流動

こんばんは。


高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


一昨昨日から昨日にかけて3人の論者による日本経済新聞で「若者世代の消費行動」という連載があり興味深く読みました。初期テマヒマブログではマーケティングよりブランディングということを言っていてマーケティング的なブログをよく書いていましたが、年始のコンサル事業開始宣言のようにマーケティング的なところから少し距離を置きたい感覚があったのですが、社会の流れ、変化というか、購買「心理」というか面白かったです。内容をご紹介しつつ、僕なりの考えも書いてみたいと思います。

若者世代とはありますが他の世代にも共通するところも多く、小々馬敦産業能率大学教授の「逆社会化」現象の指摘は納得です。従来は上の世代の価値観が下の世代に影響を与える「社会化」のプロセスを経て社会通念や慣習が継承されてきたが、デジタル情報のリテラシーの高い子ども世代から親の価値観や消費行動に影響を与える「逆社会化」現象が顕在化しているというもの。ちなみに企業において年上世代の方が若者世代よりデジタルリテラシーが低いことで軽く見られるというシーンがあるかと思いますが、そこだけが価値や評価じゃないよ!って声を大にして言いたいです。


小々馬教授の論は、Z世代とその次のAIネイティブとも言えるα世代との比較ですが、毎日洪水のように浴びせられる情報に乗せられて「選択を失敗したくない」心理は共通していると言います。「失敗したくない」というのは、テマヒマブログではこれまで何度も触れてきているように、全世代的な最近の傾向に思えてなりません。Z世代について述べている鈴木謙介関西大学教授の論考でもこの「失敗したくない」、「失敗の責任と負いたくない」(他責思考)は述べられています。


世代論と合わせて情報の流れの変化を小々馬氏は述べていますが、企業・ブランドから(セグメント単位の粗い)パーソナライズされた情報がユーザーに届く時代から、自分の嗜好を深く知る「私のAI」が企業・ブランドに情報を最適化した情報を取りに行く時代に変わると予想しています。情報の流れが決定的に逆転するということですが、いずれにせよ「果たしてそれは自分で選んでいるのだろうか?」という哲学カフェでも提案したことのある最近の僕の「問い」は何ら変わっていないと思います。


鈴木教授と久保田進彦青山学院大学教授の論で言い回しは違えど共通していて面白いと思ったのは「寝かせる」感覚。鈴木教授は、購入に踏み切るきっかけ(フタを外す/背中を押す)が企業には求められるとしています。


久保田教授が紹介している「リキッド消費」という言葉はお恥ずかしながら初めて知りましたが(マーケティング的なところから離れ、ビジネス書も読まなくなってるのでそりゃそうですが)、短命で・アクセスベース・脱物質的な消費という定義。まとめを抜粋すると

「物事の価値がはかないものとなり、所有に意味を感じず、形あるものを必要としなくなることで、消費は流動化し、気まぐれで移り気な様相を強めていく」

久保田教授はそれに加えて「省力化」という特徴も重要だとして、おススメやランキング、ワンクリック購買などが選択や判断の負担を軽減するように、できるだけ時間や手間をかけない方向に進んでいると指摘します。リキッド消費の時代において、意思決定や思考様式も変わりつつあり、若者の消費行動は変化に適応した合理的な振る舞いでは?と擁護というかやや肯定的に捉えていますが、僕自身はやはり前段に書かれている「主体性の低下」「思考の浅さ」の方が気になるところで、それは若者に限らず、ネット、デジタル、AIの現代において、これまで様々なものを外部化して進化してきた人間が、大切なことまで外部化して退化を始める、そんな時代の始まりになっていないか?危惧するところです。大袈裟でしょうか?


今日は一日中雨でしたがお越し頂きました皆様ありがとうございました。お客様も少なかったので皆さんゆっくりお過ごし頂けて良かったです。

明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で満席となっていますので少し遅めにお越し頂くのがおススメです。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。


それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。

今日も一日お疲れ様でした。おやすみなさい。







0コメント

  • 1000 / 1000

テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する古書のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 ヴィーガン対応、ロースイーツもあります。 食に関するワークショップも随時開催中! 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、お買い物、ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01 哲学カフェ、コンサルはじめました。