料理

こんばんは。

高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食

に関する古書のセレクトショップ、お味噌や

発酵食品中心のカフェ、テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


「丁寧な仕事を経て生まれた料理は、空腹を満たすだけでなく、空虚な心を満たすことがある。」ここ最近このテマヒマブログでご紹介している、若松英輔さんの日経新聞での連載「言葉のちから」から。言葉についてのコラムなので、言葉も同じ理が生きている、と続くのですが、テマヒマかけて作られたお料理はきっと頭(脳)ではなく身体(腸)が喜び、しかも逆転するようですが、満腹というよりは満足してもらえると考えています。満足は脳ではなく心に届いてのことと思うので矛盾はしていないかな。


このコラムで若松さんは「食べる」=「読む」、「料理する」=「書く」に置き換えていましたが、別の回で「書く」という行為と「話す」という行為は随分違うという趣旨のことを書いてらっしゃいましたが(このブログは話すように書いていますが、それでも話すようには書けないもの)「書く」と「読む」はさらに違う言わば真逆の行為のように、「料理する」と「食べる」もそうで、思ったほど重なっていない、重なりが小さくなっているように感じます。何度か書いている例ですが、テマヒマでランチでご提供している納豆ドレッシングを召し上がった後、「ドレッシングは売ってませんか?」と聞く方と「ドレッシングはどうやって作るのですか?」と聞く方がいらっしゃって、後者より前者の方が多いです。ビジネスとして考えればドレッシングの販売をするべき(つまり前者を歓迎する)だと思いますが、ご家庭でお味噌や発酵食品を取り入れて欲しいテマヒマとしては後者が増えて欲しい。何が入っているかをお客様に答えて頂きこちらは〇×をお伝えする方式。


料理研究家の辰巳芳子さんは若松さんに「何を食べるべきかではなく、食べるとは何かを考えている」と言ったそうです


土井善晴さんの著書はこれまで何冊か読んできましたが、最近は土井さん出演のポットキャスト番組「料理を哲学する」を聴いたり、土井さんが講師を務める日本民藝協会民藝講座第三期「料理から民藝を考える」をオンライン受講したりしています。その中で、人間は賢いから料理をするようになったのではなく、料理をするようになって賢くなった、人間になったということを仰っていてなるほどと思いました。料理することで消化を外部化し、それによって顎などの骨格が変わり、脳が大きくなり、また余暇が生まれたと。人間が料理をせず食べるだけになっていくとしたら、それは料理をも外部化したと言えば進化のようにも聞こえますが、感覚を失うこと、自然との繋がりを失うことで、退化していく気がします。極論すれば人間でないとも。これからAIがさらに発展して活用することが増えていった時、それは人間に進化をもたらすでしょうか?退化してしまうでしょうか?


「食べる」場所である飲食店でそんなことを考えお店を営んでいるところがあるようには思えませんが、飲食だけでない店、暮らしを提案する店であるテマヒマは、「食べる」だけでなく「料理する」というところまで繋いでいきたい、最近特にそう考えています。


寒さもあってか昨日はランチ1組、カフェ1組のご来店のみ。今日はそこまででは無かったですが、のんびりゆったりとした店内でした。寒さ暑さには勝てませんね。この寒い中お越し頂きました皆様ありがとうございます。明日も寒波は続きそうですが変わらず11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約はお2組のみで残り9席とお席に余裕がございます。尚、明日はいつもより1時間早い17時閉店とさせて頂きます。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れさまでした!好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。


メイン画像はヴァレンタイン頃まで限定の味噌フォンダンショコラ。残り14点で終了です。是非ご賞味下さい!

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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01