正解
こんばんは。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
一昨日ですが♪ミソドソ(味噌同窓会)を開催しました。初めての試みでしたが、今年1-3月の手前味噌作りワークショップご参加の皆様がお味噌を持ち寄り食べ比べする企画。42人の卒業生の中から当日お2人のキャンセルはあったものの8人がご参加下さいました。
まずは好きなお味噌汁の具やお味噌料理を交えて自己紹介をして頂きつつ、お味噌の食べ比べ。同じ材料、同じ作り方でも、(常在菌や保管場所など環境によって)こんなにも味が違うのか!?と皆さん驚いてらっしゃいました。どれも美味しい美味しいと仰いながら。
その後は、味噌ソムリエの店主より、お味噌の使い方や味噌汁の楽しみ方について、ちょっとしたレクチャーを。皆さん関心の高い内容だったのかとても熱心にメモを取ってらっしゃいました。
最後に手前味噌作りを経験したことで何か変わったことはありますか?という店主の質問に皆さんにお答え頂いたところで終了しました。とても和気藹々とした雰囲気で好い会となりました。ご参加頂きました皆様ありがとうございました!
ここまではほぼイベント終了後にアップした内容。
手前味噌作りワークショップを開催した際に参加者の方からよく出た質問が「いつ出来ますか?」ということ。店主(うちの奥さん)の答えは確か「ひと夏は越して頂いて美味しいと感じたら完成です」だったと思います。僕的には美味しいという基準が人によって違うこと、環境などによって発酵・熟成の進み方が違うことから「正解は無い」というのが答えだと思います。兎角正解を求めがち、失敗を恐れがちな今、お味噌作りを体験することで何か考え方が変わるヒントにならないだろうか?五感を使うことの大切さ、みたいなことを♪ミソドソの〆にに伝えたらどうだろう?という話を事前にしていました。
以前まいまい京都さんのイベントで僕がお話させて頂いた内容が下敷きにはあるのですが、発酵と腐敗というのは実は同じ現象でその別は人間にとって有益かどうか。同様に善玉菌、悪玉菌というのも人間側の見方であって、菌が善や悪と考えて活動している訳ではありません。善玉菌の代表のように言われるビフィズス菌が実はアルツハイマーの原因になるという研究記事を読んだこともあります。発酵や菌を身近に感じることで、少しモノの見方・考え方が変わるのでは?と思っています。お味噌を仕込んで出来るまでに約半年。追われるような日々とは違う時間の流れがそこにあり、待つ楽しさもあるかと思います。お味噌作りやぬか床作りでやっていることは、菌が働く環境づくりであり、あとは菌に「任せる」そして「待つ」。以前書いたようにそれって企業などの組織運営だったり人材育成にも通じるのでは?とも思います。多様性や寛容さといった今社会に求められていることが、手前味噌作りから導かれる。しかも観念的ではなく、作る・食べるという実践の中で。たかが手前味噌作り、されど味噌作り。
当日、店主は「正解は無い」という言葉ではなく「すべて正解」という言葉を使っていて、後ろで聞いてて素晴らしいなと思いました。参加者の方にもきっと刺さったと思います。お味噌の食べ比べをした際、全部味が違う、でもどれも美味しいと感じ、皆さん言葉にしていたばかりなので。
参加者の感想の中に「お味噌は買うものだと思ってたけど、自分で作れるんだ」「自分で作ったお味噌は美味しい」「愛着が湧く」などといった言葉もあって、手前味噌作りワークショップを続けてきて良かったと改めて思いました。手前味噌作りは初めの小さな一歩ではないかとも思います。
というわけで、来年2025年も手前味噌作りワークショップは引き続き開催して参ります。初めての方が多いですが、何年か参加して下さる方もいらっしゃいます。年末か年明け早々にお知らせしますので是非奮ってご参加下さい。きっと♪ミソドソもまた開催します。
テマヒマは昨日今日と火曜日水曜日で定休日でした。明日11/14 11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。
それで明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。
今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。
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