芋蔓
おはようございます。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
先日の東京出張の話が続きます。
世田谷美術館をあとにして、三軒茶屋のキャ
ロットタワーにある生活工房で開かれている
アウトオブ民藝「民」から芋づる編を観に行
ってきました。
アウトオブ民藝は、軸原ヨウスケさんと中村
裕太さんによる、民藝の周辺を探るリサーチ
活動。民衆的工藝、略して民藝が生まれた頃
、柳田國男の民俗学、富本憲吉の民間芸術、
山本鼎の農民美術運動、今和次郎の平民工芸
など様々な「民」を冠した言葉や活動が勃興
した時期であることはよく知られているとこ
ろですが、今展はそれを年表にまとめて展示
したものです。〜8/25まで開催中で、なんと
無料!
先日、まいまい京都さん主催の民藝と発酵の
お話会&ランチ会で参加者の方から、民藝と民
芸は違いますか?という質問を受けましたが
、敢えて民藝という字の方を僕は使うように
しています。その時はざっくりとした説明を
してしまいましたが、よろしければ過去に書
いた藝芸というブログをご覧頂けたらと思い
ます。で、この展示の冒頭の説明文を読んだ
時にライフスタイルとしての「MINGEI」とい
う一言があって、世田谷美術館で開催してい
る民藝(表記:MINGEI)展への皮肉(?)も含んでるのかしら?というのは深読みし過ぎかもしれませんが(いやサブタイトルにMINGEIのB面
!と書いてるから意識はきっとしている)、
民芸⇆民藝と合わせて、スタイル(様式)化した
MINGEI⇆民藝という切り口でも民藝を考える
のも必要かもしれません。
さて、その「民藝」。今回の展示で個人的に
特に興味を持ったのは、最初に民藝という言
葉が辞書に載ったのは1935年(柳らが作ったの
は1925年)で、その時は1️⃣民衆藝術2️⃣民俗藝
術という説明だったとのこと。民衆的工藝と
は書かれていない。
ちなみに民衆藝術は1️⃣一般民衆の作り出した藝術品。名のある藝術家の作にかからぬ作品
。民藝。2️⃣一部の特権有閑階級に独占されている藝術を一般民衆のものたらしめんとして
生まれた藝術。
民俗藝術は、民間に伝はり、民間の手になる
即ち民俗学的の藝術。郷土藝術も同じ意に用
いられる
と書かれていたそうです。柳宗悦と柳田國男
の対談で民藝と民俗学の違いがクローズアッ
プされていますが、辞書上は結構ごっちゃに
なってるのも面白いですね。
もう一つ面白かった話。
柳宗悦は、華々しくデビューした河井寛次郎
の(初期)作品に対して批判的で、濱田庄司が
間を取り持つかたちで、河井寛次郎が柳宗悦
のものに訪れ対面して、柳邸にあった木喰仏
や李朝陶器を見て感動したことで、打ち解け
たという話が有名ですが、柳宗悦の奥さん、
声楽家の兼子によれば「兼子、まずいんだ
よ、僕が悪く書いた人が来ちゃった、お前会
ってくれ」と居留守を使おうとしていたそう
。なんとも人間臭い、でもなんだか笑ってし
まうエピソードですね。
またアウトオブ民藝(書籍の方)も改めて読み
返したくなりました。民俗学と言えば、最近
100分で名著でも紹介されている宮本常一の
「忘れられた日本人」も興味がありますが、
とりあえず昨日届いた「今を生きる思想 宮本
常一 歴史は庶民がつくる」(畑中 章宏)を読み
始めました。
テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。昨日はお客様もと
ても少なく、しかも営業時間開始後にご予約
キャンセルの方がいらっしゃったり、駐車場
がどこも満車なのでキャンセルという方がい
らっしゃったり、なんだかなぁは日でしたが
、前日お買い物して下さった方が使ってみて
とても良かったからともう一点追加でご購入
にお越し下さったりということもあって嬉し
かったです。今日はどんな一日になるでしょ
うか?ランチのご予約もさんくみ3組で残り11
席とお席にかなり余裕がございます。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!
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