒマかかる技法。テマヒマでいつかお取り扱いしたいと思っている中でSNSで富山県砺波市の木村恭子さんと出会いました。実際会ってから、実際モノを観てからという考えでお互い一致していたので、お取り扱いは工房にお邪魔してから一昨年から。木村さんの作品をご覧になれるのは富山以外ではテマヒマが初めてでしたが、百貨店でも今回初めてです。おそらく今回の民藝展で三島手は唯一?9/18,19に在店頂ける予定です。


小島紗和子

貝殻の内側にある虹色に輝く真珠層を薄く削り出し、漆器や木地などの表面にはめ込んで装飾する伝統的な技法「螺鈿」。小島紗和子さんはお父様の雄四郎さんのお仕事を受け継ぎました。螺鈿というと少し縁遠い印象を持ってしまいますが、紗和子さんがモチーフにするのは現代的で、女性らしい可憐さがあります。「私の頭の中です」と仰るお仕事場を拝見させて頂きましたがそこに蒐集された国内外の民芸品の数々がクリエイティビティの源泉なのですね。テマヒマでは常設ではなく、これまで百貨店催事の時のみスポットでお取り扱いさせて頂いています。人気の裁縫箱や、山口和声さんとの共作「螺鈿陶額」シリーズもご準備下さいました。ちなみに椅子職人小島優さんはお兄様です。


中ノ畑窯

沖縄は読谷村北窯で学び、地元高槻・北部山間地域で作陶される佐藤央巳さん・友美さんご夫妻。定番を極めたいという央巳さん、色々新しいモノにもチャレンジしたいという友美さん。個人作家とも職人さんを抱える窯元とも違う夫婦ユニットというのが個性となっています。やちむんをベースにしつつもお2人のスタイルに進化しています。ご自宅兼工房にお邪魔すると、暮らしと仕事が隣り合っていることを実感します。実はこの夏、薪窯を再建されました。ご苦労もあったようですが、今展では、前の窯での最後の作品と新しい窯での最初の作品とが並びます。初日、在店して頂けるかも?


山口和声

三重県伊勢市で、お祖父さまの味噌蔵をリノベーションして作陶されている山口和声さんも岩井窯山本教行さんのお弟子さん。旧知でしたがお取り扱いが始まったのは阪急百貨店の「民藝と暮らす」展(コロナ禍で中止)がきっかけでした。スリップウェアの作り手は全国各地にいらっしゃいますが、和声さんの描くスリップウェアは、色合いも含め優しく、柔らかく、お人柄そのものです。タイトル画像は「民藝展」のイメージビジュアルで、SNS等でご覧になられた方もいらっしゃいますでしょうか?こちらは高島屋大阪店バージョンで、左端中央の八寸皿は和声さんのもの。この質感のものも人気です。


ちょうど先程、高島屋さんから会場全体の図面が届きました。これまでテマヒマブースのみ確認していたので、改めて今回の催事の規模に身が引き締まります。


いよいよ来週9/16(水)本番開幕!

これまで物販での催事出店は僕一人でしたが、今回は店主(うちの奥さん)も店頭に立ちます。錚々たる他の配り手の皆さん、作り手の皆さんとともに、心より皆様のお越しをお待ちしております。期間中、高槻のお店はお休みを頂きます。催事終了直後9/22~29の8日間は8周年直前!蔵出し市8DAYS開催で、物販のみ営業です。


テマヒマは昨日今日火曜水曜で定休日です。明日9/10  11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り4席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を。


おはようございます。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


店頭でお客様によく聞かれる質問の一つに、「これは全てオーナーが買い付けに行ってるのですか?」というのがあります。近くは高槻から小鹿田(大分)、伊賀、瀬戸、益子など全国各地の器が並んでいるのを見て驚かれてのことかと思いますが、基本直接仕入にお邪魔して選ばせて頂いていて、一部は注文でお願いしています。暫くお邪魔出来ていないところもあるので、また回りたいところです。ちなみにオーナー=店主だとしたら、それはうちの奥さんのことです。いろいろな呼ばれ方をしますが、ご主人とかは慣れましたが、マスターって呼ばれるのはなんだかくすぐったいです笑


あとはどういう基準で作り手を選んでいるのか?というのもあります。実際に自分達で使って良かったもの(の作り手)、原則実際に作り手に会いに行ってお話した上でお取り扱い・お取引を開始しています。それこそサラリーマン時代、その後それが生業になるなどとは思わず、趣味で窯元巡りをしていて知り合った作り手の方達を中心に、その後は「ご縁」でどんどん広がっていった感じです。以前ブログにも書いたように、自店の実力以上のバリエーション・ボリュームの作り手と作品が並んでいるのが悩ましいところです。

話はサラリーマン時代、ちょうど20年前に立ち上げたWEBセレクトショップの話に遡ります。初期テマヒマブログ,8年前、「繋手」という回で書いた話です。知識や経験が無い中、徒手空拳、想いや衝動だけで始めちゃうという構造は、考えてみればテマヒマ起業時と全く同じ。何ら成長がありません汗。


お取り扱い・お取引ブランドに関して当初、あるアパレルの社長Oさんが紹介して下さって、その候補リスト(お友達リストとも言えます)を片っ端からご連絡し、一軒一軒訪問して広げていきました。個性的なブランドが揃い、点から面になってそのWEBショップ自体の知名度や集客力が上がって、全体として売上が盛り上がることで、結果的にOさんのブランドの売上が上がるということはあったかもしれませんが、直接的なメリットは無く、言わば無償の愛。友情みたいなもの。アパレルにとってはECの黎明期だったのできっと面白がってくれたんだろうと思います。その時に参加して下さった別のアパレルの社長Yさんと今年、8年ぶりに再会しましたが、太田さんのおかげでネットに興味を持ち出すきっかけになったっと仰っていました。そんなカッコいい、漢気のあるアパレルの社長さん達との「ご縁」に今も感謝していますし、Oさんには恩返し出来ていないなぁという気持ちがずっとあります。Oさんのブランドや会社はもうありません。


