Hitoshi Ota

2018年3月末22年勤めた会社を退職しました。
「暮らし、味わう。」をテーマに
食のセレクトショップ&カフェ テマヒマ
OPENに向けて準備中の45歳です。

記事一覧(2164)

働熊

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー、バイヤーの太田 準です。清水寺で発表される、毎年恒例の漢字一字。今年は「熊」でした。確かに「熊」のニュースを見聞きしない日はないぐらいでしたが、今年の漢字一字に選ばれるほどだったのか?と驚きました。どちらかと言えば僅差で2位だった「米」や3位だった「高」の方が正直しっくりきます。熊の出没は、温暖化とか自然破壊とか中長期の理由は分かりますが今年特にというのはどういう理由だったのでしょうね?SNSでタイトル画像のものを見ましたが、AIを使ってうまいこと作る人もいますね。そして、話は遡りますが、今年の新語・流行語に選ばれたのは「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」。話題になった言葉だと思いますが、新語なのか?流行語なのか?という疑問はありました。テマヒマブログでずっと新語・流行語大賞ノミネートの言葉をどれだけ自分が知ってたか自己採点をして公表していましたが、今年ですと、トップ10の中でも「エッホエッホ」は存知あげなかったですし、ノミネート30語にいたっては、20勝10敗。皆さんはどんな感じなのでしょうか?「働いて働いて・・」については、多くの批判を呼んでいましたが、頑張りまっせ的な意味、気合を表した表現で、特に違和感はありませんでした。そりゃトップの人間はそうあるべきだろうとさえ思います。ただトップがそう働いた時に、トップだけでなく、巻き込まれる周囲(総理ともなるとそれがかなりの数になるでしょうから)にも影響するということは考えないといけないですね。問題はその後に続く「ワークライフバランスという言葉も捨てます」だったのだと思います。河井寛次郎が言った「仕事が暮らし、暮らしが仕事」が「ワークがライフ、ライフがワーク」とそのまま訳されるわけではありませんが、ワークとライフが完全に分かれてる人ばかりではないと思います。そしてワークライフバランスという言葉には、言外にワーク=働かされいるという意味がこめられ、ワーク⇔ライフが対立する言葉、時間、領域と捉えてのだろうと思います。僕の中ではライフの中にワークがあるイメージですが、それは自営業だからでしょうか?皆さんはどうでしょうか?「ワークライフバランスって何?」という哲学対話をしてみても面白そうですね。休むことも仕事、ではないですが、ワーク以外の充実がワークに影響することもあるでしょうね。カフェのお客様が途切れたのでブログを書き始めましたが、今日もお越し頂きました皆様ありがとうございました。12月になってお客様が増えてきている印象です。明日(12/15)は、薬膳講座開催の為、ランチのご提供はございませんのでご注意下さい。薬膳講座ご参加の方は11時、通常営業は14時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も1日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

