復元

おはようございます。


暮らし、味わう。


民藝と発酵をモノサシに

食を通して暮らしの豊かさを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


コースターは売り切れてしまった為、ランチ
ョンマットのみの展開となっています丹の布
さん。主宰の大谷由美子さんによる丹波布の
お話会に参加してきました。兵庫県民芸協会
の勉強会として開催されましたが、丹の布さ
んで今週末11月13日まで開かれてます「時と
ともに」展の関連イベントでもあります。

柳宗悦に見出され、のちに「復興」された丹
波布。手紡ぎ、草木染め、手織りを特長とし
ていて、優しい色合い、柔らかな風合いがあ
って手仕事ならではの美しさがあると思いま
す。
一方で、丹波布の復興について書かれた本を
読みながら、柳が見出した古丹波布と、復興
されたそれとは同じなのだろうか?というこ
とも頭にありました。使いこまれ、洗いざら
されるうちに変わったということは置いてお
いても。
大谷さんは、幕末の頃の丹波布に魅了され、
範としてらっしゃいます。そして「復元」と
いう言葉を使って、その頃の生地の美しさを
追求・探求されています。ちなみに柄の変化
、布に織り込まれている絹糸である程度時代
を分析出来るのでは?とのこと。

もともと夜具として農閑期に作られていた布
で、多くは家使いだったもの。肌に触れる面
に使われていたので、柔らかさも求められた
のでしょうね。一部が流通してそれがのちに
柳宗悦の目に留まったというのは丹波布にと
っては幸運なことでしたが。

静けさと温かさとを合わせもつ丹波布。それ
はこの青垣、佐治(国)、という土地、そこに
住む人だから生まれたのでは?と大谷さんは
仰います。
•木綿の産地ではなく養蚕地だった
•外部との交流が少ない奥地だった
•もったいないという精神
•序列(意識)の強い土地柄
序列って聞くとちょっとエッとなってしまい
ますが、自分を主張せず文句を言わずに布を
作り続ける根気強さがあり、そこからは筋が
通った凛としたもの、労わりや愛情が生まれると。実際今も集落の人たちはとても温かく
優しいそうです。丹波布の美しさは素材や技
術だけでなく土地柄、人柄にもよるところが
大きいということですね。

人柄ということにも繋がりますが、大谷さん
は糸を紡ぐ時に一番大事なのは、技術よりも
心のあり方であり、そのためには穏やかに生
活することだと仰っていました。糸車の音の
違いでそれを感じ、心落ち着ける為に音楽を
聴いたり、他のことをしたり。丹の布さんの
作品には大谷さんや工房の皆さんの心や暮ら
しぶりが現れているということですね。
丹波布について記録が残されていない為、ご
自身で研究するしかなかったそうですが、た
だ理想とする幕末の丹波布を復元するだけで
なく今の暮らしに合わせることが大事だとも
仰っていました。
最近、古い機や糸車がご近所から見つかって
譲り受けたそうです。このままでは使えない
ですが大工さんとも相談した復元してゆくゆ
くはこの機を使って実際に織られるとのこと
。復元された古い道具からどんな新しい布が
生まれるか楽しみです。

古民家をリノベーションした素敵な空間の中に、丹波布、笹倉徹さんの木工、赤穂緞通、ひふみ民藝店さんセレクトの陶器などが素敵に展示されていました。中でも工房スタッフ
の小川陽子さん名義で展示されていた丹波布
のストールがとても繊細で柔らかで、今まで
の丹波布のイメージを覆すほどでした。

兵庫県民芸協会の理事でありながら、週末の
イベントが多いこともあってなかなか参加出
来ずにいましたが今回参加して本当によかっ
たです。大谷さん、とても貴重なお話を聞か
せて頂きありがとうございました!

今日は11月11日ですので、テマヒマはこの後
11:11オープンします。ランチはご予約でスタ
ートのお時間は満席の為少し遅めにお越し頂
くのがおススメです。
今日も、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01