総合

おはようございます。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
一昨日は、日帰りで鳥取に行ってきました。
まずは2年ぶりに牛ノ戸焼窯元へ。現在は、
小林孝男さん遼司さん親子で作陶されていま
す。代表的な染め分けの器や梅文の器だけで
無く、最近の新しい模様のものも選ばせて頂
きました。来週木曜日からメインディスプレ
イでご紹介したいと思います。ご期待下さい
!今回は遼司さんにご案内頂いたのですが、
掛けはほぼ遼司さんがやるようになってい
て、お話してても少し先の窯の経営のことを
考えてらっしゃって頼もしくも感じました。
個展前のお忙しいタイミングにも関わらず
ありがとうございました!

たくみ割烹店、鳥取たくみ工芸店、鳥取民藝
美術館をもちろん(?)ハシゴして、最近出来た
たくみ珈琲店は残念ながら定休日でしたが、
美術館の学芸員さんに教えて頂いた発酵食品
かもすでに行った後、今回のもう一つのメイ
ンイベント。
旧吉田医院の見学会。鳥取の民藝運動を牽引
した、新作民藝をプロデュースした医師・吉
田璋也の病院。河井寛次郎は柳宗悦を民藝の
父、吉田璋也を民藝の母と呼んだことがある
ようで、それは柳の提唱した民藝の思想や理
論を具体的、実践的に展開したから。牛ノ戸
の染め分け皿などはその代表と言ってもいい
かもしれませんが。「住宅建築」2016年4月
号を抜刷した「吉田璋也の建築の原点ー鳥取
民藝運動の軌跡」という冊子などで拝見して
いましたが、何度か公開のタイミングはあったのですが、実際に中に入るの初めてでした
。建物だけで無く家具や診察道具まで隅々ま
で吉田璋也のデザインによるもの。病院とい
うと無機質で殺風景なイメージがあります。
一瞬病院だということを忘れてしまう空間で
こんな病院だったら病院嫌いな僕でも、いや
やっぱり患者として来るのは嫌ですが笑、本
当に素敵空間です。
建物2階部分(建築基準法的には 1階)を木谷
清人さんのご説明を聴きながら見て回った後
たくみ工芸店に場所を移し、スライドを使っ
てさらに詳しいお話「旧吉田医院の魅力と謎
」を聴講しました。建築にも関わった民藝運
動の先人達は多いですが、吉田璋也は生涯で23件と群を抜いていて、うち9件は新築。こ
の吉田医院は吉田璋也54歳の時のもので、集
大成な作品です。
柳宗悦の我孫子時代の旧居にも見られる崩し
卍の意匠、ショルダーアーチなどシェーカー
の影響、バロック風の階段、インド〜東洋〜
禅宗の影響、スパニッシュと呼ばれる様式な
どなど。様々な意匠や技術へリスペクトがあ
りつつ取り入れ、木谷さん曰く、混成では無
く総合、うまくミックスしてまとめらていま
す。民藝を現す用の美という言葉があります
が、どちらかと言えば機能美を感じると木谷
さんは仰っていました。
柳宗悦は「元来建築は総合的工芸でなければ
ならない」と述べていましたが、旧吉田医院
もまたそれを実践した建築であり、プロデュ
ーサー吉田璋也のもと、そのアイディアを
くの職人さんの技術で実現した素晴らしい空
間でした。リーチバーの壁に着想を得て最近
新調した扉についてテマヒマブログでご紹介
しましたが、吉田璋也の足元にも及びません
が、先人達のセンスを拝借しながらうまくミ
ックスして、少しでもお越し頂いた方が心地
良く、何かを感じて頂ける空間作りをしてい
きたいと思います。
お話会の最後、木谷さんのお話は149か国が
批准しているのに日米は批准していないユネ
スコの文化的多様性条約(お恥ずかしながらそのことについて知りませんでした)にまで話が
及び柳宗悦の思想や行動の先見性を感じまし
たが、木谷さんがこれから論文などでまとめ
られるとのことで詳細は差し控えたいと思います。
とても素晴らしい内容と時間で、木谷さん、
鳥取民藝協会の皆様ありがとうございました

テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。ランチのご予約は
4組で残り7席とお席にかなり余裕がございま
す。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い1日を!

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テマヒマ

テマヒマは、高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01