賃上

こんばんは。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ、テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。

デフレ経済からの脱却だとか、コストカット型経済から転換だとかいう言葉が言われています。少し前に連合会長のインタビュー記事があって

「世間で物価高は悪いことだという印象を持たれているが、消費者と労働者のどちらから見るかで変わる。モノの値段が下がるというのは労働者の価値の低下につながることだ。だから私たちは物価が一定程度上がるということを認めなければならない。

賃金が上がり物価もみんなで認め合って上がっていく――。そうやって経済を回して成長の好循環につなげるマインドを国民皆で共有していきたい。」

といった発言が冒頭書かれていました。組合の人が物価高を許容するというのも不思議な気もするのですが、生活者を労働者と消費者とに分けて見て、労働者目線（労働組合ですから）で論じるとそうなるのかな？でもやっぱり違和感があるぞとも思います。賃金が上がって物価も上がるという順番ならよいのでしょうが、今起こっていることは物価が上がって、それを上回る賃上げを！という動きなので、実際に成長している企業や内部留保の多い大企業なら賃上げも出来るでしょうが、なかなか厳しいところが多いのではと思います。海外から旅行でお越しの方は日本のモノは安いと感じているようなので、為替的な意味、内外価格差が縮まるのは意味があるような気もしますが、識者がよく言うようにそもそも円安ではなく円「弱」である問題は解消されていません。そしてここで言われている循環によって起きるのは果たして成長なのか？統計数字的にはそうでも実質的にそうなのか？良いインフレ、悪いインフレがあるとして、今起きているのは悪いインフレ、所謂スタグフレーションではないか？と思えてなりません。

同記事によると2024年の春闘は5.1%の33年ぶりの高水準の賃上げを実現し来年以降も5%以上の上げ幅を目指していくということ。大企業と中小零細企業や個人経営、正規社員と非正規社員では見えている景色が随分違うように思います。マクロ経済の話の後に、ミクロ、しかも超が何個もつくようなミクロなテマヒマの話をすると、先月からスタッフの時給を4.7%上げました。お恥ずかしながらお店の経営状況が良いからではなく、全国の最低賃金が上がったことに合わせてのこと。原材料価格や光熱費などの高騰、その賃上げを吸収する為、飲食部門については値上げをさせて頂きました。過去の経験もあっておそるおそる小刻みに値上げしています。現状価格変更の影響は大きくはないと思いますが、ランチ後のカフェメニューの注文が減ってるかな？といった感覚はあります。その後も原材料費は上がっていく一方なので正直いずれはまた見直しの必要が出てくると思います。先般の総選挙で最低賃金を早期に1500円へ！という公約を掲げる政党もあったかと思いますが、原価や人件費を価格転嫁出来ないところは淘汰されていくわけで、優しい政策のようで実は厳しい政策を訴えています。ここだけは連合会長と一致しますが、（最低賃金を引き上げた上で）どういう社会を目指すのかを各党は訴えるべきだと思います。もちろんスタッフの皆さんにもっとお給料をお渡ししたい気持ちはあるのですが...

テマヒマとしては、価格に対して納得頂けるよう丁寧に伝えていくこと、価格以上の価値、価格とは違った価値を感じて頂ける努力が必要であり、最初期のテマヒマブログでも書いていましたが、コスパとかタイパに代表されるような、少しでも安く、お得にといった消費者的な人格（それは誰もが持っている面ではあるのですが）ではなく受贈者的な人格が前に出てきてしまうようなお店でありたい、それは仕掛けや仕組みではなく自然と結果としてそうなるお店でありたいと思います。こうも何でも値上がりしてると、生活防衛意識というか財布の紐はきつくなってしまうとは思いますが...

テマヒマは昨日今日は火曜日水曜日で定休日です。明日11/21(木)11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお一組のいで残り12席とお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。

メインディスプレイは引き続き、関西将棋会館移転記念、猿子田窯　河井一喜・達之　将棋の器ほか特集です。まだまだ好いモノございます。

それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした！好い夜をお過ごし下さい。