今形

おはようございます。

暮らし、味わう。

民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
昨日は通常営業でしたが、お店はうちの奥さ
ん(テマヒマ店主)とスタッフにお任せして、大阪日本民芸館で開催されてます「今のかたち
–西日本の民藝–」展を観に行ってきました。
大阪日本民芸館50周年を記念したもので、珍
しいことに、その名の通り、現在の西日本の
作り手が出品している展示会で、例えばテマ
ヒマでお取り扱いしてる俊彦窯、前野直史、河井一喜、河井達之、中ノ畑窯、小島優、大
橋力、山口和声、袖師窯、須浪亨商店、小鹿
田焼、小島鉄平(敬称略・順不同)も参加して
います。民藝というものが古いモノではなく
今も、これから続いていくもの(続いていって
欲しいもの)ということを感じられるかもしれ
ません。3/5〜7/18まで開催中ですので、ご
興味ある方は是非ご覧になってください。

同展に関連した、講演会、座談会、実演、ワークショップが開催されます。どれも魅力的
な内容でおススメなのですが、その第一弾の座談会を昨日聴講してきました。岩井窯の山
本教行さんと小鹿田焼の坂本創さん、聞き手
は福岡の工藝店工藝風向店主で雑誌民藝の編
集長の高木崇雄さん。
岩井窯の山本先生については、このブログで
も何度かご紹介してきたように、その出会い
がテマヒマ起業のきっかけの一つとなった方
で昨年岩井窯開窯50周年を迎えられました。
坂本創さんは小鹿田焼の若き窯元で、当時、
村の外に修行に出るのがご法度(?)のような
中、山本先生のもとで2年間弟子入りしまし
た。ちなみにテマヒマでお取り扱いの作り手
で言うと河井達之さんや山口和声さんも山本
先生のお弟子さんにあたりますが、これまで
20数名を教え育ててこられました。

バーナード・リーチや鳥取新民藝運動の吉田
璋也との邂逅が山本さんに影響を与えたのは
間違いないですが、吉田璋也の紹介で出西窯
に向かい4年修行したと言います。バーナード
リーチ→多々納弘光(出西窯)→山本教行(岩井
窯)→坂本創という系譜、陶脈が例えばハンド
ル付けの上手さとして伝わっています。リー
チは体から手が、木から枝が生えてるようにと教えたと言いますが、ご自身の弟子達はみ
んなハンドル付けが上手いと山本さんは仰っ
ていました。達之さんのハンドルと和声さん
のハンドルとでは随分、形状も特徴的に違い
ますが根本のところでは繋がってるのでしょ
うね。
ただ、山本さんは弟子たちに技術を「教える」のではなく、次の時代に「伝える」こと
をしてきたと仰います。モノを残すだけでな
く、ヒトを残すことを意識してきたと。ご自
身も、出西窯での修行中に学んだのは、「暮し方」、「生き方」「進み方」だっと仰っ
ていて、それを繋いでいってらっしゃるのだ
と思います。

後半、お話はお金にまつわることに。「手先
仕事だが、手先だけでは済まなくなった」
という山本さんの言葉が象徴的でしたが、
素材や燃料の価格の高騰は、ウクライナ侵略
もそうですが、世界情勢と繋がってます。
作り手、配り手、使い手は、言わば運命共同
体的な関係なので、価格転嫁とかも理解し合
わなければなりませんし、維持していくため
にはお金がうまく回っていく必要があります
。高木さんが工藝風向では請求書が届き次第
即払ってる(百貨店などでは何ヶ月後になるこ
とも)という発言がありましたが、テマヒマも
同じようにしていて、実は起業前に高木さん
と飲みに行った時にその話を聞いた影響です

山本さんが座談会中、1番強調していたという
か、僕が1番響いたのは「感じる」ということ
。バーナード•リーチと話した時に感じたその眼差し、吉田璋也のような人になりたい、
吉田璋也の着ていたあの服が着たい、そうい
った感じ方が、陶器を作りたいというよりも
山本さんの原動力になってきたそうです。
断捨離とは真逆にモノを蒐集し、「生活を整
える」ということしてきたと。例えば、ある
椅子を購入したら、その椅子に合うようなモ
ノを買いたくなる、その椅子と釣り合わない
モノは置きたくなるというモノサシになると
仰っていました。
テマヒマブログの冒頭で民藝と発酵をモノサ
シにというフレーズを日々書いていますが、
どちらかと言えば思考的なもの、考え方とし
て書いています。山本さんのそれは具体的な
モノとして、モノから感じるコトなわけで、
マーケティングでは兎角モノ<コトと考えがち
ですが、山本さん、いや民藝的には、モノ>コ
トであり、考えるよりも感じるなのだろうな
と思いました。
山本さんが、民藝運動とは生活運動だったはずで、岩井窯ではそれを実行してきた、山本
家の暮らしぶりを見せてきたという趣旨のこ
とを発言されたかと思いましたが、改めてテ
マヒマ起業の想い、目指すところを再確認さ
せてもらえました。ありがとうございました!

テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。本日のご予約状況
ですが、ランチの12時が2組で残り6席、カフ
ェの14時が1組となっています。
本日はいつもより早い17時閉店とさせて頂き
、明日3/30(月)から4/1(金)までは芥川のお店
はお休みとなります。

それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01