手眼

こんにちは。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
火曜日水曜日は定休日!
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

先週の火曜日ですが、東京出張で、日本民藝
館にも行ってきました。

柳宗悦唯一の内弟子「鈴木繁男展」-手と眼の創作を観に日本民藝館へ。雑誌工藝の装丁の素晴らしいこと。工藝という字、言葉だけでこんなにもバリエーション豊かに表現出来るのかと並べて見ると改めて思います。沖縄、砥部、瀬戸での絵付け、磐田窯での自らの作陶も、柳宗悦に鍛えられた眼によって産み出されたのでしょうね。一室だけ2月からの展示で閉まってたのは残念でしたが、玄関の日本の漆工特集などとても良かったです。

というのが、民藝館を出た後にSNSにアップし
たコメント。「工藝」の表紙の美しさ、素晴
らしさについて、主にデザイン的な観点で書
いていました。そもそもこの表紙、和紙に漆
で描かれたもので、印刷では無く毎月1000冊
程、つまり1ヶ月に1000枚描いていたという
ことになります。図録を買って読んでいたら
1日50枚ぐらいペース。バリエーション豊か
でありながら、どこか共通するテーストがあ
って、それが民藝「的」、民藝「スタイル」
になっているように感じますが、これだけの
量を描こうとすると、以前、益子山水土瓶の
宮川マスさんについてテマヒマブログで書い
たこともありますぎ、例えば文字も抽象化、
模様化していき、ここに辿り着く必然がある
のでしょうね。だからこその民藝的な文字。
もちろん柳宗悦が蒐集したモノ(そこには書
画、器に描かれた数々のの模様)を見続け、積
み重ね、鈴木繁男の血肉となって吸収され表
出したからこその作品という面もありますが。

瀬戸や砥部で器に絵付けするのはその延長と
して考えられるとしても、自らの窯(磐田窯)
を開き、作陶までするなど、いくら柳宗悦の
内弟子として鍛えられたからといって出来る
ものでしょうか?その活動の広さに本当に驚
かされてしまいます。

師匠の柳宗悦が鈴木繁男に行った直観を鍛え
る訓練、はいっとモノを見せたら、即座に
それをいいか、悪いか、反応しないといけな
いという(最近読んでる出西窯の多々納弘光さ
んの書籍に、好き嫌いとは違うと書いていま
しが)、、現代ならパワハラ?ぐらいのエピ
ソードがあまりに有名過ぎてその印象が強い
ですが、今回この展示会の図録を読んでいる
と、弟子•鈴木繁男への優しい眼差しを感じま
したし、かなり高く評価していたのも分かり
ました、

鈴木繁男は日本民藝館や大阪日本民藝館の展
示にも、その鍛えられた眼を発揮していて、
「しまいには、物の方からここに置いてくれ
って言ってくるから」ということを仰ってい
たようです。柳宗悦も展示はひとつの芸術、
創作だと言っていましたが、開店から5年強
でまだまだそのよくない境地に辿り着ける気
はしません。。。河井寛次郎が「眼聴耳視」
眼で聴き、耳で視ると言ってたように、陳列
も違う感覚を使うのでしょうか?

先程陳列替えがちょうど終わりました。皆様
に楽しんで頂けるでしょうか?

明日11時オープンで皆様のお越しをお待ちし
ております。ランチのご予約はお1組のみで残
り14席とお席にかなり余裕がございます。
好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

それでは今日もこの後、好い残り半日を!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01