老兵
こんにちは。
暮らし、味わう。
民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
「生物はなぜ死ぬのか?」
というこの本のタイトルの問いは、
死は生命の連続性を維持する原動力なのです。(略)
生物はミラクルが重なってこの地球に誕生し、多様化し、絶滅を繰り返して選択され、進化を遂げてきました。その流れの中でこの世に生まれてきた私たちは、その奇蹟的な命を次の世代へと繋ぐために死ぬのです。命のたすきを次に委ねて「利他的に死ぬ」というわけです。
という一文に要約されると思います。先日、
番組「立花隆最後の旅」について竹藪という
タイトルでまとめましたが、その中で紹介さ
れていたインディオの「人間は死ぬために生
きてるのだ」という言葉にも似ています。
別の言い方ですが、同じく抜粋•要約すると、
遺伝子の変化が多様性を生み出し、その多様
性があるからこそ、死や絶滅によって生物は
進化し、その過程で様々な生き物が様々な死
に方を獲得してきた。
進化が生き物を作ったということは、生き物
が死ぬことも進化が作ったと言える。(略)
食う、食われる、あるいは世代交代による生
と死の繰り返しは生物の多様性を促す、とも
ヒトの寿命については最近百年で2倍になって
います。生理的なものではなく社会情勢の変
化であり、主には栄養状態が良くなったこと
公衆衛生の改善(により伝染病が減ったこと)が理由です。
細胞レベルで言うと、皮膚が4週間、血液が4
ヶ月、骨が4年で細胞は全て入れ替わるそうで
す。細胞分裂の際に、細胞の老化して死なな
いと、細胞の入れ替わりが起こらないので、
どんどん古い細胞が溜まっていく、時間とと
もに細胞の中身の構成成分は劣化していきま
す。
まるで組織等においてよく言われる「老害」
にも似ていますね。「老兵」は消え去らなけ
ればならないのですね。
免疫細胞の老化による免疫力の低下や、組織
の細胞の機能不全が、つまりヒトの老化で、
やがて死に至ります。癌は、細胞分裂を繰り
返すことでゲノム変異が蓄積することで癌化
のリスクが高まり、細胞増殖のコントロール
に関わる遺伝子に変異が起こると制御不能に
なって増殖し続け、転移して全身に広がり、
正常な組織を壊してしまいます。
立花さんが癌は避けられない病だと言っていたのもそういうことですね。
死をこのように生物学的に定義し、肯定的に捉えることはできますが、ヒトは感情の生き物です。(略)
(自分という存在を失う)恐怖から逃れる方法はありません。この恐怖はヒトが「共感力」を身につけ、集団を大切にし、他者との繋がりにより生き残ってきた証なのです。
と述べていて、少し救いではありますが。
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