3年に一回開催される高島屋の催事「民藝展」。今日で日本橋店での2週間に渡る東京会期も最終日です。昨日テマヒマに遊びに来てくれた陶工の河井一喜さん(銀座たくみさん通して出品)によるとかなり盛況だったようで、SNSでもそれが伝わってきます。あと銀座たくみさん、くらしのギャラリーさん、テクラさん、遠近さん、配り手同士の友情も。

いよいよ来週16日から難波店での大阪会期が始まります。テマヒマからは、中ノ畑窯(高槻/陶器)、翁再生硝子工房(交野/吹きガラス)、河井達之(滋賀/陶器)、山口和声(伊勢/陶器)、小島紗和子(丹波/螺鈿)、金城千琴(宝塚/紅型)、木村恭子さん(富山/陶器)、関西で活躍する作り手を中心にご紹介します。皆さんこの催事に向けて制作を進めて頂きました。いや今も進めて頂いています。是非ご期待下さい!皆様のお越しをお待ちしております!


今回、大阪会期では初めての試みとなる、ワークショップやトークイベントも開催されます。昨年「つなぐ、つながる、民藝」という催事に参加した経験から、高島屋さんに強く進言して実現しました。その流れもあって金城千琴さんの紅型体験ワークショップ、鷺珠江さん・濱田琢司さんのトークイベント、小倉ヒラクさんと僕のトークイベントを企画、というかアテンドさせて頂きました。「ご縁」を繋ぐ仕事。企画料とか頂くわけではなく無償。催事自体の魅力が上がって、集客力が上がって、全体としての売上が盛り上がって、結果的にテマヒマの売上、各作り手の皆さんの売上が上がればと思います。あれ?さっきも書いた?20年前に似てる?


Oさんに恩返しは出来ていないままですが、恩送りは出来ているといってよいですかね?


テマヒマは今日もこの後11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り1席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約も承っております。

尚、本日はいつもより1時間早い17時閉店とさせて頂きます。


それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を。


こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


自分が亡くなった後、お葬式やお墓をどうするかを亡くなる前に決めている、という人はどれぐらいいるものでしょうか?5月に亡くなった義兄のような場合だとあまりに急過ぎて全く考えてもなかったでしょうし、今から20年前に亡くなった母は病室のベッドで、亡くなったら着物やバッグ、宝飾品はこうして欲しいと謎に細かくメモを遺しましたが、でも葬儀やお墓のことにまでは至りませんでした。


今年93歳になられる上皇様の将来の葬儀について規模を大幅に縮小する方向で宮内庁が検討していることが分かった、というニュースが報道されました。国民生活への影響を小さくしたいという上皇様の意向を受けた対応で、従来の皇室のしきたりは踏襲しつつ、時代の要請も踏まえながら簡素化するとのこと。皇太子時代、平成天皇在位時代(生前退位も含め)から、国民に寄り添う姿勢を貫かれ、象徴天皇とは何かを体現されようとされた上皇らしいお考えだと思います。このタイミングで報道されたのは、国民不在で、男系男子にこだわって、旧宮家からの養子縁組を認める皇室典範にみられる、現政権のマッチョな姿勢・体質へのアンチテーゼと捉えるのは考えすぎでしょうか?天皇には政治的権能が認められてないので発言は難しいかと思いますが、生前退位の際に上皇様(当時は天皇)がお気持ちを述べたように、政府が皇室の皆さんに皇位継承や皇族数確保について非公式に意向をうかがうということはあってもよいのではないでしょうか?今上陛下や秋篠宮様は言外にお気持ちを述べてらっしゃる気もしますが。。。


父が亡くなった時はミニマムな家族葬でしたが、現役の義兄の葬儀ではお仕事関係の方も多く参列して下さり、以前ブログでも書きましたが、亡くなることで人を出会わせる、繋げる役割もあるなと感じました。上皇が亡くなられて海外の要人が葬儀に参列することでそこに外交が生まれるかもしれませんし、式年遷宮ではないですが、儀式により伝統なり技術なりが継承されることもあるかもしれないので、縮小には賛成ですが、ある程度の規模はあった方がよい気もします。それにより国威を示そうというマッチョな姿勢では決してなく。


店頭に立ってお客様とお話していて、「断捨離しなアカンからなぁ」という言葉が出ると、「断捨離を最初に提唱された方は、”捨てる”ではなく”選ぶ”ということを言いたかったようですよ」というお話をしています。が、「終活せなアカンからなぁ」という言葉には、なかなかそれを乗り越えてまで器や道具をおススメすることは出来ず、キラーワードとなっています。死の話をしているから、キラーという訳ではありません(苦笑)。その方にとって価値があるものも、遺された方にとっては価値を感じないということは往々にしてありますもんね。。。


この話の流れなので、タイトル画像はお墓感ありますが、灯篭です。開店に合わせてお庭は8年前に全面的に植栽は替えましたが、灯篭や飛び石はそのまま。建物は昭和初期、築90~100年の古民家をリノベーションしましたが、この灯篭はいつからあるのでしょうね?


閉店間際に雑誌民藝が旅立って行ったところで、テマヒマ本日の営業終了しました。久しぶりに雨もやみ、ランチタイムを中心に沢山の皆様にお越し頂きありがとうございました。


明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り1席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした、好い夜をお過ごし下さい。

こんばんは。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


先日まで、阪神百貨店1F食祭テラスで開かれてました、小倉ヒラクさんpresents発酵マーケット第五回。大盛況にも関わらず(大盛況過ぎて?)実は今回で最終回とのこと。昨日、百貨店の催事責任者の方がテマヒマにお立ち寄り下さったのですが、そう言えば、ブログでは達郎さんのライブのことで終わってたことに思い出し、少し書き留めておきたいと思います。と言いつついつものようにどんどん脱線していくわけですが笑。


