土語

おはようございます。


民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


一昨日は、大阪市立美術館で開催中の国展100回記念巡回展を観に行って、9月に出店予定の某百貨店の某催事の会場下見に行った後、月イチで参加してる兵庫県民芸協会の読書会へ。今回の課題図書は「国語問題に関し沖縄県学務部に問うるの書」でした。


最初読んだ時、朝鮮同様に、柳宗悦ならではの周縁や弱者への眼差しで、そのまま受け入れそうになりましたが、名指しされている吉田氏について気になって調べていくと、読み方が逆転していくというか、この方言論争、そう簡単な話ではないなと考え込まされています。「正しさ」の危うさや暴力性も感じたり。

何事も一方の立場だけでなく考えてみること、今という時代からでは無く当時に遡って時代背景も踏まえつつ考えてみることが大事なように思います。今回の読書会もいつものように脱線したり雑談したりしつつしていましたが、話題の中心はそこにあった気がします。民藝四十年を順に読んでいってるので、柳の考え方、語り口が入ってきやすくなってきているだけに、批判的にも読める、語り合えるということの健全性を思います。


この柳の反論の前に吉田氏が、「本土の文化人は沖縄を珍しがり、観賞用植物や愛玩動物のように見ている」という主旨の発信をしているのですが、民藝という言葉、モノの見方・考え方もそうですが、柳の他者目線があったからこそ、当事者が気が付かなかった価値や意味を見出すことが出来たことと思いますが、当然当事者とのズレはあり、上から目線と思われただろうなと思います。吉田は、沖縄出身で、東京帝大の学生時代に、言葉が通じない・訛りがあることにより偏見や差別をうけた原体験があったようですし、方言を撲滅しようとしたのも沖縄を豊かにしたいという想いだったはず。実際戦後、南方同胞援護会事務局長という立場で沖縄の本土復帰に尽力しています。柳と吉田との議論は平行線ですが、沖縄への愛という点では共通するはずで、折り合えることは出来なかったのか?とも思います。調べていくと、吉田は戦後、方言について肯定的になったようですから、柳と和解する場面とかは無かったのでしょうか?多様性が言われる今ならもしかしてまとまるのかな?とも思いましたが、この論争がもし今SNSで行われていたら、きっと炎上して、しかも多くの人が参入して議論し(だったらいいですがおそらく罵倒し合って)収拾がつかないことになるのでは?とも思います。


この論考の中で、本筋とはあまり関係ないのですが、外国語が氾濫している(洋語の不必要な混入)ことについて触れていて、今の日本をみたらどう思うんだろう?と思ったりもしましたが、それに続く文章で「国民意識の旺盛なる今日、和語への浄化運動は当然起こっていい。之こそは皇紀二千六百年の光輝ある一大事業とも目す可きであろう」とあって、時代の空気とかもあるとは思いますが、ここだけ切り取られれば体制側に取り込まれる、利用される危うさがあるなと感じてしまいました。あとどさくさで?「俗調に流れがちな大阪弁」と軽くディスられていて(笑),ちょいちょい敵を作ってしまうとこがあるよなと思ったり、そういうところやぞ。


「国家の単位は地方である。地方性の薄弱は国家から特色を奪う」

「地方語の発生は其の土地の特殊なる自然と歴史とを背景とする。言語は民族の精神、人情、習慣、延いては文学、音楽等と密接にして必然な結縁を有する」

という言葉は、現代にもそして世界にも通じていて、現在さらに重要なことのように思います。


さて、本日よりメインテーブルでは「夏迎え~風をあつめて~硝子と藺草と団扇と」特集がスタートです。SNSにアップした案内文を掲載します。


さいきん、夏があついんです

さいきん、夏がながいんです


RainbowLeaf・平岩愛子さんの吹きガラス

須浪亨商店・須浪隆貴さんのイグサのバッグ

石北有美さん・大木夏子さんの型染団扇など


本格的な夏を迎える前に

「涼」を感じる、

「蒼空」のような手仕事をあつめてご紹介致します。



街のはずれの

背のびした路地を散歩しがてら


人気のない

昼の珈琲屋で暇をつぶしがてら


「風をあつめて」

皆様のお越しをお待ちしております。


■平岩愛子(吹きガラス)

1974年東京都青梅市生まれ。武蔵野美術大学短期大学部美術科 卒業後、沖縄の奥原硝子製造所にて桃原 正男氏に師事。2009年 ガラス工房 glass studio Rainbow Leaf 設立。

■石北有美(型染)

1974年広島県福山市生まれ。女子美術大学芸術学部工芸科卒。2005年染色工房 幟屋設立。染色家・グラフィックデザイナー。

■大木夏子(型染)

1973年埼玉県生まれ。女子美術大学芸術学部工芸科卒業。毎年国画会へ出品。新人賞、国画賞を受賞。現在は国画会工芸部会員。

■須浪隆貴(いかご)

1993年岡山県倉敷市生まれ。1886年創業の須浪亨商店を継承、5代目。祖母から学んだ、いかごや鍋敷き、びんかごなどをいぐさで製造している。


日程

6月18日(木)〜 29日(月)

 ※火・水定休


時間:11:00 〜 18:00

 ※最終日は蔵出し市準備の為17時閉店


場所

テマヒマ 

〒5691123 大阪府高槻市芥川町3-10-13

072-655-3259

temahimaselect@gmail.com


日曜日にお休みを頂き、大阪日本民芸館春季特別展「眼のわざ 手のわざー山本教行・西洋工芸コレクションよりー」関連講演会「蒐集と創作の日々ー作陶60周年を迎えてー」を聴講しました。聞き手の澁川祐子さんが山本さんに展示について突っ込んで質問して下さっていたのでとても有難かったのですが、今回の特集ではその時のお話に触発されて、熱量高めです。まぁいつものテマヒマテーストではありますが。案内文を読んで、はっぴいえんどを思った方がどれぐらいいらっしゃるかは分かりませんが、脳内BGMで「風をあつめて」を流しながらご覧下さい。皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り9席となっています。


それでは好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を。




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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する古書のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 ヴィーガン対応、ロースイーツもあります。 食に関するワークショップも随時開催中! 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、お買い物、ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01 哲学カフェ、コンサルはじめました。