年跨

令和7→8年 「年またぎ蔵出し市」8DAYS毎年恒例の「初売り蔵出し市」ですが、今年は「年またぎ蔵出し市」として年末・年始、8日間に渡って開催致します。日程①2025年12/27(土)~28(日)②2026年1/3(土)~4(日)③2026年1/9(金)~12(月・祝)時間11:00~17:00場所テマヒマ〒569-1123大阪府高槻市芥川町3-10-13Tel/Fax072-655-3259Mailtemahimaselect@gmail.com店内のカフェスペースも全てショップスペースとして、普段、店頭に出し切れていないモノも含めてお出ししてご覧頂きます。令和8年ということで、8にまつわる、8つの特典をご用意しました。(12月入荷分は対象外です)①8888円以上ご購入で8%OFF②10800円以上ご購入で元上代の10%OFF③18000円以上ご購入で元上代の88%(12%OFF)④80000円以上ご購入で元上代の18%OFF⑤888888円以上ご購入で元上代の8×8=64%(36%OFF)⑥8日とも8番目にお買い上げのお客様は更に8%OFF⑦古書8冊以上ご購入で元上代の80%(20%OFF)⑧振舞酒(どぶろく樫田)ご希望の方毎日先着8名様 (2026年ご来店、車でのご来店の方以外、売切次第終了)※蔵出し市期間中は、物販のみの営業で、ランチ・スイーツ・ドリンクのご提供はございません。変則的な営業スケジュールとなりますが、年末年始皆様のお越しをお待ちしております。こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。年始に初売り蔵出し市、ゴールデンウィークにゴールデン蔵出し市、10月1日の開店周年記念の蔵出し市。カフェスペースも使ってショップのみ営業をする年3回の蔵出し市も定着してきたでしょうか?うち初売りと周年記念前後は、少しお得な特典を付けさせて頂いています。令和〇年とか、〇周年記念とか、〇にちなんだ日程や特典を設定をしています。まぁ、お遊びみたいなものですが、ずっとテマヒマの動向をウォッチして下さってる方は薄々気づいてらっしゃるかもしれませんが、この数字にちなんだ企画も、なかなか厳しくなってきました。8日連続営業というのも厳しいので、今年は「年跨ぎ」で8日間。主に週末、祝日を中心として、3週に渡って開催します。かなりイレギュラーな営業日程となりますのでご注意下さい。また蔵出し市期間中は、物販のみの営業で、ランチやドリンクのご提供はございませんのであわせてご注意下さい。

工藝

こんばんは。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日は、兵庫県民芸協会の月イチ読書会。会場でテマヒマをご利用頂きました。「民藝四十年」の柳宗悦の論考を順に読んでいっていますが、今回の課題図書は「雑誌「工藝」発足」。雑誌「工藝」は1931年に創刊され120号続きます。当時の世間の工藝の領域が(美術工藝に寄っていて)柳らが考えてることと違ってることから創刊したとありましたが、芹沢銈介、鈴木繁男らによる様々な技法、意匠の表紙の雑誌「工藝」そのものが工藝。展示会や写真で表紙を拝見したことは勿論ありましたが、今回、参加者のお持ち下さった実物の中頁を見ると、印刷では無く、写真や生地を貼ってるものもあって驚きでした。それにしても毎月500~1000部も創作していたと思うと驚異的です。そして読者層はどんな方達だったのでしょうか?文庫で4ページと短い文章なのですが、読んだ時に気になったのは、・雑誌名が当初「民藝」を考えてたが青山二郎等の意見で「工藝」になった経緯・柳宗悦が経済面や事務作業が不得手だと自己認識していたこと・(1939年12月に発表された)所謂”民藝樹”と呼ばれる民藝運動の三本柱、出版×流通×美術館。「工藝」創刊段階でどれぐらい意識的だっただろうか?という点。論考中、将来は美学的研究だけでなく、「工藝と社会」、「工藝と経済」、「工藝と組織」といったテーマでも論文を書いてみたいとありましたが、実際に書くことはあったのでしょうか?民藝(思想)の現代的意味、モノサシとしての民藝に興味がある僕としては気になるところです。発酵型組織マネージメントみたいなことをテマヒマブログでも書いたことがありますが、民藝的な(考え方の)組織、民藝的な(考え方の)経済とかってどんなしょうか?最近、アート×クラフト×サイエンスについて書いたばかりですが、僕も考えてみたいテーマです。それこそいつかブログで書いてみたいと思います。「知る人」は多いが「見える人」は少ない。雑誌「工藝」の使命は将来「見える人」を養うことである。最後のこの一文がおそらく一番言いたかったことでしょうが、「直観」ということの難しさを感じます。今朝ある作り手の方と「選ぶ」ということについてやりとりしていたのですが、本当に自分で選んでいるのか?選んでいるようで選ばされているのでは?という場面がネットを中心に今増えているのでは?と思えてなりません。今日はランチタイムよりカフェタイムの方が賑やかな珍しい平日でしたが、お越し頂きました皆様ありがとうございました。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で満席となっていますので、少し遅めにお越し頂くのがおススメです。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様です。好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。

