速醸

おはようございます。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、発酵食品
中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

先週のことになりますが、6/26-28に旅行で
沖縄に行ってきました。旅と仕事はセットで
、出張と呼ぶか、旅行と呼ぶか、その境目は
微妙なのですが、今回はプライベート率が高
く仕事率が低かったので、旅ということに。

順不同で沖縄旅を振り返ってみたいと思いま
すが、最後に訪れたのは玉那覇味噌さんでし
た。夏になるとテマヒマのランチで沖縄料理
をイメージしたメニューが登場しますが、そ
の時にお味噌汁の選べるお味噌として毎年ご
紹介しているのが玉那覇味噌さんです。

国産丸大豆と自家製米麹、シママース(沖縄の
塩)で作られるお味噌はまろやかな旨味で、
塩味と甘味のバランスも絶妙で人気です。毎年、沖縄のお味噌?って皆さん驚きながら、
お選び頂き、量り売りでご購入の方も多いで
す。
創業は琉球王朝末期、江戸時代安政期で約160
年の歴史があります。首里城のお膝元にあっ
て当時は琉球王朝御用達のお味噌でした。
首里城に日本軍の司令部が置かれていたこと
から戦火は免れられず、工場は爆風で倒壊。
家麹のついた柱や梁などが燃えずに残ってい
たのでそれを使って味噌蔵を再建、麹作りから始まり、木桶を使って仕込む昔ながらの製法にこだわって今もお味噌作りをされていま
す。米軍統治下を経て本土復帰した後、県外
からのお味噌が流入し沖縄の味噌醤油事業は
衰退の一途を辿り、現在県内で製麹から醸造
まで、全ての工程を自社で行っている蔵はほ
とんどなくなってしまったそうです。

今回、味噌蔵を見学させて頂きましたが、思
ってたよりもコンパクトな作りで、建物も木
樽もとても年季が入っていました。この積み
重ねてきた歴史、継がれてきた菌とその環境
こそが、お味噌の美味しさの秘密であり、宝
だと思いました。

あとやはり特徴的なのは、沖縄の高温多湿な
気候で作られているということ。お味噌には
天然醸造と速醸法とがあります。天然醸造は
言葉の通り自然に、菌に任せるもので、寒い
時期に仕込みゆっくりじっくり発酵熟成を待
ちます。それに対して市販されている廉価な
お味噌は速醸法で作られているものが多いで
すが(他にも大豆が国産では無いとか)、醸造
中に加温することで発酵熟成を早め、生産期間を短くし、生産コストが下がります。これ
に対して沖縄の気候風土で作られるお味噌は
、天然の速醸とでも言える、発酵熟成期間が
短いのに風味が豊かで美味しいお味噌が出来
ます。生産サイクルもとてもユニークで、麹
を作りお味噌を仕込むという工程が毎週、常
にあります。建物や木桶が年季が入ってると
書きましたが職人さんも皆さん熟練の方ばか
りでした。

玉那覇味噌の皆さん、ご案内頂きありがとうございました!

今年も8月に沖縄料理をイメージしたランチを
予定していて、玉那覇味噌さんももちろん登
場します。ご期待ください!
ショップの方も沖縄企画を検討中です。こちらもご期待下さい。

テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしてます。ランチのご予約は3組で
残り7席となっています。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01