特別

おはようございます。

暮らし、味わう。

民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

昨日はお休みを利用して東京日帰り。朝イチ
開館と同時に日本民藝館に入るというのはも
はやお決まり?コース。祈りの造形というテ
ーマの展示でとてもよかったのですが、今日
のブログはそちらではなく東京都現代美術館
で開催されてますミナペルホネン/皆川明 つ
づく展について。個人的な過去の体験も交え
て書いてるので少し長くなりましたがお付き
合い頂ければと思います。
ブランド創設25周年を記念しての企画展だっ
たのですが、洋服の「森」というタイトルの
コーナーではその25年の作品が一堂に会して
いて、時系列での陳列ではないのですが、ト
レンドに左右されてない分、く古びること
なく、そしてブランドの統一感が感じられる
ものでした。毎度登場する山下達郎さんの言
葉を借りれば、時代の試練に耐えるには編曲
(アレンジ)が重要ということなのだと思います
が、デザイナー皆川明さんの「せめて100年つ
づくブランドを」という想いが詰まって積み
重なったものだと思います。
このブログの中でも何度か触れていますが、
前職で今から15年前にファッションのWEBセ
レクトショップを立ち上げました。カタログ
通販会社の企画開発スケジュールがトレンド
を取り入れるには長過ぎるためネットで一般
市場並みの短サイクルを実現すること、それ
とは逆にナチュラルなテーストを中心にトレ
ンドとは関係ない個性的なブランドを導入、
販売することを意図していました。導入したいという候補の中に常にミナペルホネンが頭
にあったわけですが、カタログ通販モデルに
ネット通販モデルを加えることで大量販売で
はない少量多品種を実現するということは、
固定費の高い大企業で同じように共通費を
分すると難しく頓挫しました。個性的なナチ
ュラルテーストをと書きましたが、ちょうど
直後に大きなナチュラルトレンドの波がきて
肉にもカタログの安価な商品がその役割を
果たすようにカニバルことになりました。

そうなんです。当時の自分の不明を恥じるば
かりですが、ミナペルホネンについて、刺繍
やプリントが個性的でキャラクターの立った
ナチュラル系、北欧系テーストのブランドみ
たいな浅い捉え方しか出来ていなかった。ブ
ランドやそれを着る人を言わばテーストとい
う括りでしか見れてなかったのです。またフ
ァッションだけでなく雑貨やインテリアなど
広がっていくのをビジネスの拡張のような視
点でしか見れてませんでしたが、ブランドの
コンセプトやフィロソフィーがライフスタイ
ルに寄り添うものであり、サスティナビリテ
ィ(持続可能性)を意識したものだったのだと
思います。

ファッションから離れ、大企業から離れた今
なら、今だからこそ違って感じることが出来
ます。例えば、ミナペルホネンを象徴する柄
のタンバリンも皆川さんのスケッチをもとに
刺繍の柄をデータ化プログラムミングするの
は職人技ですし、一つの輪を縫うのに10分弱
もかかることからしても機械生産だが手工業
に限りなく、近くだからこそテキスタイルか
ら温もりを感じることが出来る、工芸やクラ
フトに近いと思います。会場マップの中で皆
川さんがつくり手、つかい手という言葉を使
ってるのが意識的なのか自然なのかは分かり
ませんが。

ミナペルホネンの服を愛用する人達の映像を
見ると暮らしにフィットする、寄り添う日常
の服であることを感じますし、何年もに渡っ
て着用した服とその持ち主の思い出エピソー
ドを読めば、いかに愛着を持っているか、
生に寄り添い、記憶とともに人生の一部にな
るような特別な存在になっていると感じまし
た。以前あるお客様がテマヒマのことを日常
に取り入れたくなる非日常と表現してらっし
ゃいましたが、ミナペルホネンは特別な日常
、日常を特別にしてくれる存在なのかもしれ
ません。
テマヒマは作り手ではなく配り手であり、作
り手と使い手(暮らし手)を繋ぐ繋ぎ手で、作り
手とは役割が違いますが、お客様にモノに愛
着を持ってもらえるよう、愛着を持てるもら
えるモノを選んで頂けるようなお手伝いを。
お客様に特別な日常(コト、トキ)、日常を特別
にするモノをご提供・ご提案するようなお店
になっていければと思います。100年どころか
何年「つづく」かは分かりませんが何年も「つづく」ように。

本日も11時オープンで皆様のお越しをお待ち
しております。
今日は14:30よりテマヒマ食の基礎講座⑩〜
お茶編〜開催です。定員までお席に余裕がご
ざいますので当日ドタ参大歓迎!です。
それでは、いいモノ、いいコト、いいトキを
テマヒマで。今日もよい一日を!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01