お邪魔したのはイベント初日の昼過ぎ。発酵食品がバラエティ豊かに並び、沢山のお客様ですごい熱気でした。特筆すべきは青山ブックセンターによる選書棚。ヒラクさんの「発酵文化人類学」「日本発酵紀行」「アジア発酵紀行」「僕たちは伝統とどう生きるか」、最新刊「日本人の発酵史」は勿論のこと発酵関係の本がずらり。発酵からの連想で並ぶ様々な本のセレクトが絶妙で、興味津々でした。後で、ポッドキャスト番組「ラジオただいま発酵中」の青山ブックセンター店長の山下さん出演回(公開収録)を聴きましたがとても面白かったです。書店の立ち位置の変化もですが、セレクト/キュレーションということについても考えさせられます。是非聴いてみて下さい。


僕が、linne(リンネ)(の今井翔也さんともお話出来て楽しかったです)のクラフト酒片手に聴かせて頂いた同番組の公開収録は、蛍池の味噌ラーメン専門店みつか坊主の店主・斉藤光典さんゲスト回。みつか坊主さんは梅田にあった時は何度か、蛍池には一度行きました。味噌ラーメン専門店と書きましたが、今やラーメン以外の発酵食品にも広がっていて、発酵仲間としていつか何かご一緒したい感じ。トークの中心は、斎藤さんが昨年から手掛ける「惑星のウドンド」というお店のお話。とても硬いうどんらしいですが、麺を茹でるところから完全セルフ、無人で、24時間営業。長時間労働、利益率の低さという飲食店の当たり前(不都合な真実)への挑戦で、テマヒマにおいても継続性の観点で大きな課題。新しい資本主義を目指すという意味では、アプローチは違えど、志は共通している気がします。


このイベント5日目には講談社現代新書の編集者・今野正悦さん(女性です!)が登壇。実は彼女がヒラクさんに「伝統についての本を書きませんか?」という長文のメールを送ったのがきっかけでこの本が生まれました。お店があって行けず、こちらもポッドキャスト(チャンネル名は大阪スケジュール)で追っかけで聴きました。「僕たちは伝統とどう生きるか」のお取り扱い前に今野さんとはメールではやりとりしていましたが、お声を聴くのは初めて。これまた素晴らしい内容だったので、是非聴いてみて下さい。昨日のその百貨店の催事責任者の方とも話していたのですが、まだ入社3年目ですが、かなりの逸材!!に感じます。実は講談社さんとは前職でコラボ誌を出していたことがあり担当していたのですが、雑誌だったり、ファッションだったりという違いもあるとは思いますが、随分「編集者」のイメージが変わるぐらいでした。


編集者・今野さんが、「ぼくたちと伝統とどう生きるか」の中で思わず涙したという文章を、ヒラクさんに促されて朗読するという場面がありました。


『岸に寄せられた鵜飼舟のうえで、鵜飼と二羽の鵜がとなり合っている。鵜飼は鵜を必ず二羽ペアにして育てる。夫婦ではなく、生涯をともにするバディ。このバディを「かたらい」と呼ぶ。

かたらいは、傍らにいることであり、語り合うことである。「かたらい」にすることによって、孤独を防ぎ、お互いに助け合って漁をする。そんな二羽の鵜がとなり合って何かをかたらっている。(略)

一人の鵜飼と、二羽の鵜がとなり合って、かたらっている。たいした話じゃないかもしれないし、かけた言葉が返ってくるとは限らない。でもそれでいいのだ。向かい合えば、返事が欲しくなる。自分の言っていることを相手が理解しているのか確かめたくなる。

しかし「かたらい」はそうではない。向かい合わずにとなり合って、一緒に川を見ている。大事なのは対話ではなく、一緒の目線で身体を動かして漁をすることなのだ。そのために、言葉で対話のできない鵜とかたらい、水底にいるアユとかたらい、川という自然とかたらう。

意識は向かい合うか、あるいはまったく触れ合わないかしか選べない。

しかし身体は、向かい合うこと無視することもなく、ただとなりあうことができる。理解し合うことがなくても一緒に何かをすることができる。』


改めて良い文章だなぁ。『向かい合えば、返事が欲しくなる。自分の言っていることを相手が理解しているのか確かめたくなる。』ホンマそう。今野さんの声を通して聴くとさらに心に沁みてくる感じがありました。本を読む時に声を出して読むことはほとんど無いですが、声に出すのって良いかも。富山のとなみ民藝協会では、兵庫県民芸協会の月イチ読書会とは違って、声に出して読む、「輪読会」をされているそう。それも良いかも。


ヒラクさんと今野さんのトークでは、この「向き合うのではなく隣り合う」ということがテーマの中心になっているように感じました。ふと、テマヒマの月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」(哲学カフェ)を思いました。定員12名(来週13日の第十七回目は残り2席です!)が車座になってるので、正面の人は向き合うことにはなりますが、感覚としては全員が隣り合っている感じ。哲学「対話」と呼んでいますし、もちろん言葉を使っているのですが、お互いを理解し合うとか、何か合意形成や正解探しをしようしている訳ではありません。実際約1時間半を経て持ち帰るものは参加者お一人お一人全く違っているのではと思います。だからこそ尊いのでは?と。


9/16から高島屋の催事「民藝展」が始まります。催事3日目、再来週の今日、9/18(金)14時から、小倉ヒラクさんと僕とで「民藝と発酵~生きるためのモノサシ」というテーマで「かたらい」ます。前打ち合わせは一切無し。どのような話になるかワクワクドキドキです。定員は着席20名様でイベントの30分前より先着順で座席券の配布があるようです。トークタイトル(通りになるかどうか分かりませんが)にピン!ときた方は是非お越し下さい。


小倉ヒラクさんのその「僕たちは伝統とどう生きるか」が売り切れてしまったり、ドリンクチケットの販売が累計99人になったり、思いやりノートが2冊目に入ったりしつつ、テマヒマ本日の営業終了しました。のんびりとした店内でしたが、雨の中お越し頂きました皆様ありがとうございました。この雨、長く続きそうですね。。。


明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り7席となっています。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


サラリーマン時代のことですが、2006年から約4年東京に住んでいました。新規事業としてWEBセレクトショップを立ち上げたのは自分の意思でしたが、会社の命令による転居。取引先のブランドもほとんど東京でしたし、仕事のサイクル的にも東京の方が合っていたので、今考えると当然と言えば当然だったのですが、急な辞令で驚いたのを覚えています。出張で東京にはしょっちゅう行ってても、住むとなるとどんな感じだろう?当時の仕事を辞めて一緒に行くことに決めたうちの奥さん(のちのテマヒマ店主)はどんな気持ちだったんでしょうか?