主語

こんばんは。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日は一時間早く閉店させて頂き、ポットキャスト番組「なんでやってんねやろ?」の公開収録に行ってきました。IKEUCHI ORGANICの池内代表と京都店の益田晴子さんと坂の途中の小野代表さんが毎週月曜配信でやってらっしゃって、自宅からお店までの通勤時間にちょうど聞いています。今回は発酵食堂カモシカの代表関恵さんがゲスト。今治タオル/オーガニックタオル、有機野菜/新規就農支援、発酵食品と領域は違えど、目指す社会像の共通するところがあるように思いますし、同じ京都の会社同士で、普段から親しく交流してらっしゃるそうです。会場からのものも含め質問に答えていくかたちでトークイベントは進んでいきました。・20年前の自分と呑んだらどんな話をするか・小さなガッツポーズをするのは・今年一番時間を使ったことなどなど。4人のお話をうかがいながら、もし自分が登壇側だったらどんな回答をするだろう?なんて考えていました。20年前の自分はまだサラリーマンで、ちょうどネットの新規事業を立ち上げようとしている時期で、のちに独立起業することになるなどということも考えていませんでした。20年後ファッションジャンルから工藝品の販売や飲食、オンラインからリアル店舗へと全く違う仕事になるわけで不思議です。でも経験が生きることがあったり、どこか繋がっていたり、無駄なことなどないなぁと思います。そうやって20年前の自分に言うのでしょうか?でも未来が分かってる人生ってつまらないだろうから言わないかな。どちらかと言えば話たがりだった20年前の僕の話を、どちらかと言えば聞くのが少しうまくなってきた今の僕が、吞みながら聞いている気がします。お店でお客様がお帰りの際に「美味しかったです」って仰って下さることが多いのですが、「楽しかったです」って仰って下さることもたまにあります。それはだいたいお買い物やお食事をされる際に色々お話した時なのですが、その時は小さなガッツポーズをしている気がします。今年一番時間をかけたことという問いについては、質問とはズレてしまいますが、きっとDrink Tickets/Omoiyari Ticket/Omoiyari Noteを始めたこと、哲学カフェ(月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」)を始めたことを挙げると思います。どちらも売上・経営へのインパクトは少ない、いやゼロと言ってもよいですが、お店として目指すところが明確になったり、何か一歩前に進めた気がしています。ほんとうに小さな小さな一歩ですけど。そんな、哲学カフェも明日で9回目となりました。運営をお手伝い頂いてる、あかねさんにお声掛けしたのがきっかけで始まった訳ですが、僕自身哲学カフェに参加したこともなく経験は無かったのですが、参考にしたのはポットキャストで聴いていた哲学者・永井玲衣さんの哲学対話。永井玲衣さんがご自身の哲学対話のことを指して「ポケットサイズの哲学」という表現をされていますが、僕も、個人的なこと、個別具体的なことからスタートしてそれが広がり、深まり、抽象化したり、一般化していく、みたいなことの方がいいのかなと思います。世界平和とか地球環境みたいなことも、SDGsみたいな横文字も、主語が大きすぎるとボヤけるというか、空中で言葉が飛び交うような感じになってしまうかなと。そして、誰かが出した問いについてみんなで考え、聞き、話す時も、その人のお悩み相談会的なことではなく、まずは自分事として自分を主語に考えるのがよいかなと思います。以前も書いたように、哲学カフェの場で、僕は司会進行役ですが、結論を導いたりはしませんし、ぬか床の中で菌が自由に活動するのを見守るような役割です。菌が活発になるようにかき混ぜるぐらいで、そこから発酵・熟成して、何かが生まれるのを待つ、そんな姿勢です。哲学カフェお申込み頂いてます皆様は9時、通常営業は11時オープンです。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。タイトル画像は、本文とは全く関係なく、今年も販売開始しました、干支の箸置きです。今年で7年目となりました。干支の箸置きが始まった経緯というか物語というかは、下記リンク「軽口」というタイトルのブログでご覧下さい。

