煉瓦
こんばんは。
民藝と発酵をモノサシに食を通して健やかな暮らしを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
工藝文化振興会 キックオフシンポジウム 「民藝運動100年 柳宗悦と民藝―もの・こと・まなざし―」をYouTubeで視聴しました。営業中なのでリアルタイムでは難しいと思ってましたが、一部はリアルタイムで聴けるほど、今回の七夕蔵出し市、雨天もあるとは思いますが、いつもの蔵出し市に比べてお客様も少な目です・・・。
工藝文化振興会について、うまく説明出来る気がしなかったので、同ホームページからそのまま引用させて頂くと、
”一般社団法人工藝文化振興会は、柳宗悦らによって提唱された「民藝」と、民藝運動が関わった文化領域、すなわち柳の言を踏まえるならば「工藝文化」と言い得る文化領域に関する調査研究・普及振興を通じて、日本の豊かな文化的土壌を次世代へ継承することを目的として、2026年1月に設立されました。
ちょうど100年前となる1926年4月1日、柳宗悦・濱田庄司・河井寬次郎・富本憲吉は連名にて『日本民藝美術館設立趣意書』を提示し、「民藝」という言葉と概念を社会に対し世に示しました。爾来100年を経て、「民藝」に込められた理念と活動の積み重ねは今日、デザイン、ローカリズム、文化の多様性など、さまざまな観点から参照されています。
私たちは、日本民藝協会・日本民藝館をはじめとする既存組織と連携しながら、工藝文化の振興に寄与してまいります。”
今回のシンポジウムは、土田 眞紀さん(同志社大学)さん、竹中 均さん(早稲田大学)の講演、続いて木谷清人さん(鳥取民藝美術館)・鈴木禎宏さん(お茶の水女子大学)が加わっての座談会という構成。司会進行は同会の学術委員長でもある濱田琢司さん(関西学院大学)。琢司さんは何度かテマヒマにもお越し頂き、何度もこのブログでも登場しています。拝聴して、特に竹中さんのお話、続いての鼎談がとても興味深かったです。竹中さんは自閉症・発達障害という補助線を引くことで、独特の捉え方・考え方が浮かび上がってくる印象でした。テマヒマでも民藝と発酵という二つの軸を絡めながら日々お話していますが、両者は地続きだと感じているので、竹中さんほどの大きな飛躍はないのではないでしょうか?
柳宗悦への批判の一つに、物は観ているが、人は観ていない的なことが言われるかと思います。個人的には、柳は物の向こうに人を見ている人だったのでは?と思います。今回の鼎談でも、物の擬人化、人の物化、人と物との平等化、といった言葉が出ていましたが、竹中さんは前述の眼差しから、物と人の関係は、変化していく人と人の関係と違って、他者の期待に忖度したり、空気を読む必要がなく安定すると。また人と人とは全体で付き合わなければならないが、物とは部分で付き合うことが出来るとも仰っていて、考えてもいなかったことなので印象に残りました。物と人との関係性の中では、今の言語化圧から逃れることが出来るみたいな話も鈴木禎宏さんからだったでしょうか?出ていたと思います。
柳が、例えば教会建築でも、設計図を作る建築家個人(全体)よりも、一つ一つのレンガを積み上げる職人たちの反復の仕事(部分)に惹かれていた。柳が写真において「全体カットよりも部分カットの方が直観や想像力に訴えるからこそ美しく見える」といった趣旨の主張したという話も面白かったです。蛇足ですが・・・前者については、サラリーマン時代・マネージメント時代の僕はその例で言えば、レンガを積む人たちに、それが教会のどこの部分であるか、どんな意味があるのかを丁寧に伝えていました。後者については、柳の眼を押し付けることで反って直観を曇らせるのではないかと思わなくもないです。。。
確か鈴木禎宏さんからだったと思いますが、無名の企業戦士を美化して伝えるTV番組「プロジェクトX」(プロセスを重視する時代の例としてだったか?)、今はモノを作る力が低下している時代、関わりが薄くなっている時代(テマヒマ的にはだから手前味噌作り!だから家庭料理に発酵食品を!なのだけど)といった気になるフレーズも出ていたのですが、最後にご紹介するのは木谷清人さんの
「昔の日常だった民藝を柳らが非日常にし、(民藝ブームと呼ばれる)今はまたそれを日常に戻そうとしているのではないか?」という言葉。個人的には「ある意味権威化してしまって、民から離れた感のある民藝を(価値付けはそのままに)民に戻す」と勝手に解釈しました。少し前にアウト・オブ・民藝の活動をしている軸原ヨウスケさんと中村裕太さんがD&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんのラジオに出演して「民藝を雑器に戻す」といったことを仰ってたのに近いです。
土田 眞紀さんが「工藝の道」(柳宗悦)からの引用で紹介された「Craft-in-Itself(工藝自体)」という言葉について話されていましたが、民藝が始まった当初の美術VS工藝という文脈で「民藝」を捉えているのはアカデミア以外ではあまりなくて、バーナード・リーチだったり、柚木沙弥郎さんだったり、山本教行さんもおそらくそのような「別」はないだろうと思います。BEAMS のfennicaレーベルなどが果たした功績は大きいと思いますが、ファッションとかインテリアとかデザインとかそういう入り方で民藝に辿りつく人も多いと思うので、民藝を特別視しないことが重要に思います。入り口を標榜するテマヒマの役割もそこにはあるかなと。一方で表層ではなくその奥底にあるものを学び続け、伝え続けることが一過性ではない定着と持続につながるとも思います。それこそレンガを積み上げるように。
色々な思索を深めるきっかけになってとてもよいシンポジウムでした。ありがとうございました!
さて、七夕蔵出し市5daysも明日7月7日(火)がいよいよ最終日です。通常火曜日は定休日ですが、明日は営業致します。
七夕の日ということで、七夕らしい特典を一日限定でご用意致します。
「七夕ペア割」
同じ器、又は色違い・柄違いの器を二点ご購入の場合、そのペアは7%OFFとさせて頂きます。
写真はご近所芥川商店街、亀屋旅館前の、七夕飾りです。
七夕の夜は天気が崩れがちですが、明日はどうでしょうか?
それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。
今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。
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