東京に引っ越してきてすぐ、敢えて!家でお好み焼きをしようと、近くのスーパーに買い物に行き、「天かす」下さいって言ったら通じず、「天かす」も通じない町で暮らすのかと思いました(東京では揚げ玉です)。ですが、「住めば都」とはよく言ったもので、住みはじめると慣れるもの。「住んでるのが都」やしねというネタをよく言ってました。そうなんです。「住めば都」という言葉にはそもそも都が上、地方が下という前提がありますよね?本当に東京の方が住みやすいのかしら? いや、言葉が生まれたのはまだ京都が都だった頃でしょうか?


大阪都構想と関連してるとしか思えない維新のゴリ押し副首都法案に対して、京都府知事が「京都はな、もともと都どすよってに、副首都なんかには立候補しぃひんのですわ」と京ことばでは言ってませんが、表明したのはちょっとカッコよかったですね。妙な皇室典範改正されるさかい、いっそ天皇さんに都にお戻りいただいたらどうどすか?(笑)


枕が長くなり過ぎないように、そろそろ本題に入ります。


J:COMさんの「住めばMIYAKO」という番組で、本日からテマヒマをご紹介頂いています。関西の素敵な街を再発見しながら、最新の住宅事情も学べる一粒で2度おいしい番組(企画書より)。放送日・時間ですが、水木(9/2,3,9,10)は21時~、土日(9/5,6,12,13)は7時半~。時間的にも地域的にも限定されてしまうと思いますが、YouTubeでもご覧頂けます。

撮影は2週間前。その前週にディレクターの方が急にいらっしゃって決まりましたが、打ち合わせは0(ゼロ)。なので、いつものようにうちの奥さん(店主)だけが出演するつもりでいたら、当日僕もピンマイクを付けさせられて。えっ!?って顔をしている僕を見て、厨房で奥さん大爆笑。店主は慣れたものでしたが、僕の方は・・・。そんなところも含め?お楽しみ下さい。それにしてもレポーターの豊福海央のボキャブラリー豊富な食レポは素晴らしかったです。


テマヒマとともに、紹介されていたのは足立農醸さん。結果的に高槻の発酵カルチャー案内のような番組になっていました。足立農醸さんは高槻の富田団地でクラフト酒を造ってらっしゃいますが、大阪初のクラフト酒醸造所であり、日本初の団地醸造所です。残念ながらまだお邪魔出来ていないのですが、先日小倉ヒラクさんpresents発酵マーケット@阪神百貨店でライチ果汁を使ったクラフト酒を購入したので呑むのが楽しみです。


NHK「ほっと関西」の「関西うまいもん」のコーナーは、お店の名前が出てなかったこともあってお客様の来店にほとんど影響はありませんでしたが、テレビ大阪「片っ端から喫茶店」再放送(8/20)は少し影響があるように思います。今回の「住めばMIYAKO」はどうでしょうか?ご覧になった方はまたご感想をお聞かせ下さい。


テマヒマは昨日今日火曜日水曜日で定休日でした。明日9/3(木)11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間のご予約はお一組のみでお席にかなり余裕がございます。現時点ではご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も1日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

こんばんは。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


松岡正剛さんの『日本文化の核心~「ジャパン・スタイル」を読み解く』を読んでいて、漢字の語源を考えたり、同音異字、或いは似寄りの言葉を考える、ということが思考を深め、進める際に重要な役割を果たしてるように思います。「侘び」と「詫び」とか、「まなび」と「まねび」とか、「あわれ」と「あっぱれ」などなどなどなど。


第十二講「市と庭~庭・お金・支払に込められた日本社会の意外性」。庭といえば小倉ヒラクさんにもおススメされた批評家・宇野常寛さんの「庭の話」も読まなきゃと思いつつ、それはさておき、市、市場経済の話を。


松岡正剛さんよると日本が貨幣経済になったといっていいのは南北朝から室町時代で、それまでは貨幣はあったが、お米が貨幣代わり。幣(へい)とは神々への捧げもののこと。なので銭洗いしたり、神社でお賽銭したりすると。民俗学者の小松和彦と経済人類学者の栗本慎一郎による対談『経済の誕生―富と異人のフォークロア』から、日本において「支払い」とは「お祓い」であったと。その流れで、電子通貨は実体貨幣ではなくて、しだいに情報貨幣になりつつあるとも述べていて、ふと電子決済と、現金決済、そしてテマヒマでのOmoiyari Ticket(恩送りチケット)について考えていました。日経の私見卓見に投書してから恩送りチケットの経済的な意味を考えています。ここで言う情報貨幣は、決済データ・購買履歴などのビッグデータが情報として売買されるという意味ではなく、お金そのものの存在の仕方が紙幣や小銭といったフィジカルからデータに変わったことだと思います。身体性がない分実感が無くなっていきます(pay payなどで、実体がない分、決済「音」や確認メールが安心や信用を演出してるのは意外と重要かも)


モノやサービスと貨幣とを交換する資本主義経済においては、支払いが済むと関係性・縁が切れます。デジタル決済は感覚的にはよりスパッと切れる感じ。それに対してチケットを贈与するテマヒマの恩送りの仕組みにおいては、じわっと関係性・縁が生まれ、繋がり、続き、循環していきます。私見卓見の寄稿文にコレ入れておけばよかったなと投書してから思いました。心や気持ちがめぐることが目的ですが、お金もめぐっています。