認定

こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。このブログをご覧の方ならご存知の通り、うちの奥さんが店主でみそソムリエです。ただホールスタッフとして僕の方がお味噌の説明をすることが多いことがあって、なんだったらかなり流暢に説明することもあって、僕がみそソムリエだと勘違いしてらっしゃる方が一定数いらっしゃいます。みそソムリエは、みそソムリエ認定協会(一般社団法人 東京味噌会館)が認定する資格で、日本に根づいた 味噌文化を正しく多くの人々に伝えていく味噌の伝道者であり、日本各地にある味噌に精通し、発酵のメカニズムから地方色まで、味噌を愛するが故に幅広い知識を持った 味噌の理解者であり、味噌造りのノウハウや味噌料理のバリエーションに対して敬意と愛着を持ち、日本において味噌を後世に語り継ぐ、味噌の伝承者です(同協会HPより)。うちの奥さんが、味噌が好き過ぎて、みそソムリエの資格を取ったのが2016年11月。その時点では専業主婦で、まさかお店を始めることになるとは考えてもいませんでしたが、みそソムリエの資格を取得したことがテマヒマを始めるきっかけの一つではあって、テマヒマのお店のあり様に影響しているのは間違いありません。そんな「みそソムリエ」の資格試験が今年が最終年度ということを聞き、僕も受験することにしました。そう言えば、試験を受けるということ自体、何年振りのことでしょうか?試験日は10月25日。その約1ヵ月前にテキストと何種類かのお味噌が送られてきて、動画教材と合わせて勉強していきます。少し言い訳めいたことを言うと、難波高島屋の催事「つなぐ、つながる、民藝」ともろかぶりで、最後の1週間に追い込んだ感じです。7年間テマヒマをやってきましたのである程度はいけるのですが、勉強してみてあまり詳しくない分野があることも分かりました。試験当日はオンラインでの受講。知識を試される筆記試験(選択式)30分、味比べする実技試験20分、小論文1問。正解の自信のあるものもありつつ、ちょっと自信の無いものもありました。ちなみに小論文は「味噌の魅力を200文字程度で書きなさい」というものでした。僕の答え「味噌は古来から日本人の身近にあり、保存しやすく、健康によく、何よりも美味しいのが最大の魅力です。各地の気候や風土の影響で素材や色、味など地域性・多様性があるのも面白い。一汁一菜が言われるように、味噌汁は日本人の食の基本であり、どんな具材も受け止めてくる包容力があります。味噌スープとして捉えればお米だけでなくパンとも合い、具材によっては洋風にも出来ます。お味噌汁としてだけ使うのは勿体なく、煮たり、焼いたり、和えたり、様々な調理法で味噌(の多用性)を楽しんで欲しいし、そうすることで食卓も豊かになります。またお味噌は比較的簡単に作ることが出来ます。元々お味噌は買うものではなくご家庭で作っていたもの。手前味噌作りをする人、したいと考えている人が増えてきている実感がありますが、手作りすることの楽しさと供に、そこからある種のコミュニティが生まれます。コスパ・タイパという言葉に代表される効率化・画一化、あるいはデジタル化していく社会へのカウンター、アンチテーゼに、お味噌(や発酵食品)から導かれる思考や哲学はなり得ると考えます。」最後は字数が余って、自論をねじ込んだら字数オーバーとなってしまいました苦笑。次にテマヒマで新メンバー募集する時は、この小論文を課題にしようかな笑。採点結果は特に発表されて無くて分からないのですが、取り敢えず合格しました。ホッ。合格発表は既にされていたのですが、認定証が届くまではテマヒマブログでのお知らせを何となく控えていました。さて、晴れてホールスタッフの僕も「みそソムリエ」の資格を得たわけですが、みそソムリエ夫婦とかWみそソムリエとかといった発信はせず、今後も変わらず味噌ソムリエの店主という表現をしていきます。もちろん、うちの奥さんが変わらず店主で。間もなくテマヒマ本日の営業終了します。お近くから遠くは東京の方までお越し頂きました皆様ありがとうございます。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチは明日から新メニュースタートですがご予約で残り9席となっています。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

