歴史

こんばんは。


暮らし、味わう。


民藝と発酵をモノサシに

食を通して暮らしの豊かさを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

明日1/5まで年末年始休み!

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


昨年2021年は真珠湾攻撃、日米開戦から80年

ということで、太平洋戦争を扱った番組やド

ラマがよく放送され見たような気がします。

戦争を止められるタイミングは何度かあった

のに戦争に至ってしまう、負けると分かって

いたのに戦争に突き進んでいってしまう、

ロナ敗戦という言葉を使ったり、コロナとそ

れとを重ね合わせる論もよく見ました。


歴史は、新しい遺跡や資料などが発掘、発見

されたりして、書き換えられることも多々あ

ります。有名なところでは、教科書に載って

た足利尊氏の肖像画は実は別人だったとか、

最近の子供の見てる恐竜と、僕が子供の頃の

恐竜とでは姿も違ってたりします。


あとは、誰のどの視点から歴史を見るか、で

大きく変わるというのもありますね。歴史が

変わっていくのは、まさに歴史は現在を映し

出す、という側面とも言えます。


年末年始の課題図書として、志賀直邦さんの

「民藝の歴史」を再読することを密かに掲げ

ていましたが、なんとか読み終わりました。

志賀さんはご存知の通り銀座たくみの社長・会長を長らく務められ、一昨年亡くなられた

ました。叔父は志賀直哉。以前読んだ時より

は多少なりとも知識も増えているので、読み

進みやすく、新たな発見があったり、また点

と点がつながる感覚もありました。


志賀さんが丁寧に描いているのは、民藝運動

が、柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎、バーナ
ード・リーチといった誰もが知る有名な人々
だけでなく、(白樺時代から含め)それに呼
応するかたちで参加した、各地域に多く人々
の存在。作り手、配り手、そしてパトロンと
なった財界人・経済人・新聞社の人などなど
。その歴史は、一本の線ではなく、複数の線
が同時に走り、重なり、広がっていく、そん
なイメージでしょうか?

モノ、思想としての魅力だけでなく、魅力的

な人も多かったからこそ、そして、それぞれ

の人が「歴史」を意識することなく、それぞ

れの立場でそれぞれの役割を果たし繋いでい

った結果、100年(正確にはまだ100年ではな

い)という民藝の「歴史」となっていったの

だろうと思います。


民藝が生まれた頃と現代とでは、時代も社会

背景も大きく違っています。その中で、今も

なお民藝に多くの人が惹きつけられるのは、

このブログでも何度か書いてきたように問題

意識として共通するものが当時と今とである

からだと思いますし、また同時に、時代に囚

われない、時代を越え得るものがあったから

だと思います。


民藝を扱う店を始めて4年目。兵庫県民芸協会

の理事になってもうすぐ2年目。民藝の歴史の

中の、端の方の細い線に加わった自分が出来

ることを、学びの途上の自分だから出来るこ

とをやっていきたいと思います。


テマヒマは明日まで年末年始のお休みを頂い

ています。明後日1/6(木)11時オープンで、初

売り蔵出し市にて皆様のお越しをお待ちして

おります。

それでは、好い夜をお過ごし下さい。


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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01