6月に東京に行った時に、前職で立ちげたWEBセレクトショップ時代にお世話になったアパレルの元社長とひょんなことから再会することが出来ました。8年4ヵ月ぶりだったのですが、ローカルだったり、手仕事だったり、食だったり、意外にもお互いの興味関心が近接していて驚きつつ盛り上がりました。テマヒマの恩送りのチケットについてもお話したのですが、それって「関係性経済」ですよね?って言われて、なるほどそうだなと思いました。


コロナ禍の頃、飲食店でこういったドリンクチケットの販売がちょっと流行っていたと思います。テマヒマでは導入しませんでしたが、お客様としては前払いすることで自分の行きつけのお店を応援・支援することが出来る、お店側としては当座の運転資金・現金を得ることが出来るという目的があったと思います。テマヒマのドリンクチケットも同じ効果はあるものの、関係性は、お店とお客様の間というよりは、お客様と見知らぬ誰かの間(結果としてのお客様とお店の間)という違いがある気がします。


テマヒマ一店舗だけでなく、他店と連携しながら広げることも頭の体操で構想したこともあるのですが、どうしてもお店間の換金の問題が出て、現金〇〇円分ということになってしまい、ドリンク1杯分というのとは違った手触り、お得感が強く出てしまうなぁと(4枚分の料金で5枚綴りというのを20%お得と決して書かないのも同様です)。なので塊を大きくするより、小さな塊が沢山出来ることを願って、投書してみたという経緯です。


さて明日から高槻市のプレミアム商品券「スクラム高槻・地元のお店応援券」、第8弾がスタートします。始まった当初はコロナ禍で、地元の飲食店をはじめとした小さなお店の支援といった目的があったと思いますが、今だと物価高騰対策という感じでしょうか?

今回は1月14日まで4ヶ月強と期間も長く、1世帯4口(従来比2倍!)まで購入出来ます。 1口2000円で5000円(デジタルだと5500円)と2.5倍以上のプレミアム率でお得!

テマヒマでは、紙商品券もデジタル商品券も、青券(飲食店•小規模店舗応援券)も赤券(全店舗共通券)もご利用頂けます。勿論、飲食でも物販でもご利用頂けます。


前段と打って変わって、お得情報!?という突っ込みは無しでお願いします。

高槻ローカル情報で失礼しました。


テマヒマ本日8月最終日のの営業終了しました。暑い中お越し頂きました皆様ありがとうございました。明日明後日は火曜日水曜日で定休日です。明々後日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお1組のみでお席にかなり余裕がございます。現時点ではご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。カフェのご予約もありがとうございます。


それでは木曜日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。



一冊のノートが紡ぐ、利他の循環

        テマヒマ代表・バイヤー(みそソムリエ)太田準

行き過ぎた資本主義や効率化・画一化に対しオルタナティブを探す動きや議論が昨今盛んだ。大阪府高槻市の路地裏にある、民藝と発酵をテーマにした古民家ショップ&カフェの「恩送りチケット」の事例を紹介したい。

 この仕組みは、およそ四枚分の料金で五枚綴りのドリンクチケットを販売することから始まる。一枚分は言わばお店からのプレゼントだ。購入者は自身でお得に使ってもよいし、店内にあるノートに「子育て中の人へ」などと宛て先と手書きのメッセージを添えて貼り、未だ見ぬ誰かに贈ることもできる。お返事を書き残せば、受け取ったチケットでドリンクを楽しめる。

 これまでに、送り主が「かつての自分」に宛てて書いた手紙が、今まさに悩む誰かの心に届き、涙する姿もあった。誰かの過去が、別の誰かの今を救う。リアルでは出会わない二人が、交換日記のようなノートの中で緩やかにつながる。主語の小さな物語が綴られ、「自分は一人ではない」という共感と安心を分かち合う。昨年四月に始めたこの取り組みの購入者は間もなく累計百名に達し、閲覧自由なノートも一冊目が終わろうとしている。

 カフェはサードプレイス(第三の居場所)とも言われ、社会的属性を脱ぎ捨てて「何者」でもないことが許される時間だ。恩送りのノートでも、参加者は名を無くして手紙をしたためる。これはSNSの匿名性とは似て非なるものだ。遊び心を持った参加から思いがけず利他や善意が引き出され、温かい経済の循環が広がる。それはまるで手前味噌仕込みのようだ。 大豆と麹と塩と混ぜ合わせ、仕込んだ後は、目に見えない微生物の働きに委ねる。プレゼントをしてからお返事が届くまで半年以上かかることもざらだ。待てなくなっている現代人が、ゆったりとした時間の流れを取り戻す。時間を信じて待つというのもまさに発酵的な営みである。

 同時期に始めた「哲学カフェ」も、自己紹介をせず属性を脱ぎ捨て、持ち寄った「問い」について対等に対話する場だ。ノートが善意を引き出すなら、哲学対話は思考を引き出す。かつて民藝運動が、西洋化や機械化のカウンターとして始まったように、民藝的、あるいは発酵的な考え方は、デジタル化が一層進み、コスパ・タイパ一辺倒の現代社会のモノサシになり得ると考える。この温かい経済の形が全国へ広がっていくことを願っている。



おはようございます。


暮らし、味わう。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


冒頭の文章。テマヒマブログをいつも読んで下さってる皆さんなら、太田さんまたいつもと同じようなこと言うてはるでって感じでしょうか。それとも、いつもと文体が違うけどどうしはったん?って感じでしょうか。

実は、日本経済新聞の経済教室のオピニオン欄「私見卓見」に投書したものです。投稿から1ヵ月経ったので、テマヒマブログで公開します。忘れた頃に採用連絡とかきちゃったら即刻このブログ消します笑。まだ諦めてへんのかい笑。民藝運動の柳宗悦は雑誌「工藝」や「日本民藝館」というオウンドメディアだけでなく、新聞や雑誌で積極的に発信してましたもんね。