手業

おはようございます。民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。「民藝」という言葉が生まれて今年でちょうど百年。それまで「下手物」と呼ばれ見向きもされていなかった生活雑器などに対して、「民衆的工藝」略して「民藝」という新たな造語をあて、価値転換がはかられました。民衆的工藝ですので英訳は、fork art ではなくfork craft。今日のブログではそのcraft 「クラフト」について書いてみたいと思います。民衆「的」工藝と敢えて「的」と付けてることの意味について以前テマヒマブログで少し触れたことがありますが、folk/民衆ということについての現代的意味はまたいずれ深堀りしてみたい気もしますが、今日はクラフト/craftについて。情報収集もAIを活用する時代に、そして視覚優位な時代に、最近音声メディアのSpotifyから情報を得ることが多いです。今回のヒントになったのはOUR CULTURE,OUR VIEWという番組の永田宙郷さんのゲスト回「クラフトこれまでとこれから」に拠ります。永田宙郷さんは、僕も2度ほど行ったことある「ててて見本市/ててて商談会」を立ち上げた人でもあります。クラフトビール、クラフトフェア・・・クラフト〇〇という言葉が溢れる昨今ですが、クラフトウォッチャーでもある永田宙郷さんによると、日本国内では当初は素人的なモノ、未熟なモノ、趣味的なモノを指すことが多かったが、徐々に意味を変化させてきたとのこと。大きかったのは米・ポートランドからクラフトビールがライフスタイルと供にやってきたこと、3.11の影響では?と。デザインという言葉が氾濫し輪郭がぼやけた時期とクラフトという言葉が広がり始めた時期が近かったというのは興味深かったです。クラフトという言葉の中にモノ作りの話だけでなく、・大量生産でもなく1点ものでもない・こだわり・自分らしさの表現・手仕事というだけでなくその背景も・ローカルへの意識・プロセスの共有(開かれている)といった、態度や姿勢もあるのではというお話が出ていました。特に、・(コントロール出来ないものや「ゆらぎ」)受け入れる、委ねる・あるもので何とかするという姿勢や態度(アティチュード)については、民藝が、現代において、暮らし方、生き方のモノサシ足り得るということでテマヒマで常日頃お話したり、書いたりしていることと共通していて、我が意を得たりという感じですが、民藝(folk craft)もcraftなので当然と言えば当然でしょうか。craft(工藝) とクラフトでは指すもの、イメージは違うと思いますが。番組のアフタートーク的に、パーソナリティーの方が民藝とクラフトの関係について永田宙郷さんに尋ねる場面がありました。あくまで個人的な見解と前置きした上で、民藝が新語なのに対して、クラフトはもともとあった言葉で意味が変化してきたもの。民藝が「運動」だったのに対して、クラフトは運動のようなものにはならないかもしれないが「浸透」していく感じではないか?との回答。また民藝がどちらかと言えば「作り手」発信なのに対し、クラフトには「生活者」側からの要素が強いのでは?との発言がありました。民藝についても、100年が経ち、回顧展的なものが続き、懐古的なものを感じることが多く、どちらかと言えば「運動」的要素は失われてるのでは?と思うことがあります。そういう意味では現代的な意味を問い続ける、変化していくことが重要だと考えますが、一方で声高に主張するよりも、静かにじんわり浸透していく方が現代的な気がします。また「モノ」としての捉えだけでなく「暮らし」という側面から捉えることが現代的なのかなぁと考えています。

