文化

おはようございます。


暮らし、味わう。

食を通して豊かなライフスタイルを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


現在テマヒマでは、小倉ヒラクさんの「日本

発酵紀行」「発酵文化人類学」を販売してい

てご準備していた半分ほどがお客様のもとへ

と旅立っていきました。

その小倉ヒラクさんと、編集者の藤本智士さ

んのトークイベント「蔦屋発酵計画 〜書店を

発酵させるには?」を聴講しにちょうど一週

間前になりますが梅田の蔦屋書店に行ってきました。

これまで3度小倉ヒラクさんのお話を聞きに

行ってるのですが、改めて、賢い人だと思い

ました。すごく雑な表現ですけど。そして考

えだけでなく行動、実践しているのがすごいと。


いい商品を作りさえすれば(テマヒマで言え

ばいい商品をセレクトしさえすれば、美味

いしいランチやスイーツを作りさえすれば)売

れるということはなく、いいお店さえ作れば

お客様が来て下さるということはないと僕自

身思っていて、だから広告宣伝費こそかけな

いものの、自前のSNSやブログでテマヒマ

は発信し続けています。

小倉ヒラクさんは、前著「発酵文化人類学」

で、もちろん本の内容は非常に素晴らしいの

ですが、同時にそれをお客様にお届けするの

に、現在の出版の流通の問題点を分析し、そ

の土俵ではなく、自分の土俵を作るというこ

とに成功しています。

その戦略については、小倉ヒラクさん自身の

ブログに詳しいので、是非是非ご一読下さ

い。非常に面白いです。そしてきっとすごさ

に唸ってしまうと思います。

新著「日本発酵紀行」も基本的にはこの路線

の延長にあり、テマヒマもその祭りに手を挙

げさせて頂きました。


【発酵文化人類学】一週間で重版出来!の舞台裏。マーケットではなくコミュニティに届ける。

読みたい人がいるからつくって、読みたい人にまっすぐ届く。 本づくりをシンプルな関係性に戻すには、知恵と工夫が必要です。発売一週間で重版出来というミラクルを起こした新著『発酵文化人類学』の本づくりと売りかたの背景は、僕なりの「愉快&シンプル大作戦」があったのでした。 ということで、発売一ヶ月経って「作戦大成功!」と言ってよさそうな状態になったので、その舞台裏を公開します。長いけど興味ある人はご一読あれ。 本づくりのコンセプトと課題整理 昔からお世話になっているD&Departmentにて。今までの縁がつながって本ができました マーケティングで売るのではなく、コミュニティに届ける。 これが今回僕が本をつくるにあたってのおおもとの考えかたです。 「えっ、いったい何のこと?」と思うかもしれないのですが、これから説明する具体的な方法論を支えるコンセプトになるので、まず最初に「キーワードはコミュニティなのだ」ということだけ覚えておいてね。 ▶本屋さんで感じたギモン 本屋さんに行くと、名前が広く知られている著者の、色んな出版社から出たちょっとずつ内容が違う本が棚一面に置いてある場面に出くわします。 これって普通に考えたら異常な光景だと思いませんか?自分の好奇心を刺激してくれるような本のラインナップを求めて本屋さんに行くと、悲しくなるほど多様性のない本棚が待っている。「これならネット通販でいいや」と思ってしまいます。 でね。 なんでこんなことが起こるのかしら?とかもめブックスのオーナー柳下おじさんに聞いてみたらば、 柳下おじさん「問題は本の流通にあるんだよ!」 ということがわかりました。 ▶初版部数が少ないと本が埋没する 本をつくる出版社と本を売る本屋さんのあいだには「取次」という仕組みが仲介に入って本を全国に流通させています。この「取次」の役割は大きく分けると3つ。 【A】出版社の本を預かって全国の書店に配送する「倉庫」の役割 【B】本の売上を預かった部数だけ出版社に前払いする「銀行」の役割 【C】取次の各社が持っている販売網に本を流通させる「流通」の役割 この3つが出版社と本屋さんの仲介に入ることにより、 ・本が全国の書店に同じ値段でフェアに流通する という状況をつくり出すことができます。本は基本値引きやプレミアム価格で売ることができない

hirakuogura.com

テマヒマは民藝の品を販売するというセレク

トショップの顔、発酵食品を中心としたカフ

ェの顔、と同時に、食をテーマにセレクトし

た本を販売するという書店の顔を持っていま

す。といってもほとんどは古書ですので古書

店ですが、新刊書としては、小倉ヒラクさん

の「発酵文化人類学」「日本発酵紀行」、影

山知明さんの「続・ゆっくり、いそげ」、あ

と、雑誌「民藝」をお取扱いしていますが、

いずれも「取次」経由ではなく出版社から直

接というルートです。


小倉ヒラクさんはイケてる本屋さんは、文化

の発信拠点、コミュニティーのハブになる、

と考えていて、だからこそそんなイケてる本

屋さんのテンションが上がるようなことを考

え様々な施策を打っていっているように思え

ます。

テマヒマブログの中で、たまに焦りや危機感

を表明してしまうのも、配り手、繋ぎ手、あ

るいはサードプレイスといったことを標榜し

ながら、飲食店のある一面だけが捉えられる

そこしか伝わってないのでは?ということに

起因します。9ヶ月目で言うようなことか、そ

れにはそれこそテマヒマかかるだろう・・・

ということは重々承知の上で。


トークイベントの最後に、スタンダードブッ

クストア代表の中川さんが緊急登壇されまし

た。「本屋は文化を売るのではなく、文化を

作るところ」「場を作りたい。そのためには

隙間が大事」といった趣旨のことを仰ってい

て、僕も思わず深ーく頷いていました。現在

スタンダードブックストアは閉店していて次

の新店の構想を練ってらっしゃるところだと

思いますがどんなお店が出来るのか楽しみで

すね。テマヒマもそんな文化的な場所であり

たいと改めて思っています。


藤本智士さんのお話も大変興味深かったので

すが、今回はどちらかと言えば小倉ヒラクさ

んの発言にフォーカスしたまとめになってし

まいました。

「疲れているところを元気にする(≒問題点を

解消する、太田訳)ことでミドルサイズのヒ

ット(成功)が出来る」

という小倉ヒラクさんの言葉は、出版業界の

ことに限らず、他のことにも当てはまる、示

唆に富むものに思います。


「日本発酵紀行」「発酵文化人類学」追加注

文した方がいいかなぁ?どうしようかなぁ?

と迷いつつ、今日も11時オープンで皆様のお

越しをお待ちしています。ランチの11時半の

お時間もご予約は4組のみ残席7と余裕がござ

います。

それでは今日もよい一日を!



小倉ヒラクさんが登場するこれまで書いたテマヒマブログのリンクも貼っておきます。


0コメント

  • 1000 / 1000

テマヒマ

テマヒマは、大阪府高槻市にある、 民藝の器、暮らしの道具、 食に関する書籍のセレクトショップ、 みそソムリエの作る発酵食品中心のカフェです。 食を通して暮らしの豊かさを提案しています。 「暮らし、味わう」 高槻市にお越しの際は、 築90年の古民家をリノベーションした 隠れ家的空間で、 器や暮らしの道具のお買い物、 ランチ、スイーツをお楽しみ下さい。 Since 2018.10.01