お隣茨木市にある海老フライ武藤さんのところにお邪魔した時のことを「変動」というタイトルのブログで書きましたが、その時、代表の武藤北斗さんが「投書」し(て採用され)た記事が店内に掲示されていて、その手があったか!と閃きました。Omoiyari TIcket/Omoiyari Noteを初めてから一年のタイミングの4月に、無料のWEBプレスリリースをしてみたものの、どこからも取材依頼が無かったというのもありました(意外と根に持つ?しつこい?笑)


日本経済新聞は、言わずとしれた超メジャー経済紙で、結婚した99年から購読しています。企業を離れ、個人事業主・自営業になった今も読んでいますが、日経の論調と自身の思考がズレていると感じることが多くなってきています。現状の資本主義、経済論壇のデュアルスタンダードとして、贈与的なもの、利他的ものを投げかけてみたい、民藝的な、発酵的なモノサシを投げかけてみたい、という想いがありました。テマヒマブログを読んでらっしゃる方ならお気づきかもしれませんが、僕自身の完全なオリジナルなどというものは無くて、この文章の言葉の端々に、例えばクルミドコーヒーの影山知明さん、発酵デザイナーの小倉ヒラクさん、政治学者の中島岳志さんや、若き民藝研究家の佐々風太さんの影響も垣間見れる気がします。


投稿した後、AIさんとこの投書文について、何度か対話してみました(投稿前ちゃうんかい!?笑。例の調子でAIさんは、素晴らしい論考で震えましたとか、きっと採用されます的な感じで褒めてくれるわけで(話半分で聞きつつ、でものせられたりしつつ)、不採用だとしたらどういう理由か聞きました。


①お店の宣伝と受け取られる可能性

  筆者名以外には店の名前を入れていないのですが、具体的に書かないと伝われないし、具体的に書けば書くほどそのように取られてしまうかもしれず難しいところです。恩送りの仕組みによる宣伝効果/売上影響は殆どありませんが、それを殊更協調すると取り組みの意義を矮小化してしまうことにもなってしまいます。

②小さなお店の特別な美談として取られる可能性

  ミクロな話でマクロ経済には影響がないとか、エッセーとしては美しいが経済論としてはどうか、といったこともAIさんは言っていました。そうなんです!テマヒマだけでは本当にとても小さなこと。テマヒマだけでしか出来ないことではなく、きっとどんなお店でも出来そうなことなので、他のお店でもやりませんか?広げていきませんか?という提案なのです。


日経の論調とは随分毛色が違うので、AIさんはだからこそ日経は取り上げるべきと寄り添ってくれるわけですが、それこそが不採用な理由だと冷静に分析しています。日経系のテレビ東京の番組「カンブリア宮殿」さんがリニューアルして少し前に木村石鹸さんが取り上げられたりしていたので、少し潮目が変わったかな?と一縷の望みを持ったりしていました。もしこの投稿が載っていたら日経の度量というか、それこそ潮目の変化だと思います。

っていうか、日経新聞に投書する自営業者ってね笑


投書は不採用になりましたが、日経さんは勿論、日経さんに限らう、冒頭の原稿をご覧になってピン!ときた方!、取材したい!というメディアの方も大歓迎です。あと、うちのお店でも、恩送りの仕組みをやってみたい!という方も大歓迎です。お気軽にお問合せ下さい。


今日で8月も最終日。この後11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間はご予約で残り1席となっています。


それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を。


さて、現在、高島屋の催事「民藝展」の東京会期@日本橋高島屋、開催中ですが、いよいよ9/16(水)からは大阪会期@難波高島屋スタートです。9/18(金)の小倉ヒラクさんとのトークイベント「民藝と発酵~生きるためのモノサシ」どんな内容になるでしょうか?ドキドキワクワクです。

おはようございます。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


高島屋さんで三年に一回開催される「民藝展」。昨日から、日本橋高島屋での東京会期が始まりました。テマヒマが参加する難波高島屋での大阪会期は9/16。3週間後スタートです。会期3日目には、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんと「民藝と発酵~生きるためのモノサシ」というテーマでトークイベントをしますが、昨日はそのヒラクさんによる第五回目の「発酵マーケット」@阪神百貨店に行ってきました。夫婦一緒に家を出たのですが、うちの奥さんはイベントに直行、僕はその前に、山下達郎シアターライブPERFORMANCE1984-2012を観に行ってきました。再アンコール上映ですので僕は2012年,2019年に続いて3回目になります。3回目なのに新しい発見や感想がありました。


山下達郎・竹内まりや夫妻のアルバム(CD)では全て買って持っていると思うのですが、先日発売された、まりやさんのDVD「souvenir 2025 ~mariya takeuchi live~」はパスしました。CDは繰り返し聴きますが、DVDって意外と繰り返し見ないんですよね。昨年大阪城ホールに観に行ったコンサートはとても良かったんですけど、きっとDVDは1回観たらそれで終わりってなってしまうと気がして。達郎さんのライブDVDが出たらどうするだろう?


3回目のシアターライブ、最高でした。なんだったらちょっとうるうると涙していました。これは3回目にして初めての感じ。50を越えて涙腺が緩くなったんでしょうか?(笑)。映画館だと、自宅でテレビやPC画面で見るのと違った大画面・大音量の迫力があって、実際のライブに近い没入感があります。ライブでは全体を見る感じですが、シアターライブは達郎さんはじめミュージシャンのアップの映像が普段見れない部分も見えますし、歌詞がより伝わってくるというのも新しい発見でした。


ジャニー喜多川氏による性加害問題が発覚し報道が過熱される中、ご自身のラジオ「サンデーソングブック」の中で、考えを述べるということがありました。改めて内容を確認しようと思ったら、全文をネットに掲載するという奇特な人がいらっしゃいました。「性加害が本当にあったとすれば、それはもちろん許しがたいことであり、被害者の方々の苦しみを思えば、第三者委員会等での、事実関係の調査というのは必須であると考えます。」とした上で、自身とジャニー喜多川氏、ジャニーズ事務所、ジャニーズのタレントとの関係を語ります。その中で、達郎さんは「ご縁とご恩」ということを言っていて、ジャニー喜多川氏を擁護していると、その後ネットで叩かれます(達郎ファンの僕も少し言い回しで気になるところはありました)。終盤の方に「・・・忖度あるいは長いものに巻かれていると、そのように解釈されるのであれば、それでも構いません。えー、きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。」という発言があって、それがさらにSNS民に火をつけることとなります。達郎の音楽はもう聴かないとか、達郎のCDはもう棄てるだとか。きっと達郎さんの音楽を聴いてきた人ではない気がします。


