主張
おはようございます。
高槻市にある民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
北陸旅3日目9/6(金)最初にお邪魔した光徳寺
さん。500年以上の歴史を浄土真宗のお寺で、
棟方志功が戦争中疎開し、住職の高坂貫昭氏
と親交があったことから、棟方の作品を多数
所蔵していて、また日本だけでなく、世界の
民藝品が並ぶ様はまるで民藝館のよう。
現代では、申し訳ないですが、お寺って檀家
さんでもない限り、法事とかでないと行かな
い、そんな場所になってしまっていますが、
この日も中学生が社会学習で来てたりして、
民藝(の品)が、人が集う、交わる、きっか
けとなっていていいなぁと思いました。
光徳寺さんに行った際、ご案内下さった、現
住職高坂道人さんの奥様真理さん、そしてそ
の後、訪問した大福寺住職(となみ民藝協会
会長・日本民芸協会常任理事)の太田浩史さ
ん、お2人から実はある同じ逸話をおうかがい
しました。
ジョン・レノンが亡くなった後ですが、オノ
・ヨーコさん、光徳寺さんにお越しになった
ことがあったそうです。ご実家のお墓が富山
にあるとかで、お付きの方が毎回お墓参りの
後色々行先をアレンジされていて、光徳寺さ
んへ。飛行機の時間があるのでと当初急いで
見て回る予定だったのが、世界の民藝品が並
ぶ姿ののあまりの素晴らしさに、飛行機の時
間を遅らせたほど。オノ・ヨーコさんがその
時こんな質問をしたそうです。
「ここには対立する国や宗教のモノが並んで
いますが喧嘩しないのはなぜですか?」
何故だと思いますか?という当時の住職の質
問返しに対して、オノ・ヨーコさんは
「住職がお一人でどれも愛情を持って選ばれたものだからですか?」
と答え、それに対して住職は
「(ここに並ぶ民藝品は)自己主張しないもの同士だからだといます」。
テマヒマでも、巧藝舎さんを通して、海外の
テマヒマでは、多くの作り手の皆さんの器や
暮らしの道具を扱わせて頂いていますが、お
客様から「色々な地方のモノがあるのに不思
議とまとまり感がありますね」と言われて、
僕自身の目線で選んだものなので、バリエー
ションはあるが統一感がある、個人店のセレ
クトショップの醍醐味だな、ぐらいに思って
いましたが、「我」ではなく、モノ自体が持
つ力のおかげなのだなぁ、と反省しました。
大福寺の太田住職は、自己主張が強くなると
、個性が弱まる、と仰っていました。他と違
う、ではなく、普遍性が生まれた時に、かえ
って個性が強くなるのだとも。
「自己主張≠個性」
確かに、ここにあるモノ達は自己主張は無い
が、とても個性あるモノばかりですものね。
このことは、我執に囚われない、我執から離れる上で導きになるような気がします。
そして、民藝のモノや心が、世界平和にもつ
ながるのでは?と思えました。
長らく夏休みを頂いていましたテマヒマです
が、明日から営業再開です。
それでは明日から好いモノ、好いコト、好い
トキをテマヒマで。今日も好い一日を!
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