撤退

こんにちは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ火曜日水曜日定休日プロデューサー,バイヤーの太田 準です。高槻ローカルに特化したグルメアプリ「まちうま高槻」。来年1月から契約条件が変わるということで、12月末をもってテマヒマは加盟店から外れることにしました。「まちうま」きっかけでご来店頂いてるお客様は実感ベースあまりいらっしゃらなくて、「まちうま」のポイントが貯まらないんだったらテマヒマには行かないわという方もおそらくいらっしゃらないと思うのでご来店に与える影響は軽微かと思います。が、物価上昇に伴い価格見直しをした結果お客様は残念ながら減少傾向ですので、本来このタイミングでこの決断は不思議に思われるかもしれません。クルミドコーヒーの店主影山知明さんは、テマヒマで何度も追加しながら販売していました著書「ゆっくり、いそげ」の中で、人には「消費者的人格」と「受贈者的人格」があるということを述べています。簡単に言えば前者はお得感を求める気持ち。買い物は投票行動だという言い方もありますが、後者にはお金のやりとりとは別の交換が働いているように思います。誰もが両方の人格を持っていて、その比率が違ったり、場面場面で使い分けてるのだと思います。勿論僕自身もスーパーで夕方2割引き、半額のお魚を買ったりもします。テマヒマの目指しているところは、Drink Tickets,Omoiyari Ticket-Omoiyari Noteが顕著な例かと思いますが、「まちうま」は、ポイントをためる、使えるという仕組みからしてどうしても「消費者的人格」にスイッチを押してしまうところがあるのは否めません。ポイント目的の人を増やさないため、テマヒマでは来店ポイントを最低減の1ポイントしか付与していませんが、例えば1ポイントしか溜まらなかったというレビューを書き込むお客様とは相性が悪いです。逆説的な話ですが、テマヒマで、常連とお呼びしてもよい来店頻度の高い皆さんはこれだけ沢山お越しになっていても、このアプリをそもそもダウンロードしていないです。あと、元々は、このアプリの前身となるスタンプラリーへの参加も含め、地元を盛り上げたいという想いがあって始めたのですが、それが感じられなくなったということも撤退理由の一つです。特段お客様にご不便をおかけすることは無いかと思いますが、アプリのダウンロード数も随分増えてきているようですので、ご利用したいと思ってらっしゃる方がご利用出来ないということはあるかと思いますので、周知期間的なことも考えて、事前にお知らせ致しました。今年も残り1ヵ月となりました。ショップの方は蔵出し市の27,28日が最終、ランチ・カフェは22日が最終ですので、実質1ヵ月を切っていて、本当に速いです。。。12月も皆様のお越しをお待ちしております!

塩梅

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。昨日は、カフェタイムにみりん講座を開催致しました。終了直後に今日は、みりん蔵人の菱川ちえさんをお招きしてのみりん講座を開催しました。残念ながらご参加者は少なめでしたが、ご自身も麹作り講座など主宰されてる方、醤油職人さん、みそソムリエさんなど発酵界隈?の濃い〜メンバーでした。みりんとは?みりんの歴史、様々なみりん、みりん味比べ、みりんの製法、みりんの調理効果、煮切りみりん実演、みりんの活用法などなど盛り沢山の内容、菱川さんの溢れるみりん愛が伝わってくる内容で、ご参加者の熱量も高め。実際にみりんを作ってらっしゃる方だけに説得力が違います。同伴のお子様がいらっしゃったこともあり、菱川さんのお人柄もあって、和やかで穏やかなとても好い時間でした。最後はみりんを使ったスイーツの盛り合わせ。みりんのお土産までついて、ご参加費を遥かに上回るようなとても充実の内容でした。もっと多くの方にご参加頂けていたらなぁ。ご参加頂きました皆様、講師の菱川さんありがとうございました!というSNS投稿をしました。とてもとても良い内容、濃い内容で、かといってマニアックになることもなく素晴らしかったのです。例えば本当のみりんの良さを伝える時に、どうしてもみりん風調味料を悪く言う、それを比較するということってどうしてもあるのですが、講師の菱川さんにはそういうところが無くて。思ったままをそのまま書いてしまう僕なので、上記のコメントの中になんでこの講座をもっと多くの方にお届け出来なかったんだろう?と残念な、悔しい思いが滲み出てしまいます。日程的にタイミングが合わず残念ながら参加出来なかった方もいらっしゃいましたが、みりん講座を企画した当初から、そして募集開始した後に、やはり「みりん」自体のハードルの高さを感じていました。逆にだからその分参加者の濃さにもつながったわけですが。前日ご連絡を頂き急遽ご参加下さった方は岡山から娘さんと共にわざわざご参加下さいました。ご自身でも麹の教室を開催されてて、発酵界隈(?)、発酵仲間な方。ご縁が繋がった嬉しさもありますが、お店にお越しになって若いお客様が多いことに驚かれていました。このブログでは何度か書いてるように、テマヒマは、食を「入り口」に暮らしについて提案したり感じてもらえるようなお店を目指しています。同様に、民藝好き、発酵好きな方も多くお越し下さっていますが、そうでない方にも、皆さんに開かれていて、お越した頂いていて、そういう意味でも「入り口」的な役割があるかと思っています。なのでランチで言えば、予約してでも行きたい店ではありたいとは思いますが、予約しないと入れない店は目指していません。その塩梅が難しいのですが。八年目となり、お店としての「質」言い換えれば「濃さ」に傾きがちな気持ちはありつつも、その「入り口」というところとのいい「塩梅」を見出したいと思っています。塩梅という言葉とはズレますが、昨日試飲させてもらった熟成年数の長いみりん美味しかったなぁ。もはや古酒、紹興酒という感じでした。今日はランチ、カフェのお客様はそれほど多くは無かったのですが、ショップの方が久しぶりに盛況でした。お越し頂きました皆様ありがとうございました。明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチの11時半、12時のお時間はご予約で残り8席とお席に余裕がございます。12時以降はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。