今回のシアターライブでMCはカットされているのですが、♪希望という名の光 の中でブリッジで想いが語られます。この曲は、東日本大震災を経て、映画の主題歌として書かれた時とは違った意味がそこに付与され愛されるようになったとした上で、自分の楽曲は誰にでも愛されるものではないけれども、自分の曲を聴いてくれる、ライブに足を運んでくれる、目の前の皆さんのために、小さな火を灯すように、歌を贈り続けたい(ちょっと意訳)と。


運命に負けないで

たった一度だけの人生を

何度でも起き上がって

立ち向かえる

力を送ろう

どうぞ忘れないで

移ろう時代(とき)の中から

あなたを照らし続ける

希望という名の光を

あなたを照らす光を

希望という名の光を


先程ご紹介した達郎さんのラジオの炎上した終盤の発言も、誰にでも理解されようとすることよりも、目の前にいる人を大切にしようという想いに他なりません。実際ライブでも、シアターライブからも、今ここに来ているお客様を大切に届けたいという想いが溢れています。


お店をやっていて、もっと皆さんに知って欲しい、届けたいという想いがあり、なかなかちゃんと届かないという気持ちもあります。でも、今日お越し下さるお客様、その時間を大切にい続ける、日々を重ねていくことこそが尊いのだ、ということを改めて思い起こさせて頂きました。達郎さんからいつも、音楽で感動して、それ以外の何かを持って帰らせて頂いてます。テマヒマでもお越しになった目的とは違った何かを得てお帰り頂けますように、小さな火を灯してお帰り頂けますように。


8/10に萩原健太郎さんの「にっぽんの美しい民藝」第二版にテマヒマをご紹介頂き、来月16日からは高島屋の民藝展出店。

8/20に「片っ端から喫茶店」(テレビ大阪)再放送があって、9/2から「住めばMIYAKO」(J:COM)の放送が始まります。

もう何年か抽選に落ち続けてきた達郎さんのライブに、民藝展が終わった直後、蔵出し市開催中の9/24に参戦してきます。そして10/14に37年ぶりの達郎さんのライブアルバム「JOY2」が発売されます。

なんかBIG WAVEが来てる気がするんですよねぇ。この勢いでもう一つ期待していることがあるのですが、もうすぐ一か月経つのでそちらは難しそうです。


テマヒマは本日から営業再開です。この後11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチも現時点ではご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。


それでは好いモノ、好いこと、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を。


こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー、バイヤーの太田 準です。


もはや夏休み読書感想文と化しているこのテマヒマブログですが苦笑、今回は『共感革命ー社交する人類の進化と未来ー』(山際壽一/河出新書)。山際先生はテマヒマブログでも何度か登場していますが、意外と単著を読むのは初めて、帯に「認知革命」の前に人類最大の革命)があったとあります。もちろんそれが「共感革命」というわけですが。


今月の月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」(哲学カフェ)でも「共感について」というテーマで対話が繰り広げられました。初めて(日本在住の)外国の方が参加して下さったので、「共感」って英語で何って言うのでしょうね?と途中で質問しました。共感という言葉が明治以前から日本にあった言葉なのか、外来語を翻訳して出来た言葉なのか、別の言語は考えることで何か気付きはないかな?という意図でした。英語で「共感」は「エンパシー」。「シンパシー」は「同情」。山際さんによれば共感は相手に共鳴し(※言葉の前に音楽があり、踊りがあった)相手の気持ちがわかること。シンパシーは共感の上に成り立つもの。共感と認知とで言えば、共感能力は相手の気持ちを感じること、認知能力は相手の考えや意図を知ること。本来それぞれ違う能力を発達させ合体させ、相手を思いやる気持ちと行為「コンパッション」を生み出した。


本書のほとんどは、進化について、人類の歴史、そして人類と類人猿他との違いについてあてられていますが、やはり気になったのはそれを踏まえて山際先生が現代をどう見ているか、未来をどう予想しているか。何点か気になったことを抜粋してご紹介したいと思います。


・「第二の遊動」時代の到来

狩猟採集から農耕牧畜へと移行したことで、定住し、所有の概念が生まれ、平等では無くなった。ちなみに牧畜のある地域では人間と家畜の差別化があり、人間を家畜のように扱う=奴隷が生まれたとしています。科学技術のさらなる進展により、「遊動」の感覚や生活を甦らせてくれる。人をある場所に引き止めておく縁(日本で言えば地縁、血縁、社縁)がなくなりつつあり、ヴァーチャルな縁で動く時代になった。所有物を貯めることによって自分の価値を高める時代から、その人の行為が価値を表わす時代になってきた。


・世界を制するプラットフォーム

文化は、その土地の徳性と結びつき、人間と土地、気候などの環境との関わり合いによって生活習慣として出てくるもので、権力を必要としないが、文明を築くには権力や政治組織が必要となる。そして情報を集め、情報を操作して利用しようとするIT企業は公的権力組織ではないが、様々な文化のあいだをフラットにつなぐことで、見えない権力が生じ、情報文明による中央集権的な社会となった。情報の大流出によって文化は消失した。


