口伝

おはようございます。


民藝と発酵をモノサシに

食をとして暮らしの豊かさを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


一昨日のことですが、お店を途中で抜け出させて頂き、阪急西院駅近くのstudio 皓々さんで開かれた森公男さんのお話会&お茶会に参加させて頂きました。studio皓々さんはテマヒマのすぐ近く芥川商店街にあったwonderful tableさんのオーナー・秋道花織さんが先月オープンしたギャラリー。元工場をリノベーションした開放的な空間に、ご家族が蒐集した民藝の器や道具が並んでいました。


森さんとは先日高島屋で開かれた催事「つなぐ、つながる、民藝」でもご一緒させて頂きましたが、今回は修業時代の話、師・上田恒次さんのこと、モノ作りの考え方などなど色々なお話をお伺いすることが出来ました。カジュアルな茶席スタイルということもあって少人数でリラックスしたムードだったのも良かったです。


森さんは上田恒次の最後のお弟子さんですが、半ば押しかけ的に住み込みの内弟子になったとのこと。上田恒次さんは現在京セラ美術館で開催中の民藝100年展でも取り上げられていますが、河井寛次郎の弟子というか、練上の技法を伝授された友人というか。二人の縁を結んだのも「建築」だとも言われていて、五条坂の河井寛次郎邸も、木野の上田恒次邸(は写真でしか拝見したことはありませんが)も素晴らしい。


森さん曰く、師匠の上田恒次さんは無口で、直接的に何かを教えてもらったことはないとのこと。背中を見て学べ的な昔気質、職人気質みたいなところがあったのでしょうか。陶芸については独学だったと仰っていましたが、それでも師匠夫婦と食事を共にしたり、上田恒次や河井寛次郎の器が身近にあったり、使ったりすること自体から得たこと、吸収したことはあったかと思います。森さんご自身も、左官屋さんや大工さん、薪を持ってきた職人さんと話す中で学んだこともあった(何からでも学べる姿勢が大事)とお話されていました。


一か月ほど前ですが、発酵デザイナーで発酵デパートメント代表の小倉ヒラクさんと編集者でRe:S代表の藤本智士さんがテマヒマにお越し下さいました。藤本さんはここのところ何度かお越し下さってますが、ヒラクさんは初めて。お2人がテマヒマに揃っていらっしゃってるということはとてもエキサイティングなことなのですが、その直後ぐらいに藤本さんがVoicyさんでお話下さってます。

お2人の話があまりに楽しそうだったので、最後の方に僕も加わらせて頂きました。そんな中で確か藤本さんからだったと思うのですが「口伝(くでん)」ということが気になるという話がありました。無字社会だった時代や地域ならまだしも、今でも、文字ではなく「敢えて」口伝という方法を取っているのは何故だろう?という投げかけだったと思います。それに対してヒラクさんから、聖書も実は時代毎に違っているという例を挙げて、「変化」ということに注目した発言がありました。


最近ポットキャストで、富山県南砺市の「水と匠」の林口砂里さんがお話されているのをたまたま見つけて聞いていました。私の言葉は、太田(浩史大福寺)住職(日本民藝協会常任理事)の受け売りなんですけど、と仰りつつ、でもとても分かりやすく感じました。それはきっと太田さんの言葉そのままではなく、吸収して咀嚼して解釈して発している言葉で、きっとそこに林口さんを通すことによる微妙な「変化」があって、それもまた「口伝」なんだろうなぁ、とその効用を感じたりしています。太田さんの言葉の中にもまた、きっと民藝や浄土真宗などから吸収して咀嚼して解釈して発していることがあるんだろうなぁと想像します。よくこのブログでも今やオリジナルなことって無くて殆どは再編集されたものでは?といったことを書いていると思いますが、その再編集部分にオリジナルが生まれると言えるかもしれません。


上田恒次さん→森公男さんという伝わり方で言えば、もはや文字どころか言葉さえも介していない(口伝でさえない)ことになります。だからこそ、言葉ならざるものを森さん自身が必死に解釈して、自分の言葉にしようとすること自体が尊いように感じました。


以前よりも「言語化」ということがよく言われ、「言語化力」が高さが評価されている気がします。「言語化力」は高い方が勿論よいと思いますし、仕事柄「言語化力」は求められますが、それが、言葉にならないモノやコト、ココロを軽視したり、排除してしまったり、ということにならなければいいなぁと思います。


テマヒマは今日明日火曜日水曜日で定休日です。

明後日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。


それでは木曜日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も好い一日を!


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テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する古書のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 ヴィーガン対応、ロースイーツもあります。 食に関するワークショップも随時開催中! 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、お買い物、ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01 哲学カフェはじめました。