漁着

おはようございます。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

昨日は臨時休業を頂いていましたが、兵庫県
民芸協会の「刺し子のどんざ」勉強会で淡路
島に行ってました。協会理事ではあるものの
お店をやってるとなかなか協会活動に参加出
来なくて貴重な機会でした。高松や徳島など
に行く際に通過はするものの、淡路島で降り
るのは初めてじゃないかしら?企画をして下
さったのは同じく理事の阪上梨恵さん(赤穂緞
通の作り手)、お話して下さったのは若き研究
者の岡本佳奈さん。
ドンザは、漁師の冬の防寒仕事着或いは晴れ
着として、藍染め木綿の布を3枚重ね刺し子し
たもの。淡路島のそれはゾンザ(ぞんざいに扱
うもの)と呼ばれていたそう。ぞんざいに扱う
ものと言われている割には今回拝見させて頂
いたものはとても状態が良くて、やっぱり晴
れ着なのかな?とも思いましたが、残ってる
のは状態が良いからと考えると本当に仕事着
として使われていたのかもしれません。現存
し発見されているのは34着しか無いそうです
。岡本さんの調査によると、1920年頃にはも
う作られなくなったもので、1950年代ぐらい
には着られることなくなったようです。

刺し子模様は様々で、麻の葉(すくすく育つ)、
柿の花(五穀豊穣)、杉刺し(五穀豊穣)、銭刺し
(お金が逃げないように)、米刺し(豊作)など、
それぞれ意味があります。20年程前にアメリ
カでJapanese Fisherman’s Coatとして紹介
され図録も作られていますが、フィッシャー
マンニットが、イギリスやフランス、北欧の
漁師が漁に出る際に着ていたとされる手編み
ニットで、海の上での寒さに対応するため、
保温性と防寒性に優れていたのとも似て、言
い得て妙という気がします。フィッシャーマ
ンセーターもドンザも共に、「板子(いたご)一
枚下は地獄」という言葉の通り、漁師の仕事
は厳しく、また暮らしも不安定で、作り手の
女性達は夫や息子のために祈りを込めつつ作
ったのでしょうね。なんと作り上げるのに5年
もかかったものもあると言います。アパレル
の仕事をしていた頃にフィッシャーマンセー
ター「風」を扱っていても、デザインの部分
にしか目がいってなくて、納期交渉、原価交
渉が先にあったのとは本当に真逆ですね。。

刺し子模様自体の美しいのですが、パッチワ
ーク風に複数の模様を組み合わせているのも
また美しい。デザイナー的な役割の人がいた
のでは?と思うセンスを感じます。お尻の部
分が別模様になってるのが多いのは補強の意
味もあって、そこには愛情もあります。 一着
を着用させて頂けたのですが、ずっしり重量
感はありつつ、どこか軽やかさもあって不思
議な感覚でした。
たとえば丹波布のように、運良く柳宗悦によ
り見出されたり、復興したものもあり、民藝
運動の一側面であると思いますが、その一方
で、残念ながら消えてしまった手仕事も数多
くあったのだろうと思います。また北淡歴史
民俗資料館でまた別のドンザを拝見した時
思ったのですが、それをどう伝えるか、打ち
出すかということも大切だなぁと。

淡路のドンザについても、岡本さんが卒論で
取り上げて無ければ、地道な聞き取り調査を
して無ければ、このように知られることも無
かったと思います。淡路島の紺屋さん(藍の染
め物屋さん)についても研究されていますが、
協会員のお一人から、こんやと呼ぶ人が多か
ったですか?こうやと呼ぶ人が多かったです
か?その呼び方で淡路島の藍染のルーツが徳
島からなのかどうかも分かるのでは?という
質問がありました。今後、他領域の専門家の
方の目が入ったり、同じドンザでも他地方の
研究家との邂逅によって、研究が進むという
こともある気がします。岡本さんのライフワ
ークでもある、ドンザを活かした地域おこし
活動も関わる人の輪が広がっていくとよいですね。

今回の勉強会を企画して下さった阪上さん、
お話下さった岡本さん、ありがとうございま
した!会場となったei-toは旧江井小学校を
リノベーションした素敵な空間でした。


テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。ランチのご予約は
4組で残り2席となっています。12時以降は
お料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も
承っています。

それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!

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テマヒマ

テマヒマは、高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01