福音

おはようございます。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、発酵食品
中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

NHKの100分で名著という番組をよく観ていま
す。ル・ボン『群衆心理』の回で武田砂鉄さ
んが、分かりやすさ、単純化の危険性を伝え
つつ、そもそも100分で名著は語りきれないと
言ってたように、原著を読んだ気になっては
いけないのですが、そのエッセンスだけでも
、解説の方のフィルターを通してですが、触
れられるので、興味深く拝見しています。先
月の斎藤幸平さんによるヘーゲル「精神現象
学」も難解ながら面白かったですし、現在放
送中の堤未果さんによるナオミ・クライン
「ショック•ドクトリン」も面白そうです。

前々回は若松英輔さん解説による「新約聖書
福音書」でした。若松さんは現在日経新聞土
曜日に「言葉のちから」という連載をさてれ
いて、切り抜いて線を引きながら読んでいま
す。先日出雲で開かれた日本民藝協会の全国
大会でも講演されていました。参加出来ませ
んでしたが、どんな内容だったかとても興味
があります。

何を隠そう、高校はキリスト教の学校に通っ
ていて宗教の時間もありました。その中で、
聖書に書かれている、イエスの生涯や言葉を
海外の映像を使って観ていた(はず)なのですが
、どうもその奇跡の部分ばかりに目がいって
しまい内容があまり入ってきて無かったよう
に思います。若さのせいだったのか、信仰心
の無さだったのか。というよりは、聖書に書
かれていることをなぞっていただけで、そこ
から何をどう読み解くのか、解釈するのか、
という姿勢が欠けていた、ということを若松
さんの解説を聞きながら思いました。

番組でも、新聞の連載でも、若松さんが取り
上げていたのが「コトバ」。哲学者井筒俊彦
が表記し出したそうですが、漢字の言葉が、
言語化出来るもの、所謂「事実」なのに対し
て、カタカナのコトバは、言語化出来ないも
のを含むものを指して使い、それは言わば
「真実」。文字だけで無く文字を越えようと
する文字、あるいは行間を読むということが
大事だと仰っています。
「人はパンだけで生きるのではない。」とい
う有名な言葉の続き「神の口から出るすべて
の言葉によって生きる」の言葉もコトバなの
でしょうね。聖書に限ったことでは無いです
が、この「コトバ」に目を向ける、思いを馳
せるということがとても大切だなぁと思います。

若松さんによれば、イエスは上からではなく
寄り添う、共に生きるような存在で、そこに
は裁きが無いと言います。
武者小路実篤は、神とは人類である、と言っ
たそうですが、若松さんは神は人と人の間に
いる、と仰ってました。

若松さんが聖書の中で1番好きだという言葉で
今日のブログはしめたいと思います。

わたしがあなた方を愛したように、
あなた方が互いに愛し合うこと、
これがわたしの掟である。

テマヒマは今日もこの後11時オープンで皆様
のお越しをお待ちしております。ランチのご
予約はお一人のみです。ご予約無しでもお席
ご案内出来るかと思います。

福音は元々、良い知らせという意味だったと
か。良い知らせがありますように。

それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01