手人

こんばんは。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


雑誌民藝最新号のテーマは「雪国の編組品」。冬の農閑期に雪に閉ざされた中で生まれる仕事。時間や祈りが編み込まれたかのような仕事。テマヒマでは須浪亨商店さん(倉敷)のい草のお仕事をご紹介したり、竹細工ワークショップを開催したりはしているものの扱い自体も少ないのでこれから読んで勉強したいと思います。テマヒマでは2018年10月号から雑誌民藝のバックナンバーがございます。奥の本棚(テマヒマ文庫)にてご覧下さい。テマヒマは本屋でもあるので勿論販売していますが、(ブック)カフェでもあるのでお待ちの時間に読むだけでも勿論OKです。


小倉ヒラクさんの「僕たちは伝統とどう生きるか」の中で、小文字の伝統は、「血」ではなく、「手」で継がれていくということを述べていて、民藝や発酵という「手仕事」に日常的に触れている僕としてはとても腑に落ちましたが、この雑誌民藝6月号に収録されている柳宗悦の論考が「手と道具」。


この論考の中で、「手を尽す」「手がかかる」「手に余る」「手を抜く」、、、「手」を使った言葉がいかに多いかと紹介して、本当に沢山の言葉があります。僕ならそれ以外に、「お手入れ」とか「お手当て」という言葉を加えたい。


お店をやっていてお客様に、器や道具、特に漆器や真鍮が多いですが、「お手入れ」についてよく聞かれます。色々ご説明した上で、「日々使い続けることが一番のお手入れです」ということをよく言っています。自宅で真鍮のカトラリーが暫く使わず引き出しの奥で眠ってるうちに錆びてしまった経験が大きいです。不断使いすることで愛着も増し、実際に育っていく。栁宗悦流に言えば、使い手のもとで民藝になります。手を入れ続けることがお手入れ。


怪我をした時に「手当て」しますが、おそらく医療技術がまだ発達してなかった時は、怪我をしたところに「手を当てた」ことが語源なのでは?と想像しますが、文字通り「手を当てる」ことで治ったり、治った気になったりすることってありませんか?〇〇手当にみたいな使われ方だと手当てがお金の意味に変わるのも面白いですよね。


柳の論考後半で、どんな動詞も手と云う字と結ばれるとして、読み手、書き手、働き手、、、様々な例を紹介して、日本人が手の世界と深い関係にあることを述べます。ここで言う「手」は「人」のことですから、「手」=「人」、「人」=「手」とさえ言ってもよいと感じました。「手には体と心とが結びついている」という一節もあって本当にそう思います。人の心と体は結びついている。


最後に、「今後手で出来ないもの、手では余り手間がかかるものなどは、器械の助けを借りる方が至当であるんは申すまでもありません。只私達は、今後どんな器械の必要が多くなっても、手仕事の価値を忘れるようなことがあってはなりません。」とありますが、この論考から80年強が経ち、機械化、デジタル化、さらにはAIの登場と時代が進み、さらに「手仕事」「手料理」・・・・「手」の重要性は大きくなってくる、求められる気がしますね。民藝も発行も、手間暇も。


少し前に中国で開催されたフィジカルAIのマラソンというニュース映像を見ました。それを見て、心が動くということはありませんでした。皆さんはどうでしたか?

フィジカルAIが発達していった時、どこまで人間の「手」を代替するようになるのでしょうか?


昨晩から今朝にかけて近畿地方も通過した台風でしたが、全国で大きな被害が無いとよいのですが・・・。今朝このあたりは、規模こそ小さかったですがおそらく直下型の地震があってヒヤッとしました。


テマヒマは、昨日今日火曜日水曜日で定休日でしたが、明日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。カフェのご予約は入っていますがランチのご予約は入ってませんので、現時点ではご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。カフェも明日から夏バージョンのメニューがスタートします。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした、好い夜をお過ごし下さい。


論考中、手技の人のことを、伎人と書いて、手人(てびと)と読ませていたとあったので、タイトルは手人にしてみました。そう言えばひとつ前のブログ「手向」も「手」が入っていますね。どういう語源なんでしょうね?あちらの世界に手を向けるということでしょうか?

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する古書のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 ヴィーガン対応、ロースイーツもあります。 食に関するワークショップも随時開催中! 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、お買い物、ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01 哲学カフェ、コンサルはじめました。