壱萬

こんばんは。高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマプロデューサー,バイヤーの太田 準です。テマヒマのインスタグラムのフォロワー数が本日1万人に達しました。ありがとうございます!フォロワー数が単純に増えたらよいというものでは無いでしょうが、キリのいい数字ですし、少ないよりは多い方がいいだろうと思います。どれだけがアクティブで届いているかは分かりませんが、少なくとも1万以上のアカウントが1度はフォローして下さったわけで、本当に有り難いことに思います。ありがとうございます!遡ってみるとインスタ初投稿は2018年2月17日。このテマヒマブログは2018年2月22日スタートですのでそれより以前。お店の名前、コンセプトは決まっているが、物件はまだ決まってない頃でした。フォロワー1万に到着するまでに7年9か月、投稿数1.1万。広告費をかけることも無く、何か急速に伸びたことも無かったので、本当に地道に地道に積み重ねてきた感じがあります。お店の場所が決まった時、路地裏の奥まった場所、何もしなければお客様が来るはずが無い場所だったことから、投稿に力を入れた結果この投稿数になりました。飲食も物販もやっている、物販に関しては通販サイトを持たず通販対応のみということも投稿数が増えた理由でしょうか。個人的には、フィードを見ていても広告やおすすめが増えフォローしているアカウントの投稿は相対的に減っていてインスタの魅力は落ちてきている気がします。フォロワー数が増えてきても閲覧数やいいね数とかは伸びてはいないので、インスタの影響力の低下を感じているところですが、とは言え、お客様とお話している限り、テマヒマを知って頂くきっかけは(グーグルマップも多くなっていますが)まだインスタが中心であることには変わらないので、今後も変わらず投稿していきたいと思います。物販と飲食、しかも哲学カフェまで、お店のこともプライベートのことも1つのアカウントでやっていることの是非、投稿の頻度、内容など、おそらくインスタの現在のルールというかアルゴリズムにあってないんだろうなということは気が付きつつ。。。3連休最終日、お近くから遠くは岐阜や仙台の方までお越し頂きました皆様ありがとうございました。ランチで満席や売切の為お断りしてしまった皆様申し訳ございませんでした。明日明後日は火曜日水曜日で定休日です。木曜日11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチのご予約は3組のみでお席にかなり余裕がございます。ご予約無しでもお席ご案内出来るかと思います。それでは明々後日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。今日も一日お疲れ様です。好い夜をお過ごし下さい。おやすみなさい。