・生成AIのディストピア

人間は言葉の獲得によって、感じる動物から考える動物に変わった。言葉は世界を切り取って名前を付け、それらを組み合わせて物語化し、その物語を共有することによって文化をつくり上げ、巨大な虚構を築いた。Chat GPTに代表されるAIは人間が抱いた様々な疑問や質問や理念に対し、答えを見つけてくれるものになりつつある。そうなると人間は徐々に考えなくなるだろう。人間が追求してきた便利さとは効率化と生産性だから、考えることに時間を使うのが無駄、無用に思えて、すぐに答えが欲しくなる。本来人間は、情報にならない、言語化が困難な、感覚や感性を経て答えを導こうとするが、AIは過去の情報から無理やりにでも答えてしまおうとする。AIを使えば使うほど人間は情報によって動く機械になるだろう。感情の部分と知識の部分から成る脳が、だんだん情報に侵蝕されていき、情報にならない感情(共感を含む)はAIに無視される。


少し前のテマヒマブログで自身のサラリーマン時代の「ノマド感」を吐露したことがありますが、遊動の感覚に少し救いはあるものの、プラットフォームに支配される、AIに支配される世界に暗澹たる気持ちになります。。。



テマヒマでは、「発酵」を通して、時間を信じる、ゆるやかな時間の流れを取り戻すということをお伝えしています。何か物事を見る時、考える時、別の視点から捉えるのと同様、長い時間軸で捉える、言ってみれば俯瞰して捉えるということの大切さをこの本からも教えられます。


冒頭で述べた哲学対話や 恩送りノートの活動は、昨年4月から始まったものですが、言葉を使ってやりとりしているものの、デジタル化やAI化に抗うように、感情や感性を大切にすることなのかもしれません。國分功一郎さんの言葉を文字って、「哲学対話のない時代は不幸だが、哲学対話を必要とする時代はもっと不幸だ」ということを書いたこともありますが、今、「対話」的なものが求められる時代だと思います。


テマヒマの夏休みも本日で終了。明日から営業再開です。

11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半,12時のお時間のご予約はお2組のみでお席にかなり余裕がございます。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした、好い夜をお過ごし下さい。

こんにちは。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


『日本文化の核心~「ジャパン・スタイル」を読み解く(松岡正剛/講談社現代新書)』読了しました。寝る前の布団読書だけではなかなか進まずに夏休みに入って一気に。あとがきで正剛さんが言うには講談社現代新書に書き下ろすのは「知の編集術」以来20年ぶりとのこと。「知の編集術」は、企画力向上ということで前職でオンラインで受講した講座のテキストでした。前職も今も「編集」ということは仕事に大きく関連しています。それこそ20年以上ぶりに読み返してみようかな。


前書きの中に、「日本文化はハイコンテキストで、一見、わかりにくいとみえる文脈や表現にこそ真骨頂があるのです。わかりやすさを求めればいいというものではありません。」という一文があります。独自の方法論で日本文化の本質を見通す「松岡日本論」の集大成。という帯の「集大成」という言葉に惹かれてこの本を選んでおいてなんですが、現代は出来るだけ最短距離で、効率的に「答え」に辿り着こうとしがちですし、分かりやすさを求めがち、そのために大事なことが零れ落ちてしまっているように感じます。短文のSNSを中心に繰り広げられる罵倒する世界にはもはや日本文化のハイコンテキスト性は存在しない気もします。


続けて前書きから一部抜粋してのご紹介ですが、『日本文化の正体は必ずや「変化するもの」にあります。神や仏にあるわけでもなく、神や仏が「変化するところ」に日本文化の正体があらわれるのです。それはたいてい「おもかげ」や「うつろい」を通してやってくる。これがジャパン・スタイルです。』視点としては、松岡正剛さんがよく仰ってるデュアルスタンダード、二項同体思考も貫かれているように思います。


前半、結構な分量で、古事記や日本書紀、日本の神話についての記述があります。神話ですから史実ではない。でも全くの空想でもないでしょうから、その物語が生まれた背景や文脈、そこに込められた意味や精神性から、日本文化の日本というものを読み取ろう、読み解こうとしています。


皇室典範改正にあたって、保守系(本来の保守ではない)というか右寄りの人たちが、男系男子にこだわる根拠として、神武天皇以来とか、皇紀2600年とかということをさかんに主張していました。神話の世界をそのまま受け取っていることもどうかと思いますし、そもそも「皇紀〇〇年」とかということがどういう文脈のもとで言われ出したのか、どういう意味をそこに込めようとしたのか、ということを読み解けば、本当に危険なことに思えてなりません。日本の伝統と言えば言うほど、伝統から離れていきます。松岡正剛さんがご存命だったらどういう態度をとられたでしょうか?


『今日の日本社会はコンプライアンスに惑わされ、監視カメラと賞味期限に縛られ、安全安心なことろでしか仕事ができないようにしています。(略)自粛なのか、自己規制なのかはわかりませんが、多くの現象や表現が衛生無害なものに向かっていて、(略)これは「監視社会」で「忖度社会です』(第十一講かぶいて候ーいまの日本社会に足りない「バサラ」の心意気)


『ネット社会による「いいね」文化の拡張のせいか、日本の反知性主義の蔓延のせいか、コンプライアンスと情報公開主義の定常化によるのかどうかは、にわかには判断しにくいけれど、私の実感ではこのところの日本の情報文化は「わかりやすさ」のほうに大きく流れていっていると思います。』(第十四講ニュースとお笑いー「いいね」文化の摩滅。情報の編集力を再考する)


といった現代日本への批評は共感するところも多く、何度も読み返したい本です。

前書きで、日本文化を理解するための必読書として、柳宗悦「民芸とは何か」以外に、村田珠光「心の文」、九鬼周蔵「いきの構造」、岡潔「春宵十話」、山本憲一「利休にたずねよ」、岩下尚史「芸者論」、中村昇「落語哲学」を挙げてらっしゃいます。民藝を理解し考えるのに、民藝以外のことを知ることが大事だなと思っています。松岡正剛さんのサイト「千夜千冊」でまずはチェックしてみよかな。そういうところがアカン言うてはるんやで!(笑)。まぁ何も読まないよりは良しとさせて頂きましょう(笑)


テマヒマは引き続き夏休みを頂いています。

8/27(木)11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。


それでは今日も好い一日を。