勘所

こんばんは。


民藝と発酵をモノサシに

食を通して暮らしの豊かさを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


先日、手業というタイトルで書いた「クラフト考」に続いて、今日はクラフトという言葉を別の観点で。前回に続いて今回もネタ元はポットキャスト。「二番経営~組織を支えるNO2のひきこもごも~」という番組から。視覚偏重の時代、ショート動画が流行る時代に、長尺の聴覚メディアに興味が高い今日この頃です。

山口周さんのヒット著作「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」」でも、ミンツバーグの「アート」「クラフト」「サイエンス」が取り上げられていたのですが、このポットキャストを聴くまで忘れていました。で、該当箇所を改めて読み返したりしていました。


「アート」は未来を見通すビジョンやひらめき、「クラフト」は現場の勘所や経験、「サイエンス」はエビデンスに基づく予測とか分析とか。


で、タイトル画像に使用しているのは、そのミンツバーグによる、アート度、クラフト度、サイエンス度の分析テスト。実際、僕もやってみると、


A(rt) アイデア、直感、ハート、戦略、情熱 

C(raft) 仕事をやり遂げよう!

S(cience) 情報伝達、ブレない、組織構築、考える

というわけでアート度5、クラフト度1、サイエンス度4というバランス。


クラフトについて書こうとしてるのに、クラフト度の非常に低いという結果笑。アートとサイエンスがバランスしているとも言えますが、そこが自分の突き抜けなさであるとも言えます。自己分析と、他の人からみた分析とで違う場合もあるでしょうし、どれが正解という訳ではありませんが、組織の中に多様な人材いることが望ましいとは思います。山口周さんは、アートをトップに据え、クラフトとサイエンスを左右の両翼を固めてパワーバランスを均衡させることが望ましいとしています。PDCAで言えば、アートがPLAN,クラフトがDO、サイエンスがCheckという役割分担。


山口周さんは、経験から説明出来ることの出来る「クラフト」、データや情報から説明することの出来る「サイエンス」に対して「アート」はアカウンタビリティが低いためどうしても分が悪い。というところから著書のタイトルにもつながる「アート」の重要性を述べます。


過去のテマヒマブログで企業におけるPDCAが、PdCaになっているというようなことも紹介しましたが、その論で言えば頭でっかちで実行の弱さ、「クラフト」もまた弱っているのでは?たたき上げの経験値みたいなものが軽視されたり、(うまくいくまで)やり続ける、やり切ることが無くなってきているような気がします。後者は企業が短期目線、短期評価に陥ってることの影響でもありますが。


ある企業の話ですが、その企業が元々どれほど「アート」だったかは分かりませんが、なかなか説明が難しい、独自性があったかと思います。経営層が代替わりしていく中で「サイエンス」に傾いていった結果、普通になっていきました。そして外部からコンサルが入ったり、経営人材が入ったりする中で、ますますサイエンス度が上がり、アート度だけでなくクラフト度さえも下がっていき、加速度的に弱っていった、ということが起こったように思います。


かなり個人的な、主観的な話で、振り返ってみるとそうだったという話ですが、もしかしたら全国に似たような企業の例もあったりしますでしょうか。そんな経験があるからこそ今、テマヒマのあり方を考えたりします。サイエンス的にアートしてる、変な感じですけど笑。


そして、AIの活用が進んでいった世界では、「サイエンス」だけでなく「アート」の部分もAIが活躍して、意外とネット上に情報の無い、言語化出来ていないような「クラフト」部分が重要になっていくのでは?と考えたりしています。


というわけで、クラフト考2ということで、同じ「クラフト」という言葉で全然違う使い方の話を書いてみました。


今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。






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テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する古書のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 ヴィーガン対応、ロースイーツもあります。 食に関するワークショップも随時開催中! 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、お買い物、ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01 哲学カフェはじめました。